タイ旅行の危険①日本人が国王のタブーに触れて軍に連行された

 

はじめの一言

「豊臣秀吉が、宣教師のルイス・フロイスと会ったときの様子」

「やがて関白は自席から立ち上がり、副管区長(コエリュ。訳者注)師のすぐ近くまで来て坐ったが、両人の間には畳半分ほどの距たりもなかった。彼はおもむろに司祭に語りかけ、幾つか自身が行おうと決心していることを打ち明けた。同席の日本人たちは誰も皆、彼がこれほど打ちとけた態度を伴天連に示している様子に接し、関白の性分から稀有のことと驚嘆した(ルイス・フロイス 戦国時代)」
「日本絶賛語録 小学館」

*距(へだ)たり、幾(いく)つか、伴天連(ばてれん:キリスト教)
稀有(けう)

 

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ところで、この絵を見て不思議に思いませんか?

「顔に比べて、秀吉の手が小さすぎるな」と。

じつは豊臣秀吉には指が6本あって、本人がそれにコンプレックスを感じていたから、あえて小さく描かせたという説がある。
目立たなくするように。

とよとみ‐ひでよし【豊臣秀吉】

[1536~1598]安土桃山時代の武将。
尾張の人。幼名、日吉丸。初名、木下藤吉郎。

織田信長に仕え、戦功をたて、羽柴秀吉と名のった。

信長の死後、明智光秀・柴田勝家を討ち、ついで四国・九州・関東・奥州を平定して天下を統一。
この間、天正13年(1585)関白、翌年太政大臣となり、豊臣を賜姓。また、検地・刀狩りなどを行い、兵農分離を促進した。
のち、明国征服を志して朝鮮に出兵したが、戦局半ばで病没。茶の湯などの活動も盛んで桃山文化を開花させた。

(デジタル大辞泉の解説)

 

日本史の重要人物である「フロイス」も知っとこう。

フロイス

ポルトガルのイエズス会宣教師。東インドに派遣され,ゴアで日本の事情をザビエルから聞いて1563年来日。九州,近畿など各地を伝道,織田信長,豊臣秀吉とも交わり,信長の面前で朝山日乗を論破した。

(百科事典マイペディアの解説)

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ルイス・フロイスの署名(ウィキペディア)

 

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「初めて海外旅行に行くなら、どこがいい?」

と聞かれたら、タイをおすすめしている。

まず、タイは治安が比較的良い。
それに、きれいな海・豊かな自然・おいしい料理がある。

さらに、のんび~りとしたタイ人の気質にふれると、気持ちがリラックスできる。
これが一番のおすすめかもしれない。

 

そんな穏やかなタイ人の国民性をあらわす言葉に、「マイペンライ」というタイ語がある。

マイペンライ
タイ語で、「気にしない」、「大丈夫」、「どういたしまして」とかを表す言葉。

難しいこと・細かいこと考えずに、気楽にいこう。という雰囲気がにじみ出て来る言葉。

(はてなキーワード)

 

どういう場面が、タイ人にとって「マイペンライ」なのか?

友人のタイ人に言わせると、友だちとの待ち合わせ時刻に遅れたときや赤信号を無視するとき(!)などがこのマイペンライ(気にするな、問題ない)」になるという。
規則やルールをしっかり守る日本人がタイに行くと、良い意味で気がゆるんでしまう。

 

でも、そんな大らかなタイには、思わぬ危険がある。

「仏教」と「タイ王室」。

この2つのことについては、「マイペンライ」も通じない。
敬意を払って、決して軽くみるような態度をとってはいけない。

 

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この人は、バスの運転手。
客を降ろした後、バスと建物にハンモックをひかっけてスマホ(?)で遊んでいる。
こんな勤務態度でも、タイではマイペンライ(問題ない)。

 

「仏教」と「タイ王室」については、タイ人はとても高い敬意を示していている。

この記事では、タイの国王について書いていく。

 

日本にも天皇がいるから、逆に分かりにくくなる。
日本のなかの天皇とタイのなかの国王は、まるで違う。

日本人の天皇に敬意を払っているけど、タイではその敬意の見せ方がだいぶ違う。

 

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タイでは、こういった国王や王家の方の写真が、街のいたるところにある。

巨大なショッピングモールの入口にもあるし、学校の教室にも国王の写真がある。
鉄道の駅にも高速道路にもある。

日本では、イオンの入口や学校の教室に天皇の写真があることは考えられない。

 

タイの街を歩いていると、タイ人が国王や王族の方の写真の前にひざまずいて頭をさげて礼拝しているのをよく見る。
タイ人は日常生活で、積極的・直接的に国王への敬意をあらわしている。

こういう姿を見ると、日本人の天皇への敬意の示し方とは違うなあ、と感じてしまう。

 

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空港の建物にも、大きなタイ国王の写真がある。
これは、乗客が飛行機から空港に入る通路。

 

そんなタイには「不敬罪」という罪があって、国王を侮辱するような言動をする警察にと捕まってしまう。

だから、タイ旅行をするなら、そうした行為をするのはとても危険。

とはいっても、常識的に考えて日本人の観光客が、わざとそんなことをするとは思えない。
意図的に街にあるタイ国王の写真を壊したり、国王を侮辱するようなコメントをしたりするとはないだろう。

 

それらは注意するまでもない当たり前のことだから、ここでは書かない。

今回書くことは、日本人本人は国王を侮辱したつもりはなかったけど、結果的に「侮辱したとみられてしまって」問題となってしまった行為について。

 

タイ旅行で注意するとしたら、自分では気がつかないうちに国王を冒とくしてしまうことだ。
これは、危険なことだと思う。

2016年の10月31日に、タイでゴルフをしていた日本人が軍に連行された。

国王死去のタイ、軍がゴルフ場の日本人20人連行 「服喪中に不謹慎」

軍関係者の話によると、軍は「日本人がゴルフ場で飲み食いしながら騒いでいる」というタイ人からの通報を受け、軍車両3台で現場に急行。

日本人を軍施設まで連行し、「タイ人が見るに見かねて連絡してきた。服喪中に不謹慎だ」として厳重注意した。身元確認のためパスポートの提示を求めたところ、何人かは不所持だったため、軍とともに自宅まで取りに行ったという。

 

この日本人たちは、ただゴルフを楽しんでいただけで、タイの国王を侮辱する意思はまったくなかったはず。

でもそれがタイ人のひんしゅくを買って、「国王に対して失礼だ」とみなれて軍の施設まで連行されてしまった。

 

自分たちにはタイの国王を侮辱するつもりはなくても、まわりのタイ人から自分の行為がどう見られるのかについても、もう少し配慮するべきだったのだろう。

このときは、少し前にタイの国王が亡くなってタイ全体が「自粛ムード」に包まれていたから、よけい目立ちやすい。
でも、ゴルフを営業していた側にも責任があるはずだけど。

 

とにかくタイでは、国王や王室を蔑ろにすることは絶対に許されないタブー」であることが分かると思う。

本人はそう思わなくても、まわりのタイ人にそう思われただけでも危険だ。

ない‐が‐しろ【▽蔑ろ】

[名・形動]《「な(無)きがしろ(代)」の音変化》
1 あってもないもののように軽んじること。また、そのさま。「親を蔑ろにする」

(デジタル大辞泉の解説)

 

特に今は国王が亡くなって、タイ全体が喪に服している。
目だった服装や人目を引くような言動には、気をつけた方がいい。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。