日本と中国の仏教④インド(ヒンドゥー教)の輪廻・人間不信の社会


 

今回の内容

・中国仏教の地獄
・輪廻(りんね)って?
・詐欺と人間不信の中国社会

 

 

・中国の地獄

中国旅行で西安という都市に行った。
その西安で、中国人のガイドさんおすすめのにお寺を案内してもらった。

その寺のお堂に入って思わず息をのむ。
壁にびっしりと、地獄の様子が死者や獄卒(鬼)の像を使って描かれていたのだ。

 

その地獄の様子があまりにリアルで、一瞬、言葉を失った。

すげっ。

 

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この閻魔(えんま)王から「おまえは地獄行きだ」と言い渡されたら、地獄に行くことになる。

 

 

これが地獄の世界。

ここに載せるのは、写真だけ。文は前々回の記事を見て。

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・輪廻(りんね)って?

これらの地獄の様子を前にして、ガイドが話をする。

「この地獄の考え方は、昔から中国にあるものです。人は生きているときに善いことをしていたら、良い世界に生まれ変わることできます。けれど、悪いことをしていたら苦しい世界に生まれ変わってしまいます」

 

そして本当にひどいことをしていると、最悪このような地獄に落ちてしまう、というわけですね。

こわいこわい。

 

これは「輪廻(りんね)」の考え方だから、ガイドの話の内容は分かる。

この輪廻の考え方は日本も中国も同じ。
そもそも、日本に伝わった仏教は中国仏教だ。
もとは仏教の思想だった輪廻の考え方は、今ではだれもが知っているような常識になっている。

この点でも、日本と中国は共通している。

 

「輪廻(りんね)」という言葉は、中国人(西域人?)がつくっている。
古代インドの「サンサーラ(saṃsāra)」という言葉を、中国人が「輪廻」と漢訳して生まれた。

 

りん‐ね【輪×廻】
《〈梵〉saṃsāraの訳。流れる意》仏語。

生ある者が迷妄に満ちた生死を絶え間なく繰り返すこと。三界・六道に生まれ変わり、死に変わりすること。
インドにおいて業(ごう)の思想と一体となって発達した考え。「六道に―する」

(デジタル大辞泉の解説)

 

輪廻は古代インドで生まれた思想で、今のヒンドゥー教にもその考えが引き継がれている。

人が死んだらその遺体を焼いて、遺灰をガンガー(ガンジス川)に流せば、輪廻の苦しみから解放される。

ヒンドゥー教徒は、そう信じている。

 

 

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ガンガー(インドのヴァラナシ)

 

 

・詐欺と人間不信の中国社会

でも、ガイドの話を聞いていて、疑問がわいてきた。

 

「善いことをしていたら天界に行くことができて、悪いことをしたら地獄に落ちる」
こういう考えが社会の常識としてあるのに、中国ではその教えを守る人があまりに少なくないか?

 

中国旅行で、「だまされた」「ぼったくられた」という旅行者には、大変しばしばよく会った。
中国では殺されるという凶悪な犯罪は少ないけど、人をだましてお金を取るような詐欺行為がよくある。

 

さらに上海では、こんな話を聞いて衝撃を受けた。

上海でお世話になった中国人ガイドが、「中国では、こんなことを気をつけてくださいね」と言って次ようなことを言う。

「いいですか?知らない人から声をかけられても、相手にしないでください。それと、困っている人がいても無視してください」

 

ああ、そうですね。
うん?

「知らない人から声をかけられても、相手にしない」

これは分かる。
観光地で声をかけてくる人に、良い人はいない。
実際には良い人がいるかもしれないけど、安全のためには「いない」と考えて無視した方がいい。

これは、インドやエジプトなど世界各国で通じる旅の黄金律(ゴールデンルール)だ。

 

おうごん‐りつ〔ワウゴン‐〕【黄金律】

《golden rule》内容が深遠で、人生にとってこの上なく有益な教訓。

通例、キリストの山上の垂訓の一節「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ」
〈マタイによる福音書・七〉をさす。

(デジタル大辞泉の解説)

 

 

 

 

それは旅の常識だから分かる。

よく分からないのが、これ。

「困っている人がいても、無視してください」

なんで?
人助けをしてはいけないということ?

 

「そうです。今の中国には、悪い人がいっぱいいます。困ったふりをして人をだますことがよくあるんです。たとえば、倒れている老人を助けたら、『おまえのせいでこうなったんだ。治療費をよこせ!』と言ってお金をだまし取る詐欺事件が起きているのです」

 

本当ですか?

とこの時は驚いたけど、後でネットを見たら本当だった。

 

人助けも戦々恐々な中国、「日本の老人は助けてもいいのか?」に中国人はどう答えるか―中国ネット

2015年5月15日、中国では倒れている老人を善意で助けたところ、加害者扱いされ高額の治療費などを請求される事件が多発している。

先月も安徽省で女子中学生が助けた老人に加害者だと誤解され、監視カメラや目撃者の証言でどうにか潔白を証明した騒動が起きている。

こうした事件が絶えないため、「倒れた老人は助けてはいけない」という認識が中国社会に広がっている。

 

上海の中国人ガイドも、ここに書いてあることと同じ考え方をしていた。

 

「街で人が倒れているのを見かけても、私の知らない人だったら無視します。何があるか分からないですから。それと、前から老人が歩いてきたらよけますね。わざと私にぶつかって倒れて、『おまえのせいだ!金をよこせ!』って言われるかもしれないですから」

 

こうしたことを聞いていたから、先ほどの疑問が浮かんだ。

 

「善いことをしていたら天界に行くことができて、悪いことをしたら地獄に落ちる」

この考えを誰もが知っているのなら、なんで相手をだましてお金をとるような人間が多いのか?

 

もちろん日本でも犯罪は起きるし、こんな宗教的な教えで詐欺行為をなくすのは不可能。

でも、「人が倒れていても他人なら無視する」という人間不信が常識となる社会はおかしい。
輪廻という考え方はだれでも知っていると言うけど、それが中国の社会にはまったく影響を与えていないように見える。

 

こんな疑問をガイドにぶつけてみた。

続きは、次回に。

 

 

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投稿者: kokontouzai

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。

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