イギリス人:チャリティー活動と軍隊・日英の王子や王室の違い

 

「やい、国連!空気を読めないにもほどがあるぞ!」

と中国人が今年の春節(正月)に怒っていた。

中国語で、お正月のことを「春節(チュンジエ)」という。

春節は正月初一を示す言葉であり、古代においては元旦と称されていた。元とは始まるの意味であり、旦とは日の出を示す象形であることから、元旦は最初に日が昇る一日、すなわち正月を示す言葉となった。

(ウィキペディア)

 

友人の中国人は、春節(正月)に家族とこんなごちそうを食べていた。

 

 

 

中国が春節のお祝いムードに包まれていたそのとき、国連からこんなメッセージが届く。

 

 

「親愛なる皆さん、年夜飯は食べ終わりましたか?きっとごちそうだったんでしょうね。

ただ知っていますか?全世界では8億人もの人々が飢餓に苦しんでいるんです。また、さらに8億人が貧困で苦しんでいます。国際農業開発基金(IFAD)のカテヨ・ヌワンゼ総裁は緊急アクションの必要性を訴えています。

年2560億ドルを投入しなければ2030年に貧困と飢餓を撲滅するという持続可能な発展目標を達成することはできません」

「国連のSNSが新年のムードをぶち壊した」中国ネット怒り―中国メディア

Record chinaの記事(2017年1月29日)から。

 

「国連のメッセージのせいで、お祝いムードが壊された」と中国人がブチ切れる。そして、国連はこのメッセージを削除した。

そんなことを前に書いた。

 

 

「中国の正月に、こんなことがあったんだって」と友人のイギリス人に会った時にそんなことを話した。

そしたら、「それは国連が悪い。空気を読めなさ過ぎ」と言うかと思ったら、そうでもなかった。

「でもそういうときこそ、貧困で苦しんでいる人たちのことを思い出すことが大事じゃないの?中国人の気持ちはわかるけど、国連のメッセージのタイミングがそんなに悪いとは思わない」

あれ?

「でも、飢えでやせ細った子供の写真を送られたら、お祝いムードをぶち壊さなない?」

「そうかもしれないけど、大事なことだから」

とこんな感じ。

 

このイギリス人は「国連がお祝いムードをぶち壊した」というより、「自分たちが幸せを感じている一方で、苦しんでいる人たちのことを知らせるのは大切なこと」と感じていた。

これは彼女の感想だから、イギリス人の一般的な傾向なのかはわからない。

日本人と中国人は「空気を壊された」と感じる人が多いと思う。
でも欧米では、彼女みたいな受け止めをする人が多いような気がした。

チャリティーというものの考え方が違うんじゃないかな?

 

 

この後、そのイギリス人とチャリティーの話をした。

話の中で「これは日本ではない!」と驚いたことがあったから、今回はそのことを書こうと思う。

 

でもその前に、ざざっとイギリスとチャリティーについて書かせてほしい。

そもそもチャリティーとは、どんなんだ?

チャリティー(charity)

慈善。慈善の心や行為。特に、社会的な救済活動をいう。「チャリティーバザー

デジタル大辞泉の解説

 

イギリスはもともとチャリティー活動が盛んな国。
18世紀には「慈善はイギリスの国民性」と言われるほどだったという。

友人に「イギリスの女王の一番大切なことってなに?」と聞いたたところ、彼女は「それはチャリティーよ」と言う。

そうしたら、逆にこう聞かれた。
「じゃ、日本の天皇の一番大切なことってなに?」

う~ん、なんだろう?
「一番大切なことは、日本国民のために祈ること」と答えておいた。

たぶん、合っていると思う。
天皇陛下がされることで、これ以上大事なことはわからない。

 

イギリスでは、女王が率先してチャリティー活動をする。
イギリスは、社会全体で「チャリティーは女性がおこなうもの」というイメージが強くあるらしい。

こんなイメージがイギリスで一般的になったのは19世紀ごろで、このときには多くのチャリティー団体で女性が活躍していたという。

 

 

このイギリス人と話をしていたとき、彼女がこんなことを言っていた。

イギリスでは、王妃はチャリティー活動をして皇太子は軍隊に入って軍人になることが立派なことだと考えらえている。

これを聞いて驚いた。
日本でこんなことは考えられない。
チャリティー活動は問題ないとしても、日本の皇太子が自衛隊に入隊することなるなんてあり得ない。

 

でも、イギリスではこれはとても大事なことらしい。
ハリー王子(ヘンリー・オブ・ウェールズ)も、もちろんイギリス軍に入隊している。

それだけではなくて、ハリー王子は実際の戦闘で相手を殺害している。

2012年10月下旬、派遣先のアフガニスタン南部ヘルマンドで戦闘に参加した際に地上部隊からの求めを受け、戦闘ヘリコプター(WAH-64)から空対地ミサイルを発射し、結果的にタリバンの兵士を殺害することとなった。

このときの作戦がヘンリーにとって初の殺害行為を伴う戦闘となった。

この王位継承順位3位(当時)のヘンリー王子による「初の殺害実行」に対し、イギリスの新聞は「英雄的行為」だとして称賛している

(ウィキペディア)

 

日本の皇太子が軍隊に入って、戦闘をおこなって相手を殺害する。
あり得ない。
1000%こんなことは起こりえない。
マンガにすら描けないレベルだ。

 

でもこのイギリス人女子に言わせると、チャリティー活動も軍人になることも国民のための活動だから、同じ価値がある行為だという。
これは彼女だけではなくて、イギリス人が一般的にそう考えているのだろう。

ハリー王子が戦闘で相手を殺害したら、イギリスの新聞は「英雄的行為」と称賛しているぐらいだから。

 

日本ではどうだろう?
チャリティー活動と軍人になることは「同じ価値ある行為」と考えるだろうか?
たぶん一般的にはそう考えないと思う。

世界の国では「どちらも国のために活動している」と同等の価値を認めている国が多いと思う。

 

でも、日本には軍隊への偏見があるから。

2016年に、共産党の議員が軍事費を「人殺しの予算」と言って大問題になっている。
そんな国は日本ぐらいだろう。

このイギリス人の話を聞いていて、つくづく思った。
日本とイギリスは島国で両国とも王がいる。
でもイギリスの王室と日本の皇室の役割はずい分ちがうし、世間の人の考え方も大きく違っている。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。