日本でのサイダーとレモネードの始まりは?その歴史と社会

 

日本にある「実は“100年超え”のロングセラー商品」とはなにか?

gooがそんな調査をして、「gooランキング」で発表している。
日本人の身近にあるもので、「でもこれ、じつは100年以上の歴史があるんですよ」と聞いて驚いたものがランクされる。

今回の記事では、歴史の勉強をしながらランキングを紹介していきたいと思う。

 

調査の結果、日本人が一番驚いたロングセラー商品は「三ツ矢サイダー」だった。

もはや日本の国民飲料ともいえる「三ツ矢サイダー」が第1位になっている。

下の「gooランキング」のサイトに結果がある。

 

日本で初めてサイダーがつくられたのが1881年。
そして初めて販売されたのは1884年。

アサヒ飲料のホームページにサイダーの歴史が書いてある。

約130年の歴史をもつ、三ツ矢サイダー。明治14年(1881年)、ウィリアム・ガランというイギリス化学者が、平野鉱泉を飲み物として「理想的な鉱泉」として認めたことで、炭酸水の製造をはじめ、明治17(1884)年に「平野水」として発売されたのがはじまりです。

「アカデミー 三ツ矢豆知識」

 

サイダーが登場した1884年のころ日本は文明化のまっ最中で、鹿鳴館(ろくめいかん)で外国人と踊っていたころだ。
中国の古典『詩経』に由来する鹿鳴館は西洋の風俗や習慣を取り入れて、欧米と結んだ不平等条約の改正をねらったが、結局これはうまくいかず。
サイダーが生まれたころ、日本の社会は本当に変わっていった。

1885年には、伊藤博文が初代の内閣総理大臣になっている。
1887年には、東京に電灯がついた。
1890年には、今なにかと話題の教育勅語が発布されてる。

 

 

サイダーに似た飲み物に「ラムネ」がある。
ラムネという言葉がどうやって出来たか、ご存知だろうか。
この元ネタは英語の「lemonade(レモネード)」だ。

ラムネ

清涼飲料の一種。レモネード lemonadeが転訛した呼称で,日本独特のもの。成分はサイダーとほとんど同じ炭酸飲料だが,特徴ある瓶によって親しまれている。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

 

このラムネが製造されたのは、サイダーよりも早い。
1865年の長崎で、日本で初となるレモネードがつくられた。
この2年後の1867年に大政奉還によって江戸幕府は終わった。

サイダーの炭酸水から、文明開化の音が聞こえ始めていた。

このラムネが日本で初めて販売されたのは、1872年5月4日。
今では、この日がラムネの日になっている。

「全国清涼飲料協同連合会」のホームページにそのことがかいてある。

ラムネの製造販売をはじめたのは、東京の千葉勝五郎という人物で、1872年(明治5年)の5月4日とも言われています。

ラムネの雑学

 

「ラムネの語源は英語のレモネードだった」と話すと、イギリス人の友人が驚いた。
前からラムネという日本語は知っていたけど、その発音から「lemonade」を思い浮かべたことは一度もなかったらしい。
「でもそう言われてみたら、味はレモネードに近いかも」てなことを言う。

そのイギリス人はよくレモネードを作って飲んでいた。
イギリスで「夏のイメージ」といえば、炭酸水にレモンを入れたレモネードがあるらしい。

日本でいうスイカみたいなもんか。

 

ランキングの結果は下のサイトにあるからよかったらどうぞ。

三ツ矢サイダーも!実は“100年超え”のロングセラー商品ランキング

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。