コーヒーとお茶の共通点:聖職者(イスラム教と仏教)の眠気覚まし

 

今、コメダ珈琲の勢いがすごいらしい。

日本経済新聞にこんな記事(2017/3/28)があった。

「コメダ珈琲」、FC出店加速へ工事費立て替え

個人がFC経営に参入しやすくすることで、現在の約740店から2020年度までに1000店へ拡充する計画だ。

浜松市にはドトールやスタバがあるけど、ボクのまわりではコメダ珈琲の人気が高い。

「ドトールの前、人ど通る」と聞いて、意味が分かるのは浜松人だけだと思う。

ボクの友人には、あのモーニングにやられた人が多い。
コーヒーを頼めば無料でトーストや卵がついてくる。
名古屋では当たり前のサービスのようだけど、ボクが知っている限りでは、浜松であんなモーニングが登場したのはコメダ珈琲が初めて。

 

それよりも魅力的なのは、いろいろな種類のマンガ・雑誌・新聞が読み放題だということ。
こんなサービスも浜松にはなかった(ボクが知る限りで)。

座り心地のいいソファで、ゆったりした気分で好きなものを読むことができる。
そんな優雅なひと時を過ごすことをおぼえたのも、コメダ珈琲が初めてだった。

 

コーヒーを飲料として飲みはじめたのは、アラビア人だといわれている。

それが13世紀ごろで、だんだんと中東全体にコーヒーを飲む習慣が広がっていく。

でもそのときのコーヒーは、一般人のための飲み物はなかった。
イスラーム教のモスク(礼拝所)で、聖職者が飲むためのものだったという。

聖職者が眠気覚ましとしてコーヒーを飲用していた。
その点では日本のお茶と同じ。

 

 

日本でお茶が広く飲まれるようになったのは、鎌倉時代のころ。

平安時代にもお茶はあったけれど、広く人々に飲まれてはいなかった。
日本でお茶を飲む習慣が定着したのは、栄西(えいさい)の活躍のおかげだ。

いわば栄西はお茶の伝道師。

栄西

1168・87年の2回入宋して臨済宗を伝えた。旧仏教の攻撃に対しては「興禅護国論」をもって反論。

鎌倉に寿福寺、京都に建仁寺を開く。中国から茶をもたらし「喫茶養生記」も著した。

「日本史用語集 山川出版」

栄西がとなえたお茶の効果
この中に「睡眠を取りのぞく」と書いてある。

 

栄西が着目したお茶の効果は「眠気覚まし」だった
お坊さんが夜遅くまで仏教の修行ができるように、眠気覚ましとしてお茶を飲んでいた。

中国では茶が古い時代から 一般に飲用されていたことは栄西も述べている. 宋の禅僧は特にこうした茶の効用に着目し,睡魔を防止し疲労の回復をはやめることが出来ることから,長時間の瞑想に堪えるためには茶の飲用は欠かせないものであると考えたのである.

栄西と喫茶養生記 – 東京有明医療大学

栄西が書いた「喫茶養生記」はお茶について書かれた日本で最古の書になる。
これマメね。

 

イエメンの女性。

イエメンには、モカコーヒーの由来となった「モカ港」がある。

モカコーヒー(英: Mokha coffee、Mocha coffee)あるいは単にモカ とは、イエメンの首都サナアの外港であるモカからかつてコーヒー豆が多く積み出されたことに由来する、コーヒー豆の収穫産地を指すブランドである。

(ウィキペディア)

 

イエメンってどこやねん?
サウジアラビアの下やねん。

モカはジブチの向かいにある。

 

ということで、コーヒーとお茶にはこんな共通点がある。

イスラーム教と仏教の聖職者たちが、眠気覚ましのために飲んでいた。

聖職者だけではなくて、ふつうの人たちがコーヒーを飲むようになったのはいるごろか?
16世紀にトルコのイスタンブルにコーヒーハウスができたころからだろう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。