ネットでの注意①情報操作のトリックに騙されないように

 

ネットを見ていると、時どき「これは、ひどい情報操作だな」と思うことがある。

そして実際に、そのトリックにひっかかっている人もいる。
最近、典型的で分かりやすい情報操作の例を見つけたから、今回はそれを紹介したい。

この手口はこれからも必ずつかわれるから、情報操作のトリックに騙(だま)されて痛い目に合わないように覚えておこう。

 

つい最近、福島県でお地蔵さんや神社のキツネの像が韓国人の男によって破壊された。

テレビ朝日の報道によると、壊された仏像などは100体を超えるという。

100体超“仏像破壊”か 韓国籍の男が関与認める

福島県で100体を超える仏像などが相次いで壊された事件で、キツネの像を壊すなどした疑いで逮捕された韓国籍の男が他の事件への関与も認めていることが分かりました。

 

この事件はニュースで取り上げられていたから、多くの人が知っていると思う。

この記事に書いているように、この事件は韓国籍の男が起こしている。

 

そのことを念頭において、次に進もう。

ネットの掲示板で、誰かが朝日新聞の記事から引用して、次のようなタイトルのスレッドをたてていた。

「寺や神社の地蔵や仏像などが壊される事件が、福島県内で相次いでいる-朝日新聞」

 

その内容を読んでほしい。

寺や神社の地蔵や仏像などが壊される事件が、福島県内で相次いでいる。
県警の調べでは、12日までに119体の被害が確認された。
「笠地蔵」の昔話が伝わる地元では、「何の目的で」と憤る声があがる。
10日には、うち1カ所の神社の石像を壊した疑いなどで男が逮捕され、関連を調べている。

*+*+ asahi.com +*+*

 

この朝日新聞の記事が出た時点で、すでに犯人が韓国人であることが分かっていた。
そして多くのマスコミも、国籍と名前を報道している。

 

でも、この朝日新聞の記事によるスレッドには、「男が逮捕され」とだけ書いてあって、犯人の名前や国籍が書いていない。

このことで、「朝日新聞は、犯人が韓国人であることを隠している」と思った人たちが、怒りの書き込みをしている。

なんですでに逮捕されて国籍、名前まで特定されてるのに載せないの?

どういう男か分かってるのに書かない所が朝日、マジでしね

朝日新聞は韓国人だと名前を書かない、いつもの朝日新聞だよな

こういう事すら意味不明な擁護して逆恨みでしてくるから嫌われるんだよ。

朝日得意の報道犯罪

 

これらの書き込みをした人たちは、情報操作のトリックに騙されている。
いつかネットで失敗して、痛い目にあうんじゃないかな?

 

この朝日新聞の記事をすべて読むと、しっかり犯人の名前が書いてある。

笠地蔵が伝わる福島なのに… 地蔵仏像被害、119体に

福島県警は10日夜、烏峠稲荷神社の石像などを壊したとして、住所不定、無職の韓国人チョン・スンホ容疑者(35)を建造物侵入と器物損壊の疑いで逮捕し、12日に福島地検白河支部へ送検した。

 

朝日新聞の記事には、「韓国人チョン・スンホ容疑者」と書いているにもかかわらず、スレッドを立てた人間は、わざとこの部分を抜き出さなかった。

こういうのを情報操作や印象操作という。

 

なんでこういうことをするのか?

このスレッドを立てた人間は、「多くの人が、朝日新聞に悪いイメージを持つように」という動機があってこんな操作をしたのだろう。

「朝日新聞をおとしめてやろう」という悪意があって、記事の全文のなかから自分の都合のいい部分を切り取ってスレッドを立てた。

記事の一部だけをのせることで、それを読んだ人が「朝日新聞は、犯人を隠している」と、実際の記事とは正反対の印象をもつように誘導している。

 

そう断定していいでしょ。
記事には、「無職の韓国人チョン・スンホ容疑者(35)を建造物侵入と器物損壊の疑いで逮捕し」と書いているのに、それを無視して「男が逮捕され」というところだけを抜き出しているのだから。

この引用の仕方には、「情報操作をするため」ということ以外に合理的な理由が見つからない。

 

実際の新聞記事とはまったく反対の意味で解釈させようとしたのだから、この印象操作は悪質ですねえ。

でも、典型的で分かりやすい情報操作の例だから、説明はしやすい。
だから、ここで例に出した。

ボク自身は、他人が「韓国が大好き」でも「韓国が大嫌い」でも関係はないから、どうでもいい。
でも、どんな主義や主張をしている人であれ、操作された情報を信じて何らかの行動をしてしまい、結果的にその人が傷ついたり不利益を受けたりするのは気の毒だと思う。

 

さらに、悪意を持って情報操作をすることで、他人を自分が望む方向に誘導しようとするのは見ていて腹が立つ。

誰もが匿名で書き込むことができるネットには、どうしてもそういう情報が多くなる。じゅうぶん気をつけよう。

そんな情報を信じて何かの行動をしてしまったら、傷つくのは自分や家族だから。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。