日本に住む外国人は、政治活動の制限を受けるべき?マクリーン事件の判決から

 

「ニュース女子」という番組で、最近こんな放送があった。

「沖縄のアメリカ軍基地の抗議運動に外国人が参加している」

この報道に対して、名指しされた市民団体は「外国人が政治活動をしてもいいはず。外国人だからと特別視することはヘイトにあたる」
と反発する。

 

この記事では、沖縄のアメリカ軍基地のことはおいとく。
外国人と政治活動について書いていきたい。

日本に住む外国人だって税金を払っているしわけだし、日本の政治についても反対・賛成の活動をしてもいいのではないか?

 

このテレビ番組はDHCがスポンサーをしている。

市民団体から抗議を受けたDHCシアターは、こんなコメントを発表している。

ニュース女子番組見解について

声明には『「韓国人がなぜ反対運動に参加するのか」などと、人種差別にもとづくヘイト発言を行いました。』とありますが、外国人の政治活動については、昭和53年、マクリーン事件の最高裁判決で、「外国人の政治活動の自由はわが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等を除き保障される。」と示されたように、外国人の政治活動の自由は全てが保障されているわけではなく例外があります。

その上で問題提起していることは、人種差別、ヘイトスピーチに該当するとは考えておりません。

これら言論活動を言論の場ではなく一方的に「デマ」「ヘイト」と断定することは、メディアの言論活動を封殺する、ある種の言論弾圧であると考えます。

 

市民団体から抗議がきたら、すぐ謝罪するかと思ったらとんでもない。
キッチリ見解を示している。

 

ところで、このなかで出てくる「マクリーン事件の最高裁判決」というものを聞いたことありますか?

ボクは、初めて知った。
この最高裁の判決で、「外国人の政治活動の自由は、日本人と同じものではない」となったという。

日本国内での外国人の政治活動には、ある程度の制限がかけられている。

 

 

さっそく、「マクリーン事件の最高裁判決」というものを調べてみた。

すると「日本国憲法の基礎知識」という固そうな日本の憲法のサイトでは、「(日本の)憲法でもっとも有名な最高裁判決」で、「最重要論点」と書いてある。

憲法でもっとも有名な最高裁判例であり、最重要且つ頻出論点。本当に頻出なので、タイトに理解しておくべき。最重要論点なのに、あやふやに覚えてしまっている人が多い印象。確実に正解できるように準備しておくべき。

マクリーン事件-事案・争点・第1審、控訴審

 

日本の憲法や裁判の判決では、かなり大事な内容という。
今まで、まったく知らなかった。

その内容はというと、簡単に言ってしまえば、外国人でも政治的な活動はできるけど、日本人と同じではないということ。

「外国人は政治的活動については制限がある」と書いてある。

そして、その判断を政治活動としていることで、
事実上、外国人は政治的活動については制約を受けると判断しています。

マクリーン事件-事案・争点・第1審、控訴審

 

このことが、先ほどのDHCシアターのコメントに当たる。

「外国人の政治活動の自由はわが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等を除き保障される。」と示されたように、外国人の政治活動の自由は全てが保障されているわけではなく例外があります。

 

外国人であっても、日本で政治活動をすることはできる。
けど、その条件は日本人とまったく同じではない。

実際、日本に住んでいる外国人は税金を払っているけど選挙権はない。
納税と政治的な権利は、別問題ということなんだろう。

 

「外国人の政治活動には制限がある」
このことには、いろいろな考えがあると思う。

でも個人的な判断を抜きにして日本の憲法から考えたら、「外国人は政治的活動については制約を受ける」ということが正しいというになる。
最高裁判所がそういう判決をくだしているのだから、そうとらえるのが自然。

 

「日本での外国人と政治的な権利」ということは、これからもいろいろな面で問題になってくるはず。
その意味でも、「マクリーン事件の最高裁判決」のことは覚えておく価値はある。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。