日本とヨーロッパの女性観。女性に自由や権利があったのは?

 

3月8日は国際女性デー。

1904年に、女性が政治的な権利をもとめてデモをしたことがこの日のはじまりになっている。

国際女性デー

3月8日。1904年にアメリカ、ニューヨークでの婦人参政権を要求したデモを起源とし、1975年に国連が制定。女性への差別撤廃と女性の地位向上を訴える。

デジタル大辞泉プラスの解説

 

今回は、この国際女性デーにちなんで、むかしの日本とヨーロッパでの女性観について紹介したいと思う。

日本とヨーロッパの社会では、女性はどのような存在だったのか?
日本とヨーロッパでは、女性にどのような権利があってどんな行動ができたのか?

さっそく見ていこう。

 

 

まずは、ヨーロッパ社会の女性観から。

6世紀、日本で聖徳太子が活躍していたころ、ヨーロッパではこんなことをしていた。

女に魂があるかどうかを投票で決めた

「キリスト教封印の世界史 徳間書店」

今から考えたら、ありえないこと。
というか、この投票自体がよくわからない。
とにかく、キリスト教の司教がこんなことしていた。

 

13世紀のヨーロッパには、「トマス・アクィナス」という偉大な人物がいた。
トマス・アクィナスは、高校の世界史で必ずならう重要人物。

「キリスト教とアリストテレス哲学を総合し、スコラ学を完成。中世最大の哲学者(デジタル大辞泉の解説)」というお方で、「神学大全」を書いている。

そんな偉人が、女性についてこんなことを言っている。

十三世紀、聖トマス・アクィナスはこう述べた。女は神がおつくりになった失敗作である。

「万物の創造においては、いかなる欠陥品もつくられるべきではなかった。したがって、女は万物創造の際に生み出されるべきではなかったのだ。」

「キリスト教封印の世界史 徳間書店」

 

こんな女性観の社会だと、女性は住みづらかったんじゃないかなあ?

13世紀というと、日本は鎌倉時代で元寇があったころですね。

 

さらに16世紀に宗教改革があったころ、ヨーロッパではこんな議論がおこなわれていた。

ヴィッテンベルクに住むルター派の信徒たちは、女が本当に人間かどうかをめぐって論争した。
正統派は、すべての罪の責任は女にあると考えていた。

「キリスト教封印の世界史 徳間書店」

 

「女に魂があるかどうかを投票で決めた」
「女は神がおつくりになった失敗作である」
「女が本当に人間かどうかをめぐって論争した」

これらを見ると、ヨーロッパでは女性は男性よりも「劣(おと)った生き物」と考えられていたように思う。

むかしのヨーロッパでは、女性はかなり蔑視(べっし)されていたらしい。

 

ちなみに、ルターと日本の織田信長は16世紀の人物で、だいたい同じ時代に生きていた。

 

 

では、日本。

日本での女性の様子は、16世紀に来日したヨーロッパ人「ルイス・フロイス」の記録から見ていく。

ルイス・フロイス(1532~97)は、ポルトガルの宣教師。
京都で織田信長や豊臣秀吉と会ったこともある。
フロイスは、日本でキリスト教を布教するための基盤をつくった人。

 

そのフロイスは、ヨーロッパの女性と戦国時代の日本の女性を比べて、次のように記録をのこしている。

以下は、「フロイスの日本覚書 中公新書」から抜き出したもの。

ヨーロッパでは、夫婦間において財産は共有である。日本では、各々が自分の分け前を有しており、ときには妻が夫に高利で貸しつける。

これは今の日本でもおなじ。
たいていの夫は妻にサイフをにぎられているはず。
そして妻からおこずかいをもらって生活している。

でも、妻が夫に「高金利で貸しつける」というのは聞いたことない。

 

さらに下の文を読むと、当時の日本ではヨーロッパよりも女性の権利や自由が尊重されていたのだと思う。

ヨーロッパでは、妻を離別することは、罪悪であることはともかく、最大の不名誉である。日本では、望みのまま幾人でも離別する。彼女たちはそれによって名誉も結婚(する資格)も失わない。

 

ヨーロッパでは、妻は夫の許可なしに家から外出しない。日本の女性は、夫に知らさず、自由に行きたいところに行く。

 

「女性は、夫に知らさず、自由に行きたいところに行く」

これは、平成の日本でもムリだろう。
こんなことが何回もあったら、離婚協議のときにかなり男性に有利になるはず。

 

戦国時代の女性は、ヨーロッパの女性より権利や自由が認められていたのだと思う。
ひょっとしたら、現代の日本の女性よりも強かったのかもしれない。

妻が夫に高金利で貸しつける。
夫に知らさず、自由に行きたいところに行く。

こんな妻がいる家庭なんて聞いたことがない。

 

この記事でかいたことは、日本とヨーロッパの女性観のほんの一部にすぎない。

本棚から女性観について書いてある本を、てきとうに取り出して記事にしただけのもの。

この先は、ぜひ自分で調べてください。

 

よかったら、こちらもどうですか?

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4 件のコメント

  • 十三世紀、聖トマス・アクィナスはこう述べた。女は神がおつくりになった失敗作である。

    「万物の創造においては、いかなる欠陥品もつくられるべきではなかった。したがって、女は万物創造の際に生み出されるべきではなかったのだ。」

    「キリスト教封印の世界史 徳間書店」

    この名言は、英語でなんというのか教えていただいてもよろしいでしょうか?

  • 楽しく読ませて頂きました。
    何世紀前でも、日常生活の庶民の暮らしの中では、日本女性の強さは現代とあまり変わらないのかも。
    何処へでも行くというのは、大袈裟な長期間とか遥か遠くへの意味でなく、
    落語風に言うと、半日家を空けた奥さんが帰ってから、「どこそこの婆さんが具合が悪いって聞いたから様子を見に行ったのさ。」 で、旦那さんが「そりゃいけねえな。で、どんな具合だったい?」みたいな。
    或は、「面白い興行やっててさ、つい終いまで見ちまってね。あはは」ぐらいの事じゃないかしらん、と想像しました。
    昔から、三行半は女性から叩きつける事も珍しくない日本ですから。

  • 何か参考になることがありましたら、書いたかいがありました。
    何日も旅行に出かけることはなかったと思います。ちょいとぶらりと出たのでしょう。
    ただ江戸時代になって儒教の影響が強くなると、父・夫・子供に従うという「三従」の考え方が広がりました。
    いまは日常生活ならほとんど対等だと思います。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。