ウソにだまされない②韓国で間違った歴史が事実となる背景

 

インドを旅行していたとき、よくだまされた。

バックパックを背負って街を歩いてホテルを探していると、インド人が声をかけてくる。

「~ホテルに行くのか。でも、そこは半年前につぶれたよ。オレがいいホテルを知ってるから案内してやる」

でも実際には、ボクが探していたホテルは営業していた。
そのインド人はただの客引きで、ボクをホテルに連れて行くことで、そのホテルからいくらかのお金をもらっていただけ。

 

海外旅行でだまされても、たいていの場合は自分が損をするだけですむ。
だからまだいい。

でもウソの情報を信じてしまって、「これは他の人にも知らせたほうがいい!」と拡散すると、相手にまで迷惑をかけてしまう。

ニセ情報やいい加減なニュースには注意しないと!

ウソ情報を見ぬく方法については、2016年12月14日の朝日新聞の社説に書いてある。

利用する側も、ネットには玉石混交の情報があふれているとの認識を持つことが、改めて求められる。それらをつき合わせたり、出所が信頼できるサイトかどうかを調べたりして、主体的に活用する姿勢が大切だ。

「情報サイト 公共性をどう守るか」

これはネットの情報だけではなくて、新聞やテレビなどの情報でもおなじ。

ウソ情報にだまされないためには、その情報の出所が信頼できるものかどうかを確認することが、基本的でもっとも大事なことになる。

 

 

今、韓国で「軍艦島」という映画がつくられている。

でもその映画の内容は、実際の軍艦島とは大きくちがっている。
そのことで、「韓国映画のウソをあばく」と、軍艦島に住んでいた人が声をあげた。

くわしくは下の産経新聞の記事を読んでください。

「軍艦島は地獄島…」韓国映画・絵本が強制徴用の少年炭鉱員を捏造 憤る元島民たち「嘘を暴く」

 

産経新聞がそのことを伝えると、韓国のテレビ局がこれに反応する。
韓国のMBC(韓国文化放送)の番組で、「産経新聞の記事こそ間違っている」と反論した。
そして、映画「軍艦島」や絵本の内容はまちがいなく事実であると番組で検証している。

 

今の韓国では、「慰安婦像の次は、朝鮮人の徴用工の像を建てよう」という動きがある。
そのことに、日本政府(菅官房長官)は「コメントする気にもならない」と不快感をしめした。
というか、あきれている。

今度は、韓国のテレビ番組の内容を知ったジャーナリストの櫻井よしこ氏があきれている。

産経新聞のコラム(3月6日)から。

【櫻井よしこ】歴史捏造・歪曲と「血債」

産経新聞が絵本も映画も捏造だと断ずると、韓国MBCテレビが即、反論した。MBCスタジオの大スクリーンに映し出された上半身裸の労働者の写真を見て、私は驚いた。

これは1926(大正15)年9月に北海道の旭川新聞に掲載された道路工事現場の日本人労働者の写真である。朝鮮半島の人々でもなく、時代も全く違う一葉は、勿論、軍艦島とは無関係だ。

 

「映画『軍艦島』の内容は事実だ!」

といって、北海道の道路工事現場で働く日本人の写真を見せながら解説する。
まるでコント。

 

 

MBC(韓国文化放送 )というテレビ局は、韓国で大きな影響力がある。
国営のKBSや民放のSBSとならんで、「地上波三大ネットワーク」といわれるほど。

そんなテレビ局が報道した歴史の番組で、間違った資料をつかっている。

「これが韓国の歴史検証能力なんだろうか?」と疑われても仕方がない。

歴史の事実を確認する番組で、軍艦島の朝鮮人ではなく北海道の日本人の写真をつかって説明している。
まったく関係のない写真をもとに、真剣に歴史を語る。
もう一度いおう。
それはコントであると。

日本のテレビ局が、まったく関係ない資料をもとに日韓の歴史を解説していたら大問題になる。

 

 

でも問題は、韓国でそんなテレビ番組が流されたということではない。
そんな一過性のことではないから。

この番組を見た韓国の人たちは、番組の資料が北海道の日本人だとは気がつかないで軍艦島にいた朝鮮人だと信じてしまうだろう。

まちがった内容が歴史的事実として、韓国の社会や人々に認識されてしまう。
そうなったら、傷つくのは心ある日本や韓国の人たちであり日韓関係だ。

もうコントではすまなくなる。

 

日本人としては、この番組をとおして韓国人の歴史認識のできかたを知っておいたほうがいい。

日本では、「韓国人のいう歴史の事実は、まちがっている!」という指摘はよくある。
「慰安婦が強制連行された」ということは韓国では事実として広まっているけど、実際にはそんなことはなかった。

 

慰安婦の強制連行という間違い指摘することはそのひとつの例だけど、間違いを指摘するだけではなくて、その背景を知ることも大事。
韓国では、まちがった内容がどのような過程をへて事実となるのか?

そんな背景を知る資料はなかなかない。
その意味では、軍艦島のできごとを北海道の日本人をつかって検証したこのテレビ番組はとても参考になる。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。