朝日と毎日が怒る教育勅語。韓国の憲法と似てるところって?

 

「近くて遠い国」とよばれる日本と韓国には、いろいろな違いがある。

ボクが韓国旅行で驚いたことに、「ロッテリアでは、ドリンクが飲み放題!」ということがあった。
今もそうなんだろうか?

日本人と韓国人も違う。
韓国人は「パリパリ(早く早く)!」だけど、日本人はのんびりしている。
友人の韓国人は、ネットがすぐにつながらないと怒りだす。

「ああ~!イライラしますねえ。韓国人はパリパリだから、待たされるのが大嫌いなんです」

その気持ちはわかる。
彼は続けてこう言う。

「なんでこんなに遅いのかなあ?この会社はつぶれた方がいいですよ」

韓国人の言い方はけっこう激しい。
とくに政治家に対して怒るときは、ボロクソに言うらしい。

 

日韓のもっとも大きなちがいのひとつは、韓国には徴兵制があること。

今回の記事では、この徴兵制との明治の教育勅語(きょういくちょくご)について書いていきたいと思う。
教育勅語といえば、今日本で何かと話題だしね。

 

以前の記事で、サイダーのことを書いた。

サイダーが日本で初めて販売されたのは1884年。
そのころ日本は、文明化のまっ最中だった。

その6年後の1890年に、教育勅語がでた(発布された)。

きょういく‐ちょくご〔ケウイク‐〕【教育勅語】

明治天皇の名のもとに、明治23年(1890)10月30日に発せられた「教育ニ関スル勅語」。教育の根本を皇祖皇宗の遺訓に求め、忠孝の徳を国民教育の中心に据えた。昭和23年(1948)、国会でその失効および排除を決議した。

デジタル大辞泉の解説

この記事を書いているときに、「そういえば教育勅語って、韓国の憲法と似ているところがあるな」と思った。

 

北朝鮮との国境近くにいる韓国軍の兵士
ここまで外国人の旅行者が行くことができる。
こんなところも「観光地」になっていて、ツアーで行くことができる。
これも、日本と韓国の大きなちがいのひとつ。

 

稲田防衛相が3月8日の参院予算委員会で、教育勅語についてこう言った。

「『日本が道義国家を目指すべきだ』という精神は取り戻すべきだ」

この発言を「けしからん!」と問題視したのが毎日新聞と朝日新聞。

毎日新聞は、3月9日付の朝刊で「稲田氏に対し、資質を問う声が上がる可能性がある」 と書いた。

朝日新聞は10日の社説で、「稲田防衛相に閣僚としての資質があるのか。重大な疑義を抱かざるを得ない発言である」と批判している。

こんな感じで、毎日と朝日の両紙は稲田防衛相の資質を疑問視している。

 

 

稲田防衛相が言った「日本が道義国家を目指すべきだ」の「道義国家」ってどんな国家やねん?

と思った人もいると思う。

稲田氏はこう言っている。

「勅語の精神は親孝行、友達を大切にする、夫婦仲良くする、高い倫理観で世界中から尊敬される道義国家を目指すことだ」

「親孝行、友達を大切にする、夫婦仲良くする」ということは、今の日本でも常識的に大切にされている考え方だ。

これ自体は悪いことではない。

 

かといって毎日新聞や朝日新聞が、教育勅語をお気に召すはずがない。

両紙がとくに嫌っているのは、教育勅語のこの部分だろう。

毎日新聞は、3日の社説「森友学園 教育機関と言えるのか」で、教育勅語についてこう書いている。

明治憲法下の教育理念である教育勅語は忠君と国家への奉仕を求めていた。

「国民に忠君と国家への奉仕を求める」

これを毎日朝日が受け入れるわけがない。

この社説では、森友学園が運営する幼稚園で、園児に教育勅語を暗唱させていることを問題視していた。

これは毎日新聞だけではなくて朝日新聞も同じはず。
「けしからん!」どころではなくて、「とんでもない!考えられない!」というレベルのはず。

 

でも、これにはボクも驚いた。
今の日本で、まさか教育勅語を暗唱している幼稚園があるとは!

毎日新聞が書いた文は、教育勅語の「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」という部分のことだろう。
教育勅語の「国家への奉仕を求めていた」という部分から思いついたことがある。

これは韓国の憲法で書いてあることとよく似ている。

 

北朝鮮と向き合う韓国軍の兵士

 

さっきも書いたけど、韓国には徴兵制がある。

すべての韓国の成人男性には、一定期間軍隊に所属し国防の義務を遂行する「兵役」義務が課せられています。

徴兵制~韓国の軍隊制度

軍隊に入っている期間は、だいたい2年間。
韓国の社会では、命をかけて韓国を守る軍人は尊重されている。
軍人だと、ロッテリアで割引がうけられるらしい。
日本では学割はあるけど、「軍割」なんて絶対にはない。

 

なんで韓国には徴兵制が必要なのか?

それは、韓国は今でも戦争中だから。

ちょうせん‐せんそう【朝鮮戦争】

大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国との間の戦争。第二次大戦後の米・ソの対立を背景として、1950年6月に南北朝鮮を分かつ北緯38度線付近で武力衝突し、それぞれ米軍を中心とする国連軍、中国義勇軍の支援のもとにほぼ朝鮮半島全域を戦場とした国際紛争。1953年7月、休戦協定が成立。

デジタル大辞泉の解説

今の韓国は、「休戦中」という状態にある。
戦争が終わったわけではない。

この点も日本とはちがう。
日本は戦後70年間、戦争をしたことがない。
これは日本人が誇りに思っていいことだ。

 

 

韓国の徴兵制については、韓国の憲法で書いてある。

国軍は、国家の安全保障と国土防衛の神聖な義務を遂行することを使命とし、その政治的中立性は遵守される」とされ(第五条)、さらに「すべての国民は、法律の定めるところにより、国防の義務を負う」という条項(第三九条一項)をもっている

(「市民」とは誰か 佐伯啓思)

韓国憲法の「すべての国民は、法律の定めるところにより、国防の義務を負う」という部分を見てください。
これは、教育勅語で日本国民に国家への奉仕を求めていたことと重なる。

韓国の憲法では、日本の平和主義の根源となる「戦争放棄」・「戦力の不保持」・「交戦権の否認」の3原則をすべて「否定」している。
今でも戦争中で徴兵制を必要としている国だから、しかたがない。
これも日本と韓国の大きなちがい。

 

 

もし日本の政治家が、日本憲法に次の一文を入れるよう提案したら?

「すべての国民は、法律の定めるところにより、国防の義務を負う」

毎日新聞や朝日新聞としては、「資質を問う声が上がる可能性がある」では絶対にすまさないはず。

いったい、どれだけ怒るのだろう?
ちょっと見てみたい気がしたりして。

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。