日本に強く中国に弱い韓国③中国大使館前の少女像は許さない

 

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韓国では国民感情は絶対的。

強烈な国民感情には、政府もマスコミも誰も対抗できない。
韓国では反日感情が法律よりも上にあるから、釜山にも慰安婦像が立てられてしまった。

でも今、韓国政府が困っている。
国内の激烈な反日感情と国際的な常識(ウィーン条約)の間にはさまれて、身動きが取れなくなっている。

ハンギョレ新聞の記事(2017.01.14)によると、「国際社会では外交公館や領事公館の前に施設や造形物を設置することは望ましくないというのが一般的立場」と言った外交部長官(外務大臣)に対して、与党議員がこう主張した。

与党のセヌリ党のユン・ヨンソク議員も「日本が10億円を拠出したことで、合意をすべて履行したかのような態度を取るのを到底納得できない」としたうえで、「合意文にひとこと言ったことで、日本が謝罪と反省をしたとは決して思わない」と話した。

「日本の外相だと思った」…ユン・ビョンセ長官「釜山少女像の撤去・移転」を主張

 

韓国の政治家やマスコミがふれないことがある。

日本の総理大臣が、慰安婦だった人たちに「心からのおわびと反省」を示してきたことについては口を閉ざす。

そのことは外務省のホームページに書いてある。

この問題に関し、総理が日本政府を代表して、改めて心からのお詫びと反省の気持ちを表す手紙を直接元慰安婦の方々にお届けしてきた。

慰安婦問題に対する日本政府のこれまでの施策

 

日本の新聞でも、にたような報道がある。
まるで「日本政府は、10億円を出して終わりだと考えている」と思わせるような記事があって首をかしげてしまう。

「日本は金を出しただけ」 というワケではないのに。

 

 

韓国は日本には強いけど、中国にはめっぽう弱い。
前回書いた記事の続き。

中国の韓国への制裁のオソロシイところは、これらは「まだ始まりにすぎない」ということ。

中央日報(2017年01月11日)の記事にこう書いてある。

<チャイナインサイト>新年の中国発3大リスク…THAAD報復、成長鈍化、紅色供給網=韓国(1)

最初のリスクは昨年7月から攻勢的に繰り広げられている中国の高高度防衛ミサイル(THAAD)への報復だ。韓国に行く中国人観光客の縮小と韓流コンテンツの規制、中国進出韓国企業への税務調査など中国の経済報復は多様だ。すべて非公式的だ。

ここで注意しなければならない点は、これまでの経済制裁は予告編にすぎないということだ。THAADが実際に韓国に配備されれば中国はいまよりはるかに強力で包括的な制裁を加えると警告している。この場合韓国への影響はほぼすべての産業に拡大する可能性が高い。

 

中国は韓国にいろいろな制裁を加えている。
中国からの韓流のしめ出しや経済制裁、軍隊でも威嚇(いかく)している。
でもこれらの制裁は、まだ「予告編にすぎない」という。

予告編だけで、韓国は相当まいっている。
本編までもつかどうか?

 

中国は「THAADを韓国に配備するな!」と言っているけど、韓国政府はすでにこの配備を決めているし、撤回する意思もない。

THAADが実際に韓国に配備されたら、中国は本格的な制裁をするのだろう。
韓国にとっての本当の地獄は、これから始まることになる。

 

釜山の日本領事館の前に慰安婦像が立ったことに、日本政府が韓国に抗議している。
韓国大使を一時帰国させたり、通貨スワップの交渉を中断させたりした。

それだけで、中国が「今回の件に対する日本の反応は明らかに過激だ」なんてよく言うわ。

では、みなさん、ご唱和ください、1、2、3…

おまえが言うな~!

 

韓国は日本には強いけど、中国にはとても弱い。
そんな韓国をよくあらわしている記事があった。

韓国には、中国大使館の前にも「脱北者少女像」を設置しようとする動きがあるらしい。
今、北朝鮮から中国へと逃げ出してくる人たち(脱北者)がたくさんいるのだけど、中国当局はその人たちを捕まえては北朝鮮に送りかえしている。
脱北者が北朝鮮に送りかえされたら、処刑されるか刑務所に入れられるかのどちらかだろう。

韓国には中国政府の脱北者へ対応に抗議する人権団体があって、その団体がソウルの中国大使館の前に少女像を置こうとしているという。

でも韓国政府はそれを絶対にさせない。

Wedgeの記事(2017年1月13日)から。

日本大使館、領事館前の少女像設置は黙認しておきながら、中国大使館前の少女像設置に対しては厳格な措置をとる。

「国民感情」を理由に日本大使館前への少女像設置を黙認する対応とはあまりにも対照的な反応である。

中国大使館前の「脱北者少女像」設置運動はダメ?

 

韓国は、日本大使館の前には少女像を立てることを許したけど、中国大使館の前には絶対に少女像を立てさせない。
その理由として、中国はコワいけど日本は「我慢強い」かららしい。

一点目、中国に対する怯え。同じ行動をしたとしても日本は我慢するだろう、あるいはすべきだという意識があるが、中国にはそんな甘えが通用しないことを知っているのだ。

韓国がサード(米国の高高度ミサイル防衛システム/THAAD)配置を決定すると、中国は直ちに韓流コンテンツの制限に踏み切ったように、中国が具体的「報復」行為に踏み切ることを恐れているのだ。

 

「同じ行動をしたとしても日本は我慢するだろう、あるいはすべきだという意識がある」というのは、韓国は日本を甘く見ているということ。

中国は絶対に韓国になめられない。
日本も中国の強さや外交のしたたかさに学んでもいいかも。

 

中国は怒ると怖い。
でも国際社会では、「あいつは怒らせるとコワいぞ」と外国に思わせることも大事。

 

おまけ

前に韓国にある「反日無罪」について書いた。

韓国では反日で愛国的な行為は、違法であっても許されてしまう。
ソウルや釜山の慰安婦像のように。

そんな韓国の社会の風潮を「反日無罪」と呼ぶことがある。
でも、そんな反日無罪は国際社会では通じるわけがない。
それは、韓国人もよくわかっているらしい。

 

朝鮮日報の記事( 2017/01/13)。

【寄稿】慰安婦合意の再交渉主張、韓国の国際的信用落とす

韓国の市民団体は、日本の誠意のない謝罪に抗議する意味で釜山の日本総領事館前に少女像を設置したと言うが、在外公館の「安寧と威厳」を守るよう定めたウィーン条約に無視するこうした造形物の設置に国際社会は批判的だ。

「世論が好意的なら国際条約も無視できる」という主張は、私たちの間でしか通用しない。政治家たちは、こうした感性に容易に便乗してしまう。

 

「世論が好意的なら国際条約も無視できる」という主張は、私たちの間でしか通用しない。
って、おい!
「国民感情によって国際条約を無視できる」って、本当はこれもおかしいだろ!

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。