日本人が海外旅行で嫌なこと、チップ!特にインド!ボクだけですか?

 

はじめの一言

「民衆教育についてわれわれが観察したところによれば、読み書きが全然できない文盲は全体の1パーセントにすぎない。世界の他のどこの国が、自国についてこのようなことを主張できようか?(ヴェルトナー 江戸時代)」

「日本絶賛語録 小学館」

 

 

「タージマハルの外国人料金(インド人の約38倍)は、ぼったくりか?」を考える、の続きです。

 

今回の内容

・チップをもらう階層のインド人の感覚
・チップを払う階層のインド人金銭感覚

 

インドでは、チップの習慣がある。

レストランやホテルのスタッフにチップを渡すことは一般的に行われている。
ただ、バックパッカーが利用するような安宿や安い食堂ではチップはいらない。 「それなりの所」では、必要になるらしい。

前にも書いたけど、人口13億人のインド人には、お金持ちと貧しい人の差があまりに激しい。

国民の97%のインド人が税金を払っていないという国は、日本にいたら、想像できない。
インド人も、全員がチップを渡すのではなくて、大まかに分けて、「チップを渡す階層の人」と「チップをもらう階層の人」がいると考えた方がいい。

 

・チップをもらう階層のインド人の感覚

チップをもらう側は、当然の権利としてもらう。
レストランやホテルでチップをねだられても、それはいい。
そこは、チップを要求するような場所だと分かっているから、驚きはしない。

ボクが嫌なのは、こんなもの。

以前、インドの旅行会社で手配してもらって、インド人ドライバーと一緒に3泊4日の旅をしたことがある。
その間、車中で彼の悩みごとを聞いたり、休憩中には、コーラを買ってもらったりして、彼とすっかり仲良くなった。
と、思っていた。

4日後の別れとき、彼が言ったのは、「バイバイ」でも「サンキュー」でもなく、「チップをくれ」だった。「それが当然だ」というように手を出す。

これを見て、本当にがっかりした。
この4日間で育んだ友情は何だったのか?と。
あのコーラは、チップのためだったのだろうか?

「でも、しょうがないな」と、「サンキュー」と言ってチップを渡すと、ドライバーは、手の平の札を見て、こう言う。
「少ない。もっとくれ」

バカバカしくて、それ以上は払わなかった。
もちろん、ドライバーは、「サンキュー」の一言も言わない。

不満そうな顔をしてその場を去っていく。
これでも、友情は成立していたのかもしれない。
友情とチップは別、とドライに考えていたということだけで。

 

 

・チップを払う階層のインド人

では、「チップを払う階層」にいるインド人はどうか?
彼らは、 豪快なお金の使い方をする。

日本で知り合ったエリートビジネスマンのインド人から、お願いごとをされた。「インドに帰国する前、家族のお土産を買いたいから、付き合ってくれ」ということで、一緒にショッピングモールに行ったことがある。

そこで、彼は、「1歳の子どものために、服を買いたい」と言う。
で、子供服売り場に行くと、ラッキーなことに、「半額セール」の最中だった。

でもかかわらず、彼はそこで、子供服を2万円以上買っていた。
1歳ってすぐに大きくなって着れなくなるんじゃないの?
というボクの心配をよそに。

 

これは子どものお土産だけで、他に親や妻や兄弟へのお土産がある。
お土産の総額が、いくらになるのか想像もつかない。

「お土産は 無事故でいいよ おとうさん」が通じない世界がある。

しかも、このときはインドへ一時帰国するだけで、また3カ月後に日本に来るのに。

このときの昼食はもちろん、彼のおごり。
それどころか、「おまえの欲しい服があったら、買ってやるよ」とまで言う。
さすがにこれは遠慮したけど驚いた。

 

前の記事でも書いたけど、インド人のお金持ちの、「ここぞ」というときの気前の良さは、すごい。
これは、台湾人や韓国人に似ている。

感謝や喜びを伝えるときは、お金を出し惜しみをしない。
こっちが心配になるくらい、お金を出す。

 

さて、こういうお金持ちインド人が、タージマハルの入場料が、外国人料金はインド人の入場料の38倍だというのを知ったときに、驚くだろうか?
日本人と同じように「高い!ぼったくりだ!」と思うだろうか?
特に、 「郷に入らば、郷に従え」の考えで、インドの社会やインド人の常識から考えた場合、どう思うのか?

ちなみに、インドを旅する日本人バックパッカーは、本人が「貧乏」と思っても、現地のインド人からは、間違いなく「お金持ち」と思われている。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。