インド人が見た日本人⑥英語がヘタな理由:明治の日本人がすごかった

 

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もうブームが去って「今さらですか?」という感じがしないわけではない。
中国政府が、ポケモンGOを禁止すると発表した。

Record china(2017年1月12日)の記事から。

中国当局が「ポケモンGO」の配信認めず、国家安全へのリスク懸念―中国メディア

2017年1月10日、中国のメディア管理当局は、世界中で大ヒット中のスマホ向けゲーム「ポケモンGO」の中国でのリリースを当面認めない方針だ。新浪科技が伝えた。

中国国家新聞出版広電総局は、「ポケモンGO」を含むAR(拡張現実)やLBS(位置情報サービス)技術を利用したゲーム作品について、「国家の安全保障と人民の生活や財産の安全に対する高度な責任という観点から、他の政府機関と協力して安全かどうか評価している」とし、評価が完了するまで申請を受理しない方針を明らかにした。

サウジアラビアやカタールでは、「ポケモンは、イスラーム教の教えに反しているからダメ!」ということがあった。

そのことについては、この記事を↓

ピカチュウ(ポケモン)の進化は、「反イスラム教」だから禁止です。

 

国家の安全保障を理由に「ポケモンGOはダメ!」ってするのは、さすが中国。

韓国がTHAAD(サード)を配備することに、中国が激キレしたわけもわかる。

 

これはイエメンのお菓子。
イエメンでも、ナルトは人気らしい。
ほとんどの日本人からしたら、「イエメンってどこ?」って感じだと思うけど。

 

日本で働いている友人のインド人が、「日本人って英語が下手ですね」と言ったことから、なんで日本人は英語が話せないのか?というテーマで書いている。

その続きですよっと。

 

明治時代、日本人は英語を次つぎと日本語にしていった。

このときに日本語にした外来語は本当にたくさんある。
「漢字と日本人 高島俊男」という本を見ると、ざっとこんな感じ。

政府、政治、裁判、建築、交通、公務員、選挙、会社、銀行、不動産、機械、経理、道路、鉄道、自動車、自転車、運動、体育、体操、陸上、野球・・・。

 

この時代の日本で、英語を日本語にした有名な人物には西周(にし あまね)や福沢諭吉などがいる。

たとえば、これらの言葉はすべて西周が考え出した。

西洋語の「philosophy」を音訳でなく翻訳語(和製漢語)として「希哲学」という言葉を創ったほか、
「藝術(芸術)」「理性」「科學(科学)」「技術」「心理学」「意識」「知識」「概念」「帰納」「演繹」「定義」「命題」「分解」など多くの哲学・科学関係の言葉は西の考案した訳語である。

(ウィキペディア)

でも、個人的には福沢諭吉を推(お)したい。

福沢諭吉は「speech(スピーチ)」という英語を、「演説」という日本語にしている。
さらに、海外旅行でよく見る「為替」という日本語も、福沢諭吉が訳した言葉らしい。

「為替」。これはmoney order を福沢諭吉がこう訳したものだという。福沢が自分でそう言っている。

(漢字と日本人 高島俊男)

明治時代の日本人の翻訳能力は本当にすごかったのだ。

 

 

さらに福沢諭吉は、「自由と権利(freedom and right)」という新しい考え方を日本に広めた。

日本人の頭の中が、江戸時代から国際化の新しい時代になったのは、この「自由と権利」の概念を身につけときだと思う。
一万円札のデザインに選ばれるのには、それなりの理由があるわけだ。

ボクが知る限りで、中国と韓国の歴史には福沢諭吉のような人物がみあたらない。

 

「freedom」を自由、「right」を「権利」と訳したのが誰かは分からない。
けれど、これが「自由・権利」と日本語に訳されたから、この言葉とその考え方が日本に早く広まることができた。

「freedom and right」のままだったら、当時の日本人がこの新しい概念を理解するのは難しかったはず。
なんせ、頭の中はほとんど江戸時代のままだったし。

 

中国の大連駅は、明治時代に建てられている。
東京の上野駅をモデルにした。

 

ちなみに明治時代、外務省ができたころの職員の英語レベルはひどかったという。
「2人前」を「two men before」と訳していたぐらい。
ほんとうに英語がヘタだったと思う。

でも明治の日本は日清・日露戦争に勝って、第一次世界大戦のあとには国際連盟の常任理事国になっている。
「植民地にされるかも!」と恐怖を感じていた日本は、世界の大国になった。

現在の日本人の英語力は、明治の日本よりは比べものにならないぐらいに上がっているはず。
けど、「国際社会での飛躍」というてんでは、明治の日本にはかなわない。

 

でも明治時代には、英語ばかり勉強していたため、今度は日本の文書が読めなくなったという日本人が出てきてしまった。

福沢諭吉がそれにあきれている。

・英語ばかりを勉強するから、英書は何でも読めるが日本の手紙が読めないというような少年が出来てきた。

・波多野承五郎などは子供の時から英書ばかり勉強していたので、日本の手紙が読めなかった

(福翁自伝 岩波文庫)

今の日本じゃ、考えられない。

 

 

ということで、インド人にこんなことを聞いてみた。

「インド人は、それまでヒンディー語になかった英語をヒンディー語に訳そうとした?」

「それは、はっきりとはわからないけど、多分なかったと思う」と言う。

「democracy」という英語を日本語にすると、「民主主義」になる。
でもインドでは、「democracy」という英語をそのまま使っているという。

もともとインドには、「democracy」に相当するヒンディー語はなかった。
「それに、democracyという意味の新しいヒンディー語をつくるのは、ムリだと思いますよ」とインド人の彼は言う。

 

インドの場合、日常的に使っているヒンディー語の中に英語がたくさんある。
日本は英語を日本語にしたぶんだけ、英語は少ない。

これも、日本人が英語がヘタな(話せない)理由の1つのはず。

 

 

おまけ

明治時代、初代文部大臣の森有礼(もり ありもり)が「英語を日本の公用語にしようと考えていた」と前回の記事で書いた。

でも、日本から漢字がなくなりそうになった危機は太平洋戦争がおわった直後にもあった。

1946年に、日本の教育制度の改革を行うため、GHQが「アメリカ教育施設団」を日本にまねいている。
この使節団は、それまでの軍国主義的な日本の教育を見直して、「民主主義的な人間を育成すること」を目的としていた。

 

アメリカ教育使節団は、日本の書き言葉について次の3つの提案をしている。

第一のものは漢字の数を減らすことを要求する、第二のものは漢字の全廃およびある形態のローマ字の採用を要求する、第三は漢字・仮名を両方とも全廃し、ある形態のローマ字の採用を要求する

(アメリカ教育使節団報告書 講談社学術文庫)

「この3つのどれかにすることは、難しいだろうね」としつつも、アメリカ教育使節団は漢字の使用の廃止を求めている。

本使節団としては、いずれは漢字は一般的書き言葉としては全廃され、音標文字システムが採用されるべきであると信ずる

さらに、平仮名とカタカナについても、こんなことをいっていた。

本使節団の判断では、仮名よりもローマ字のほうに利が多いにあると思われる。さらに、ローマ字は民主主義的市民精神と国際的理解の成長に大いに役立つであろう

なんと!
アメリカ教育使節団は、漢字、平仮名、カタカナのすべての廃止を提言していた。
それで、「日本語をぜんぶ、ローマ字で表記しちゃえば?」と。

 

「日本人が英語を話せるようになる」という一点だけで考えたら、このときに漢字、平仮名、カタカナを廃止してローマ字にした方がよかっただろうね。
「民主主義的市民精神」はべつとして、「国際的理解の成長」には役立だったと思う。

 

でも、想像できる?
街の看板や駅の案内の文字がすべてローマ字になっている日本の姿が。
個人的には、そんな日本より「なんで日本人は、英語がこんなに下手なんだろう?」と悩んでいるほうがいいと思う。

 

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。