韓国の国民(反日)感情による判決:対馬の仏像盗難VS慰安婦問題

 

朝日新聞が社説(2017年1月27日)で、韓国の裁判所がくだした判決を評価している。

韓国では、慰安婦問題をめぐって裁判が続いていた。

「帝国の慰安婦」という本の内容に怒った元慰安婦やその支持者たちが、著者の朴(パク)教授を裁判にうったえていて、その判決が1月25日に出た。

 

朝日新聞が社説でそれを取り上げている。

「朴教授の判決 学問の自由侵した訴追」

韓国・世宗大学教授、朴裕河(パクユハ)さんが韓国で出版した著書「帝国の慰安婦」をめぐる裁判で、ソウルの地裁は朴さんに無罪判決を言い渡した。

 

朴教授の本では、「元慰安婦のハルモニ(おばあさん)の名誉を傷つけた」としていくつか文が問題視されていた。

たとえこんな記述。
ハンギョレ新聞の記事(2017.01.26)から。

「朝鮮人日本軍慰安婦の中には自発的な意思によって慰安婦となった人がいる」

「日本や日本軍が、公式的な政策を通じて朝鮮人女性たちを強制連行し、日本軍慰安婦にしたことはない」

韓国裁判所、『帝国の慰安婦』著者に無罪…傍聴席のハルモニら激しく反発

 

 

でも裁判の結果は、朝日新聞の社説にあるとおり無罪。

「これらの記述は、慰安婦だった人の名誉を傷つけるものではない」と裁判所が判断した。

この判決に、慰安婦だったハルモニは涙を浮かべて怒りをにじませる。

判決直後、傍聴席にいた「慰安婦」被害者ハルモニ(おばあさん)のイ・ヨンスさん(90)は「有罪にしなければならないのに、これはいけません」とし反発した。

韓国裁判所、『帝国の慰安婦』著者に無罪…傍聴席のハルモニら激しく反発

 

悔しい気持ちはわかるけど、仕方がない。
裁判は、被害者感情を満たすことを目的に行われるものではないから。
もちろん、それもあると思うけど。

犯罪被害にあった人やその家族が「あいつは有罪になるべき」、「あいつは死刑にするべきだ」と言いたくなるのは無理ない。
けど、被害者の感情がそのまま判決になってしまっら、裁判所も法もいらなくなる。

被害者の気持ちではなくて、あくまで事実や法にもとづいて行われなきゃいけない。
冷たく聞こえるかもしれないけどさ。

 

 

韓国の裁判では、韓国社会の反日無罪に影響された「不可解な判決」が出ると前から指摘されていた。

でも今回は、そうした国民感情に流されないで判断をくだしている。

で、朝日新聞もこの裁判所の判決をこう評価した。

とかく日本との歴史認識問題に関しては、厳しい世論のまなざしに影響されがちだとの指摘もある韓国の司法だが、今回は法にのっとった妥当な判断をしたと言えるだろう。

 

さらに、「歴史の事実を追求することに、政治が権力を使って邪魔をしてはいけない」といったこと書いている。

・史実の探求に取りくむ学問の営みに公権力が介入することは厳につつしむべきである。

・時の公権力が学問や表現の自由を制限することは、民主主義を放棄することに等しい。

・検察は、そもそも訴追すべきではなかったことを反省し、慰安婦問題の議論の場を法廷からアカデミズムの世界に戻さねばならない。

 

まったくその通りだ。
全面的に賛成します。

でも韓国の場合、「史実の探求に取りくむ学問の営みに、被害者感情が介入すること」もある。
これも「厳につつしむべき」ですね。

 

朝日新聞が「韓国の裁判所が、国民感情に流されなかった」と評価した判決が出たのが1月25日。

でもその翌日に、国民感情(反日感情)に思いっきり流された判決が出ている。
韓国人が対馬のお寺から盗んだ仏像を「韓国のお寺のものである」と、1月26日に韓国の裁判所が判断した。

コリア、まいったね。

 

 

「こんな判決は国際常識に反する」と毎日新聞の社説(2017年1月27日)に書いてある。

「対馬の仏像 原状回復が国際常識だ」という社説で。

もともと韓国政府は、「これは韓国のお寺には略奪されたという根拠が乏しい」と判断していた。

韓国政府は2014年に調査して「倭寇に略奪された可能性が高いが、断定は難しい」と認定していた。

 

この認定にもとづいて、韓国政府もこの仏像は「日本に返すべき」という判決を裁判所がくだすと考えた、と思う。

ところがびっくり。

判決の根拠は、仏像の内部に収蔵されていた来歴などを記した文書に日本への譲渡に関する記載がなく、14世紀半ばに倭寇(わこう)が周辺地域を荒らしていたことなどだ。

裁判所は結論として、盗難や略奪などの形で日本へ渡ったという判断を示し、韓国の寺の所有だと「十分に推定できる」と認めた。

 

この判決には、具体的な根拠がなかったのに。

今回、それを覆す具体的な証拠が示されたわけではない。

 

にもかかわず韓国の裁判所は、「仏像は韓国のお寺のものである」と判断してしまった。
「具体的な証拠はないけど、そう推定できるから韓国のお寺のものね」ってのは、もうメチャクチャ。

だから毎日新聞も社説で非難している。

 

ソウルのマスコットの「ヘチ」。
このヘチ(カイチ)は、間違ったことを言っている人間を角で刺してしまうという。

人の紛争が起きると、角を使って理が通っていない一方を突き倒す(その後突き倒した人を食べるという伝説もある)

(ウィキペディア)

今こそ出番ですよ、ヘチさん。

 

毎日新聞によると、問題はこれだけではないらしい。

これの判決は、国際条約にも違反する疑いがあるという。

窃盗や密輸から文化財を守る国際的な取り決めが1972年に発効したユネスコ条約だ。条約に加盟した後に盗まれた文化財が他の加盟国に持ち出された場合、持ち込まれた国が返還するよう定めている。

 

当たり前やん。
韓国の地裁の判決を認めてしまえば、日本の文化財を盗んで外国に持ち出しても「問題なし」となってしまうことにつながりかねない。

つまり、盗みを正当化してしまうということ。

韓国側が過去の略奪を理由に仏像の返還を求めるにしても、いったん対馬に戻すのが筋である。今回の判決では、窃盗による国外持ち出しが正当化されかねない。

そして社説はこう結んでいる。

韓国社会には日本による植民地支配という歴史への反発が残っている。だが、冷静な法的判断を求められる司法までが国民感情に流されることがあってはなるまい。

韓国政府は控訴した。上級審で冷静な判断を求めてほしい。

 

韓国の社会には、国民感情(反日感情)にもとづく「反日無罪」の空気がある。

今までにも、「犯罪行為であっても、反日であれば許される」ということが批判されてきた。
そもそも、この仏像盗難事件の過去の判決もそうだった。

 

それでも「帝国の慰安婦」をめぐる裁判所の判決では、「国民感情に流されなかったね!」と朝日新聞が評価していた。

とかく日本との歴史認識問題に関しては、厳しい世論のまなざしに影響されがちだとの指摘もある韓国の司法だが、今回は法にのっとった妥当な判断をしたと言えるだろう。

 

でもその次の日には、法よりも国民感情に沿った判決が出されてしまった。

朝日新聞がほめた翌日には、毎日新聞が批判している。

だめだコリア。

 

悪者にはスペシウム光線だ!

 

おまけ

今回、ソウルのマスコット「ヘチ」のことを書いた。
「何でも日本と比べる」という韓国のお約束で、ヘチがくまモンと比較されている。
中央日報の記事(2016年03月11日)から。

「くまモン」は年1兆ウォン稼ぐが、ソウル「ヘチ」は20万ウォンも稼げず

いいじゃん、稼ぎなんてどうだって。

 

こちらの記事もいかがっすか?

韓国 「目次」

日韓関係の歴史を知ろう①戦後最悪からの改善:竹島→慰安婦

日韓関係③慰安婦像問題の責任は?韓国政府?国民?釜山市?

日韓の慰安婦像問題④アメリカ「ねえ日本。僕もう、韓国に疲れたよ」

日韓の慰安婦問題⑤韓国とアメリカ(米韓関係)、朝鮮戦争の始まり。

 

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2 件のコメント

  • いつも興味深く読んでます。

    「反日無罪」について、初めて知りました。韓国における反日感情の盛り上がりの背景が少しわかる気がします。
    そういった空気の中で育ち、教育を受けた人達が、当たり前のようにその感覚を受け継いでいるのでしょうか。
    中国の反日感情とはちょっと違うものでしょうかね。

  • おおっ、それはありがとう!

    「反日無罪」って言葉は、もともと中国の「愛国無罪」からつくられた言葉だと思う。
    対馬の仏像の判決でもそうだけど、反日感情にそったものなら許されるという空気が韓国にはあるから困るね。

    「韓国人の日本人観」については、韓国の歴史教科書を読むと分かりやすいと思う。
    前に記事に書いたから、良かったら読んで。
    http://yukashikisekai.com/?p=3556

    韓国人にとっては「反日無罪」とは考えていないと思う。
    常識になっているから。

    中国にも反日感情があるけど、政府ががっちりコントロールしていると思う。
    ここ最近は反日暴動なんて起きてないから。
    あと、中国人は「損得」を考える気がする。
    反日が「損」と思ったら、そんなに激しくはしない。
    韓国の場合は、損得抜きで反日感情が爆発する気がしますね。

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    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。