外国人との接し方 価値観や常識を理解してから腹を立てようか。

 

「ぼったくられた!」というのは、その人の感じ方で決まってしまう。
最近、アメリカでスターバックスが「ぼったくりだ」と裁判所に訴えた出来事があった。
「irorio」の記事にそのことが書いてある。

同女性いわく、「24オンスのヴェンティ・サイズのコーヒーを頼んだ場合、客が受け取るドリンクの量は14オンスで、残りの10オンスは氷」だそう

「氷が多すぎる」としてスターバックスを訴えた女性、約5億円の損害賠償を請求

 

詳しくはこのの記事で見てほしいけど、この女性はこれが「詐欺行為にあたる」と考えたみたい。
彼女からみたら、こんなことでもぼったくりになる。

 

では、前回の記事の続き。

ボクが外国で何かを買うときには、「ぼったくり対策」はしておく。
ぼったくられないように、服を買うときには、事前に宿のスタッフに現地人価格を聞いておく。

 

それで、その現地人価格で服を買おうとするけど、店のオーナーはその値段じゃ売ってくれないこともある。
そいうか、そんなことばっかり。

 

どこの店に行っても、現地人価格で売ってくれないこともある。
そういうときに、いつも腹を立てていた。
「この国はぼったくりばっかりだ!」

 

これが、今は違う。
現地の外国人から 話を聞いて彼らの考えや価値観が分かれば、現地の人と外国人とでは、値段が違うのは仕方がないし、当たり前のことだと思っている。
それがぼったくりとは思わなくなった。
それは不当じゃなくて、彼らの考えによれば、正当にして平等なことになる。

 

買い物では、「誰にでも同じ金額の500円で買うことができる」というのは、あくまで日本の常識。
外国で外国人が、そんな日本の常識に従って行動するはずがない。
彼らは、彼らの商売の常識に従って物を売ってくる。

例えばインドの常識は、こんなものだ。

規格が一定しておらず定価の概念が発達していないインドでは、互いに主張し合って価格を決めるのが常識だったからだ。そのため交渉時間は商品の価値に比例する。一ルピーで何個も買えるトマトは一分前後で。数百ルピー(三、四千円)の高額商品となると数時間かけて。なかには丸一日かけて交渉する強者もいる。

(喪失の国、日本 M・Kシャルマ)

 

これは、インドだけじゃなくて、東南アジア・中東・アフリカもこんな感じだ。
日本みたいに、定価が値札にあって誰でも同じ値段で買うことができることはない。
「日本なら、誰でも同じ値段で売ってくれたのに!」と、外国人に日本の考え方から文句を言っても意味がない。
意味がないんだけど、以前の自分だったら、「バカにしている!」「舐めてる!」と、イライラしていた。

 

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もちろん今でも、何かを買うときは値段交渉はする。
できるだけ粘って交渉しても、事前に聞いていた現地人価格まで下がらなくても、外国人だから仕方がない、と思って買う。
それが、この国の常識で、彼らが言う平等でもあるのだから。

 

そんなことで、「ぼったくりだ!」と思ってストレスを感じる方が、自分にとってはマイナスになる。
「現地人価格より高く買わされた」ということでも、自分の見方を変えることで、ストレスは感じなくなって楽に旅ができるようになる。
まあ、それを考えた上で納得できないことがあったら抗議するけどね。
何も「泣き寝入り」のススメをしているわけじゃない。

 

以前の旅では、「絶対に、ぼったくられたくない!」という気持ちが強くて、細かいことまで気になって神経を使ったりストレスを感じていたりした。
「ぼったくられ恐怖症」のようなものだったと思う。
このぼったくりに敏感過ぎることが、旅から心のゆとりを奪っていた。
少しくらい高めに取られても、「最初から日本人とは考え方が違う。これが彼らの当り前」と思うことで、今は楽になってストレスも減った。

 

ということで、これは、自分の体験から学んだこと。
「ぼったくられた」と思っても、それは日本の価値観からそう感じたことで、現地の人の価値観から見たら、「正当で平等なこと」かもしれない。

 

これは、外国での買い物だけじゃなくて、外国人と接するいろんな場面でも通じる考えだと思う。
外国人と日本人は価値観も考え方も違うのが当たり前なんだから、外国人と接していて、怒ったり不満に思ったりすることはよくある。

 

だけど、怒る前に、相手の価値観や考え方を知ろうとすることは大事だと思う。
「こいつ!」と思っても、何でその人がそう言ったり行動したりしたのか?

 

例えば、タイ人と日本で食べ歩きをしていて、そのタイ人が食べ残しを道に置くとする。
「おまえ、何やってんだよ?」と聞くと、「タイでは、食べ残しを道に置いて、犬や猫にあげることは良いことなんです。仏教の教えでもあります」と言ったとする。

 

これは、「ポイ捨て」とは違う。
確かに、そのまま捨てるより、生物にあげる方が、仏教の教えにはそっている。
日本じゃ、それをやっちゃダメだけど。

 

そんな彼の考えを知らない日本人が、タイ人が食べ残しを道に置くのを見たら、「何やってんだよ、おい!」と不快に思うだろう。
相手の話を聞いて考えを理解すれば、別の見方ができて、納得できることもある。
納得できれば、旅でのイライラや外国人と接するときのストレスが少なくなる。
ボクはそうだった。

これを読んだ人が、外国人と接する時の参考になれば、と思ってんな記事を書いてみた。

 

おまけ

旅だけじゃなくて、日本での人間関係でも、イラッとしたときに、まず相手の考えや状況を分かってから怒ることは大切なこと。
相手を理解してから怒るかどうか決める。
怒るとしたら、どれくらい怒るかを決めてから怒る。
感情的じゃなくて、理性的に怒ると、怒りすぎによるトラブルも少なくなると思う。相手の話を聞かずに、自分で決めつけて怒ると、相手は反発するだけだから。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。