これがシンガポールだっ①中国系がインドの祭りを祝う他民族国家

 

はじめの一言

*西洋の学問や文化を知った明治の日本を見て。

「一つは日本人の性格の芯の強さであり、この特殊な民族は古くから学問教育を連綿として続けており、新しい光りに直面しても眼がくらむようなことはなかったのである(チェンバレン 明治時代)」

「日本賛辞の至言33撰 ごま書房」

 

 

シンガポール人の知人がフェイスブックにこんな写真を投稿をしていた。
そしてこれをきっかけに、シンガポールという国のことを知ることができた。
今回はシンガポール人の英語を学びながら、「他民族国家」シンガポールを紹介したい。

 

 

この写真には、「Happy Deepavali」というメッセージも添えられていた。

そうか。今、「ディーワーリー(Deepavali)」の祭りがおこなわれているのか。
この投稿で、それに気づいた。

「ディーワーリー」とは、インド(ヒンドゥー教)の最大の祭りのこと。

ディーワーリー

インドのヒンドゥー教の新年のお祝い。別名「光のフェスティバル」とも呼ばれ、10月末から11月初めのインド暦の第七番目の月の初めの日になる。この日は新月と重なる。

(ウィキペディア)

 

「新年のお祝い」と書いてあるとおり、ディーワーリーは「インドのお正月」にあたる。
日本の感覚だと、10月の終わりに「ゆく年くる年」というのも変な感じだけどね。
昨日は、ハロウィーンで仮装した人たちが街を歩いていたし。

 

この「ディーワーリー」は、ヒンドゥー教の女神「ラクシュミー」をお祝いするお祭りのこと。
ラクシュミーはヒンドゥー教の神様だけど、仏教にも取り込まれていて「吉祥天」になっている。

 

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ラクシュミー(ウィキペディア)

 

でも、待てよ。

知人は「Happy Deepavali」とうれしそうに書いているけど、彼女はインド系ではなくて中国系シンガポール人だったはず。

なんで中国系の人が、ヒンドゥー教の祭りを祝うのか?

それを疑問に思って、彼女に聞いてみた。

 

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シンガポールのシンボル「マーライオン」

 

彼女からの返事の前に、チョイとシンガポールという国を確認しておこう。
シンガポールは小さな小さな国だ。
東京23区ほどの大きさしかなく、国だけど首都はない。

このせまい島国にはいろいろな民族が住んでいる。

そのことを、外務省のHPにある「シンガポール共和国(Republic of Singapore)基礎データ」から見てみよう。

人口
約547万人(うちシンガポール人・永住者は387万人)(2013年9月)

民族
中華系74%、マレー系13%、インド系9%、その他3%

言語
国語はマレー語。公用語として英語、中国語、マレー語、タミール語

宗教
仏教、イスラム教、キリスト教、道教、ヒンズー教

 

シンガポールのお札には、英語・中国語・マレー語・タミル語(インドの文字)の4つの公用語が書かれている。

シンガポール旅行の大きな楽しみは、こうしたいろいろな民族の文化に触れられることだ。

多民族国家、シンガポールのごちゃ混ぜ文化を楽しむ

チャイナタウンやリトルインディア、アラブストリート、プラナカン文化が残されたカトン地区など、それぞれに街角の雰囲気がガラリと変わり、多民族国家シンガポールらしい、チャンプル感に溢れています。

チャンプルとは、マレー語で「ごちゃ混ぜ」という意味だそうで、文化や伝統、宗教が混在する異国情緒たっぷりの小旅行をつかの間楽しみましょう。

 

小さな都市にたくさんの民族が一緒になって暮らしている。
この「異文化ごっちゃ感」は、ボクもシンガポール旅行で味わうことができた。

ただ、このときは「同じ国に、多くの民族が共存している」とだけ思っていた。

 

だから、中華系のシンガポール人が、インド系ヒンドゥー教徒の祭りを「Happy Deepavali」とうれしそうに投稿しているのを見て、違和感をもった。

 

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ラッフルズホテル

 

さて、先ほどのボクの質問に対する、シンガポール人の知人の返事がこれ。
さあ、がんばって日本語にしてみて!

Yes, there are many Hindus in Singapore.
There are also many Muslim Indians too.
We celebrate festivals for all races and religions.

It know it’s very hard for Japanese to understand. We enjoy each other’s festivals and New Years.
That is Singapore!SGSGSG

 

「It know」は、きっと「I know」の間違い。笑。
でも、そんな小さいことはどうもでいい。
これを書いた本人も、この間違いには気づいたけれど直さなかったかもしれない。
面倒くさいから。
シンガポール人が、日本人ほど「正しい文法」にこだわるわけがない。
もちろん、彼女は完璧な英語を話す。

 

「意訳」

「そう。シンガポールにはたくさんのインド人がいます。イスラーム教徒のインド人もたくさんいます。私たちは、すべての人種や宗教の祭りを祝いします。日本人がこのことを理解するのは、とても難しいということは分かります。私たちは、互いの祭りや新年を楽しみます。それこそが、シンガポール!SGSGSG」

「SG」は「Singapore」のこと。

 

なるほど!
さすが、多民族国家のシンガポール。
違った宗教や人種の祭りや新年であっても、「同じシンガポール人」としてみんなで祝う。
確かに、これこそまさにシンガポールだ。

シンガポール人が「That is Singapore!SGSGSG」と言っているだから、間違いない。

 

この後、ボクと知人のやり取りを見ていた知人の友人のシンガポール人も会話に加わってきた。

そのことは次回に。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。