慰安婦像問題⑥韓国にとってのアメリカとは(朝鮮戦争)?

 

では、さっそく前回の続きどす。

韓国が北朝鮮から攻め込まれて、朝鮮戦争が始まった!
というところから。

念のため、朝鮮戦争とはこんな戦争のことでしたね。

朝鮮戦争

1950~53 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から大韓民国(韓国)への侵攻で始まった戦争。北朝鮮軍に対し、アメリカ軍を中心とした国連軍が韓国を支援して介入(かいにゅう)した。

戦況が逆転して国連軍が鴨緑江(おうりょくこう)にせまると、中国が人民義勇軍を派遣して、のち38度線を挟んで戦局が膠着(こうちゃく)した。1953年に休戦協定が結ばれ、国家の弁列は固定化された

(世界史用語集)

北朝鮮軍に攻め込まれた韓国軍は退却に退却を重ねて、釜山のあたりにまで追い詰められてしまった。

このときの韓国の領土は、実質的に下の地図の「最終防衛線」の内側だけ。

もう、朝鮮半島のほぼすべては北朝鮮のものになっていて、韓国は地球上から消える寸前。

 

画像は、「韓国の中学校歴史教科書 明石書店」から。

このとき大韓民国の領土は、釜山から大邱(テグ)のあたりまでしかなかった。

 

 

でもこのときの韓国を救ったのが、アメリカ軍を中心とする国連軍。

国軍と国連軍は仁川上陸作戦をきっかけに反撃を試み、1950年9月28日にはソウルを取り戻し、この機会に統一を実現するという考えから共産軍を追って北韓に進撃した。

(韓国の中学校歴史教科書 明石書店)

今度は逆に、韓国が「もうちょっとで北朝鮮を滅ぼして、朝鮮半島を統一できる!」というところでいく。

でも、中国軍登場。
中国軍は北朝鮮を支援して、韓国軍や国連軍と戦う。

国軍と国連軍が鴨緑江まで進撃して統一を目前にしたが、中共軍の介入で退かざるをえなかった。

(韓国の中学校歴史教科書 明石書店)

この戦争は休戦となって、現在の韓国と北朝鮮が生まれることになった。
休戦ですよ、休戦。
だから、韓国と北朝鮮は今でも戦争中ですよ。

それと同時に、「韓国とアメリカ」「北朝鮮と中国」という深い結びつきも生まれた。
最近は、北朝鮮と中国の関係はあんまり良くないみたいだけどね。

 

でも、韓国とアメリカの結びつきは強い(たぶん)。

そもそも、朝鮮戦争が始まった大きな原因は、韓国からアメリカ軍がいなくなったことだった。

この頃、韓半島に進駐していたアメリカ軍が撤収し、韓半島をアメリカの極東防衛線から除外するという発表もあった。北韓の共産主義者は、このような情勢を利用し戦争を準備した。

(韓国の歴史 明石書店)

「アメリカが朝鮮半島から出て行ったら、韓国は北朝鮮軍に攻め込まれる」
この考えは、今の韓国にも強くある。

というか、これが韓国の安全保障の基本的な考え方だと思う。

 

 

ところで、「国連軍」という言葉に違和感を感じませんでしたか?

以前、ボクはこんなことを考えていた。

「国連は戦争を認めていない。禁止している」

だから、国連軍という軍隊があることを知ってビックリした。

実際には国連は戦争を認めているし、朝鮮戦争のときには国連軍として戦争に参加している。
でも、国連にそんなイメージがなかったから、ボクにはこれがかなり意外。

 

それはともかくとして、朝鮮戦争で共に戦ったことで韓国とアメリカは深い絆で結ばれる。
そしてその延長に、現在の韓米関係がある。

 

そんな韓国は今、アメリカをどう見ているのか?

ソウルと釜山に慰安婦像が立ってしまって、日本との関係はかなり悪化してしまった。
そうなると韓国としては、こんなことが気になってくるはず。

「アメリカは、この問題をどう見るのだろう?」
「日本と韓国のどっちの味方になるんだろう?」

きっと、夜も寝られないほどね。

そのことを、次回に書いていきたい。

 

おまけ

この記事で出てきた「仁川上陸作戦」について、今の韓国人はどう考えているのか?

東亜日報の社説にそのことが書いてある。

仁川上陸作戦を考える

今日は、国連軍が仁川(インチョン)上陸作戦に踏み切って55周年に当たる。この作戦が成功していなかったら、大韓民国は共産化の運命に呑みこまれたことだろう。

1950年の今日、国連軍司令官のダグラス・マッカーサー(1880〜1964)将軍は、約200隻の艦艇と7万人余りの兵力を率いて仁川に上陸、洛東江(ナクドンガン)まで進撃していた北朝鮮軍の背後の兵站線を遮断することに成功した。

一触即発の赤化の危機状況で、一気に大勢を逆転させた国連軍は、ソウルを奪還し、逃げ出した北朝鮮軍を追撃し、鴨緑江(アムノクカン)まで進撃した。

しかし、中国共産軍の参戦で後退せざるを得なくなり、戦争は痛恨の分断とともに終焉した。これが仁川上陸作戦であり、朝鮮戦争である。

 

仁川にはこの作戦の記念館がある。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。