満州の旅⑥空港でタイ人が怒った中国人のマナーと態度の悪さ

 

さすがは日本のバス。
時間どおりセントレア空港に到着した。

飛行機が出発する時刻まで、まだじゅうぶんな時間もある。

でも、ひとつ気がかりなことがある。

今回ボクは大韓航空の飛行機で中国の大連まで行く。
中国人の乗客はたくさんいるはず。

そうなると、チケットの受付カウンターにたどり着くまでに時間がかかるかもしれない。

 

ここでクエスチョン。
受付カウンターに、つぎの3つの列があったとする。

・10人の日本人の列
・10人のタイ人の列
・10人の中国人の列

時間がかかるのはどの列だと思いますか?

 

ボクとタイ人の友人の答えはまったく同じ。

「そりゃ、中国人の列に決まってる!」

この3つの列のなかで、一番遅いのはまちがいなく中国人の列。
これはボクとタイ人の答えだけど、ほとんどの人はそう答えると思う。

中国人のばあい、1人あたりの受付にかかる時間が長い。

そのことで、そのタイ人が空港で怒ったことがあったという。

 

彼がタイへ帰る飛行機を調べていたとき、タイ航空よりも中国系の飛行機のほうがかなり安いことを知った。

いつもタイ航空をつかっていたけど、このときは値段にひかれてその中国系の航空会社に決める。
その結果、「もう中国の飛行機には乗りたくありませんよ!」と怒ることになった。

理由を聞くと、「中国人の乗客のマナーや態度は、とてもひどかったですから!」という。

飛行機に乗るまえ、空港にいたときから彼はそのことに気づいた。
チケットカウンターの列に並んでいるときに、タイのパスポートをバッグから取り出す。
そして前を向くと、知らない中国人が立っている。

パスポートを出しているあいだに、横入りされてしまったのだ。

「ムカっ」となったけど、何も言わずその中国人の背中をにらみつける。

「タイ人は直接人に文句を言うことが苦手なんですよ」ということらしい。
日本人みたいだ。
個人的に、タイ人と日本人は性格がにていると思う。

 

それにしても、列がなかなか前へ進まない。

「どうしたんだろう?」と思っていたら、すぐにわかった。
チケットカウンターで、中国人の旅行者がカウンターの職員ともめている。

その中国人の荷物が多すぎるのだ。

無料で飛行機に預けられる荷物の量は決まっている。
荷物の個数や重さが基準をこえると、その分のお金を取られてしまう。

 

これの決まりは航空会社によってちがう。
旅行サイトの「トラベルコ」には、こんな例がのっている。

日系航空会社のエコノミークラスを使ってハワイから帰国する場合

・個数超過:1個あたり…150USドル(15,000円)

・重量超過:23kg超~32kg以下…30USドル(3,000円)
32kg超~50kg以下…150USドル(15,000円)
50kg超…300USドル(30,000円)

飛行機に乗るときに手荷物の制限重量を超えてしまったら、追加代金っていくらくらいかかるの?

これだけの量の荷物を飛行機に預けるとしたら、きっとプラス数万円はかかる。

 

荷物をオーバーすると、けっこうな金額の出費となる。
さっきの例でも、荷物が1つ増えると15000円取られてしまうとあった。

飛行機での荷物の追加料金は、だいたい数万円単位になる。

だからそうなると、「あなたの荷物はオーバーしているので、あと3万円いただきます」といった冷酷な事実を受付で告げられてしまう。

友人のタイ人が目にしたのは、空港の職員からそんな判決を言い渡されたけれど、必死に抵抗している中国人の姿だった。
何とか少しでも安くしてもらおうと、必死に交渉していたという。

それも一人ではなかったらしい。
こうした中国人は他にいて、中国人のこんな態度に友人のタイ人は怒りを通りこしてあきれてしまった。

 

タイにある中国仏教のお寺
タイの王妃の写真があるのがタイのお寺らしい。

 

「飛行機にのせることができる荷物は決まっているはずです。なのに、受付カウンターでしつこく文句を言っているんです。ダメですよ、あんな態度は」

「タイ人はそんなことしないの?」
と聞いたら、彼にらまれた。

「タイ人だったら、あそこまでしつこく言いません。そんなタイ人がいたとしても、中国人よりは絶対に少ないですよ。飛行機に乗るようなタイ人だったら、あきらめてお金を払います」

ボクもそうだと思う。

 

でも、中国人の態度は必ずしも悪いことばかりではない。
中国人の自己主張の強さや強引さは、ビジネスの交渉では強さを発揮(はっき)すると思う。

この意見にはタイ人も賛成だった。
タイでは、中国系のタイ人はとてもビジネスがうまいらしい。
タイの社会を経済的にコントロールしているのは、中国系タイ人だという。

そんなことを話していた彼も、じつは先祖に中国人がいる。
中国人の血がまじっている彼が言っているのだから、まちがいない。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。