インドで平和を考えた④ ~誰かに平和について話したくなるときがある~

 

どこかで一度、自分なりの平和論とかまではいかなくても、自分なりの平和についての考えを用意しておいた方がいい。

そんなことを特に去年感じた。
というのも去年は、知り合いの外国人から自分の平和の認識を問うようなことを何度も聞かれたから。

 

前に書いた英会話サークルのように、「あなたは、平和についてどう思いますか?」というように、直接聞かれることはなかったが、世界や日本で起きことに関連して間接的に平和についての認識を問われた。

例えば、昨年秋、日本の国会で安保法案が通るか通らないかというニュースは、海外でも大きな話題になったようで、イギリス人やインド人、韓国人からも「日本はどう変わるのか?」「日本は70年間、平和を守ってこられたのはなぜか?」といったことを聞かれた。

 

また、世界に目を向ければ、シリアの内戦は泥沼化し、フランスでは大規模なテロ事件が発生するなど、人々に恐怖や不安を与えるような大きな出来事がよく起きた。
アメリカ人やヨーロッパ人には、パリでのテロやシリアの難民問題については、日本人よりは、身近な問題で関心も高い。

こうしたことを聞かれたときに、「I don’t know」で終わらせることは避けたいと思い、ボクも自分なりに思ったことを答えた。
先ほどのことを外国人と話をしていたときに、ボクが思ったことはこんなことだ。

「個別の問題によって、話す内容は違うけれど、結局はすべて自分の平和の認識に基づいているんだな」

日本の安保法案もシリアの内戦もまったく違う問題だから、当然、答えはそれぞれ違うのだけれど、答え方はすべて同じだ。
自分なりの「平和観」はあったから、すべての問題もそこから感じたことや考えたことを言っているだけにすぎない。

結局、まったく違う問題であっても、すべて同じ価値観から答えているだけだから、その意味では「楽」に答えることができる。
この自分の「平和観」がなかったり、あいまいであったりしたすると、先ほどのような個別の問題に、それぞれを答えを一から考えないといけないことになり、大変だったと思う。

 

また、国内ではなく、外国を旅するときでもこの「自分なりの平和観」を聞かれることがある。
ボクの場合、旅に出ると、宿で出会った旅行者たちと、日本ではあまりしないような難しい話をする機会が多かった。
その人なりの旅のこだわりや旅で見て聞いて感じたことを、酒の 酔いも手伝って熱く語ることもある。

こんな旅人が「キライ」です。

 

 

列車の中で、話をしていた現地の人からティーを勧められて、それを飲んだ後の記憶がなくなり、ベッドの上で目を覚ました、という話は何度も聞いたことがある。

そんな話から始まり、「何でこの国は危険なのか」「いや日本が良すぎるだけだ」などと国の治安のことを話しているうちに、平和についての話に進むこともあった。

外国にいると、逆に日本の治安の良さや平和のありがたさが嫌でも分かる。
「何で外国には争いがなくならないのか?」「何で日本は平和なのか?」といったことを語り合うこともよくあった。

こうした自分なりの考えを求められる場面で、「そういうのは分かりませんから」とだけ言って自分の番をすませようとすることは、本当に情けない。
経験者が言うのだから間違いない。
「立派な意見でなくてもいいから、自分なりの考えや意見をもって、必要なときに言えないとダメだな」と、このとき強く思った。

 

旅に出れば、現地で人と誰かと会って会話をしなくても、嫌でも平和や安全について考えさせられることがある。

大量虐殺が行われたカンボジアのキリング・フィールド(処刑場)や(ボクは行ったことないけど)ポーランドのアウシュヴィッツ収容所に行けば、何でこんなことが行われたのか考えしまうだろうし、今日本にある平和の尊さを改めて思い知る。

ナチス政権下のユダヤ人①  ~水晶の夜~

こちらが何かを言わなくても、犠牲者の遺骨や殺される瞬間まで身につけていた衣類などが、無言でこちらに語りかけてくる。

カンボジアのトゥールスレンに行ったときは、そこで起きた事実の重さにまったく言葉を失ってしまった。

このクモ、食べないとダメですか?~ポル・ポト政権下のカンボジア人 ①~

 

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「トゥールスレン」

カンボジアを旅したときは、平和について話す機会が多かった。

これらの場所を訪れた旅行者は、皆一様に強いショックを受けて、自然と平和について考えてしまう。そして、自分なりに感じたことを言葉にして誰かに伝えたくなる人が多かったように思う。

 

もちろん、外国に行かなくても、これは経験できる。
広島や靖国神社に行っても、そこで何かを感じて平和を考える機会になる。
何かを感じれば、誰かに伝えたくなることもあるだろう。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。