旅で人気の「アジア」や「インドシナ」の意味・由来・歴史とは?


 

始めの一言

「日本人ほど愉快になり易い人種は殆どあるまい。良いにせよ悪いにせよ、どんな冗談でも笑いこける。そして子供のように、笑い始めたとなると、理由もなく笑い続けるのである。(リンダウ 江戸時代)」
「逝き日の面影 平凡社」

 

今回は「アジア」と「インドシナ」という言葉の歴史や由来について書いていきます。

 

まずは、「アジア」という言葉の由来について。

フェニキア人は、やがてエーゲ海の西にある地方をエレブereb、東側をアスassuとよぶようになった。

「東(アス)にラテン語の地名接尾辞「イアーia」がつけられ、アシア(東の地)とされたわけだ。

(地名の世界地図 文春文庫)」

 

つまり、assu(東)+ia(イア)=asia(アジア)になった。

ちなみに、この「エレブereb」という言葉が「ヨーロッパ」になる。

「アジア」という言葉の起源はアッシリアです。ヨーロッパという言葉も「アッシリア碑文」に出ている。
東を向いて、ここからすべてアジアだ。西を向いてここからヨーロッパだ、と。
ヨーロッパは「エレブ」からきています。
エレブとはギリシアのこと。ギリシアはアッシリアから見て西でしょう。

(司馬遼太郎 対話選集10 文春文庫)

 

現在の「アジア」という言葉のもととなった「アシア」という地名が、歴史上初めて登場するのは紀元前133年だという。

大ざっぱに、エーゲ海から東はすべて「アジア」で、西が「エレブ(ヨーロッパ)」と覚えていいでしょ。

だから、イエス・キリストもサンタクロースも「アジア人」になる。
さらに、「assu(東)」という言葉は英語の「east(東)」の語源でもある。

 

さあ、そんなアジアの東南になる「東南アジア」について。
「東南アジア」という言葉ができたのは、そう古くはない。

東南アジアという用語は比較的新しく、初出は1830年代である。

(ウィキペディア)

 

 

でも「東南アジア」という言葉より先に、「インドシナ」という言葉がうまれている。

一応の決着をみたのは一八世紀はじめで、デンマークの地理学者マルテブランが、インドとシナの中間に位置するということから、この地域をインドシナIndochinaとよんだのである。

(地名の世界地図 文春文庫)

 

「インド+シナ=インドシナ」ということになる。
なるほど!確かにここでインド文明とシナ(中国)文明がぶつかっている。

ベトナムの観音菩薩は中国からきたものだから女性になっているけど、カンボジア(バイヨン)の観音菩薩はインドからきたものだから男性になっている。

 

このインドシナは現在のミャンマーからべトナムのあたりで、今でいう東南アジアとほぼ重なる。
インドシナという言葉がうまれる前は、ヨーロッパ人から見たらインドの範囲がよく分かっていなかったらしい。

 

「どこまでがインドなんだろう?」と。
それで、現在の東南アジアを「Further India(ファーザー・インディア:インドの向こう)」と呼んでいた。

東南アジアはかつてヨーロッパ人によって〈後インドFurther India(英語),Hinterindien(ドイツ語),l’Inde extérieure(フランス語)〉と呼ばれていた。ヨーロッパからみて,インドのかなたにある地方の意である

(世界大百科事典)

 

この時代の「インドシナ」という言葉は、フランスが植民地として支配していた「仏領インドシナ(ベトナム・ラオス・カンボジア)」とはちがう。

 

 

インドシナは英語だと「Indochina」になる。
そして漢字だと「印度支那」になる。

この「支那(シナ)」は、中国のことで、英語のchinaを漢字にした言葉になる。
だから、「インドシナ」の意味は、そのままにすれば「インド中国」になる。

 

ちなみに「支那(シナ)」という言葉は、戦争中に日本人が使っていたものだから中国人は嫌がる。
そんな中国人に配慮して、今の日本ではこの「支那」という言葉はあんまりつかわれない。
昔は中学校の歴史の授業で「支那事変」と習っていたけど、今では「日中戦争」になった。

 

また、むかしはラーメンの具を「支那チク」と言っていたのが、今では「メンマ」になっている。
「支那そば」は「ラーメン」になった。
じゃあ、東シナ海の「シナ」はどうするんだろう?って思うけどね。

 

パソコンに「しな」と入力しても「支那」という変換は出てこない。
もちろんこれはいい。
よくわからないのは、日本の神々をあらわす「やおろずのかみ」と入力すると、「八百万神」と変換されなくて、「矢尾ロズの神」というわけのわからない言葉になること。
「もうたくとう」は「毛沢東」と、「ぱくくね」は「朴槿恵」と出てくるのに!

 

 

さて、そのインドシナがあるのが「インドシナ半島」。

インドと中国の間にあり,インド洋と南シナ海を分ける半島。一般には東はベトナムから西はミャンマーまでの地域をさし,この2国のほかラオス,カンボジア,タイ,マレーシア半島部,シンガポールが含まれ,東南アジアの大陸部とほぼ一致する。

(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典)

 

まえから不思議だったのが、なんで「島」なのか?

調べたら、日本のように四方を海(水)にかこまれていたら「島」になるらしい。
そして、一部が陸とくっついていると「半島」になる。朝鮮半島のように。

でも半島のばあい、四分の一しか陸とくっついてないけど「半」になっている。
これは、ラテン語の「paeninsula」をそのまま日本語にことが理由のようだ。

「半島」とはラテン語の「ほぼ、半ば」を伊意味するpaeneと「島」を意味するinsulaの2語による造語(ラテン語: paeninsula(ほぼ島のようなもの)を翻訳したもの

(ウィキペディア)

 

もちろん、英語の「半島(ペニンシュラ)」もこのラテン語が、語源になっている。

さて、日本の話。
日本は太平洋戦争、現在の東南アジアを「南洋」と呼んでいた。

南洋
東南アジア「中国より南方の異国」の意味(ウィキペディア)

 

「南洋」は中国語だろう。
中国の東は「東洋」で、中国の西は「西洋」。
で、中国の南になるから「南洋」と。

中国語では「東洋」は日本のことをさす。
だから「東洋人」は、「日本人」の意味になる。

 

日本人が「東南アジア」という言葉をつかい出したのは戦後からだろう。
だから70年くらいしかたっていない。
戦前の日本が「東南アジア」という言葉を使っていたというのは、聞いたことがない。

戦争中、日本はシンガポールを「昭南島(しょうなんとう)」と呼んでいた。
これは、「昭和の時代に獲得した南洋の島」という意味になる。

 

 

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投稿者: kokontouzai

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。

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