タイで日本のラーメンが流行る理由①外国人になじみがある。

 

最近のできごと

タイの国王が亡くなってから、タイでは派手な服装は嫌われる雰囲気がある。
ある女性校長が着任歓迎会で赤いドレスを来て登場したところ、服喪中に不適当だとして、地元住民数十人が校門前で抗議する騒ぎがあった。
そのあと女性校長は勤務地を移動される。

11月30日の「newsclip.be」の記事から。

タイ国王服喪中に不適当、赤服の女性校長異動

タイの公務員、国営企業職員は10月13日のプミポン国王死去を受け、1年間の喪に服し、毎日、黒い服を着用している。一般市民も、政府が要請した1カ月間の娯楽活動自粛後も、多くが黒い服を着用。黒服を着ていない市民が「不敬」だとして暴力を振るわれた事例もある。

 

10月には、タイでゴルフをしていた日本人が軍に連行されている。

しばらくは、タイでの言動には気をつけた方がいい。

2016~17タイ旅行の注意点②国王の喪中は服や言動で目立たない・楽しみすぎない

 

でも、どこかで自粛をやめて通常の生活に戻す必要はある。

昭和天皇のときも、「いつまで自粛するか?」ということが話題になった。
どこかで、自粛を自粛しないとね。

 

タイの名物・トゥクトゥク

でも、じつは日本生まれの乗り物だったりする。

日本とタイの良い関係、その歴史 泡盛・家康・トゥクトゥク

 

前回まで、「流行」というものについて書いてきた。

2015年には「爆買い」が日本で流行したけど、すぐになくなってしまった。

そんな流行のことを書いているときに、思いついたことがある。

タイでの日本のラーメンのこと。

 

タイには、20年ぐらい前から旅行でちょくちょく行っている。

いつごろかは忘れたけど、日本のラーメンがタイで流行になって、バンコクにラーメン屋が何軒もできたという話を耳にした。

それまでは日本料理のお店に、メニューの1つとしてラーメンがあったのが、ラーメンの人気が出てきたことで、だんだんと専門店の「ラーメン屋」ができていったように思う。

 

そのときに感じた疑問は、これ。

「はたしてこれは、一過性のブームか?日本のラーメンは、ただの流行で終わらないでタイ人に定着するのだろうか?」

ラーメン好きの日本人としては、そんなことが気になった。

 

なんせタイでの日本の影響力は、どんどん小さくなっているように感じていたから。

20年前のタイの空港には、ソニーやパナソニックなどたくさんの日本の家電メーカーの看板があった。
でも今では、サムスンやLGといった韓国ブランドに取って代わられている。

日本のドラマや歌手よりも、韓流の方が人気が高いという。

 

そんなタイ人に、日本食は広く受け入れられるのか?
タイという国で、ラーメンは根づくのか?

 

でもタイ人に話を聞くと、ラーメンはだたの流行で終わることはなかったようだ。

今では、タイ人の食生活の一部として日本のラーメンが浸透しているという。

日本のラーメンは一時的なブームで終わらずに、タイの社会に定着したようだ。

 

これはうれしいニュースですね。

 

ところで、なんでタイで日本のラーメンは人気になったのか?

タイ人のガイドや友人に話を聞くと、その理由はラーメンのおいしさだけではない。

総合すると、次の3つがある。

・もともと、タイ人は麺料理になじみがあった。
・ラーメンは、タイの食文化に合っていた。
・日本のブランドイメージが良い。

今回から、上の3つのことを書いていきたいと思う。

 

バンコクのショッピングモール「ターミナル21」の日本フロアー

 

まずは、「もともと、タイ人は麺料理になじみがあった」という理由から。

タイでは、昔から「クイッティアオ」というお米の麺料理があった。

タイのラーメン「クァイティオ」

中国から伝わった麺料理で「クイッティアオ」という名前も、「粿條」がなまったもの。
タイでは屋台でもデパートでも、全国各地で食べることができる

 

タイ人は麺料理にはなじみがあったから、日本のラーメンも問題なく受け入れることができたという。

海外で初めて食べる物でも日本で似た食べ物があったら食べやすい。
たとえば、ボクの好きな韓国料理の「カルグクス」がそう。
カルグクスは、言ってみれば韓国のうどん。

日本でも同じような食べ物を食べていたから、初めてでも抵抗はなかった。

 

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カレーは日本でもおなじみの食べ物だから、タイカレーにも抵抗はないはず。

 

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これはどうだろう?
マンゴーとお米のデザート
日本ではなじみがないから、カレーよりは抵抗があると思う。

 

外国人にとってなじみがない食べ物は当然人気がでない。

そもそも食べることができないものもある。

たとえば、外国人には納豆やとろろを食べられないという人が多い。

「あのネバネバの食感がイヤだ」という。

 

知り合いの日系ブラジル人は、ブラジルではお餅は人気がないという。
ブラジル人の友だちにお餅を出したところ、「これは、気持ち悪くて食べられない」と言われたらしい。

日本人なら、子どものころからネバネバやモチモチの食感に慣れているから、そんな食べ物があっても抵抗はないだろう。

「食べたときの感覚が気持ち悪い」というのは、理屈ではない。
「頭で理解したら味覚や食感が変わる」というわけがない。

 

「食べ物の慣れ」というのは、子どものころから時間をかけて身につけたもの。

外国で新しい食べ物を流行らせようとしたときに、「その国の人が、その食べ物の食感に慣れるまで待つ」なんていったら、とんでもない時間がかかる。

 

その点、日本のラーメンではすでにその問題はクリアされていた。

だから、タイ人の間で人気が出て広まったのだろう。

 

そう。それはまるで、燎原の火のように。
というほどのものかは分からないけどね。

りょうげん‐の‐ひ【燎原の火】

燃えひろがって野原を焼く火。勢いが盛んで防ぎ止められないもののたとえにいう。

(デジタル大辞泉)

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。