外国人が「るろうに剣心」にはまり、日本に団子を食べに来る時代

 

今、日本が国をあげて日本文化を世界に広げようとがんばっている。

この動きを「クールジャパン」という。

経済産業省のホームページからも、日本政府のやる気が伝わってくる。

政府では、クールジャパンの推進として関係府省連携のもと『日本の魅力』を海外に発信しています。

クールジャパン/クリエイティブ産業

ここでいう「日本の魅力」とは、日本文化のこと。
それだけではなくて、日本にかかわるすべてのことをさす。

忍者・和食・茶道・アニメ・車・ゲーム・建築などなど、クールジャパンがカバーする「日本」の範囲は本当に広い。

いまユニバーサルスタジオジャパンでも、「クールジャパン」のイベントがおこなわれている。

 

ボクが知り合う外国人にも、アニメを見て日本に興味をもったという人が増えている。
今回は、そんな外国人のことを書いていきたい。

 

バンコク(タイ)のショッピングモール
クールかどうかは分からない。

 

その外国人とは、トリニダード・トバゴ人。

彼女はトリニダード・トバゴに住んでいたとき、アニメの「るろうに剣心」を見てすぐにはまってしまったという。

 

「いやいや、その前にトリニダード・トバゴってどこだ?」というあなたにはこの地図をどうぞ。

ベネズエラの右上にある小さな島国がトリニダード・トバゴ。

 

「いやいや、その前にベネズエラってどこだ?」というあなたにはこの地図をどうぞ。
ブラジル上にあるのがベネズエラ。

 

「はまった!」というだけあって、彼女はるろうに剣心についてはボクよりくわしかった。
ボクはジャンプに連載されていたときに読んだ記憶があるけど、内容はほとんど覚えていない。

そしてこのトリニダード・トバゴ人から、「斎藤一には牙突(がとつ)という必殺技があるの!」ということを教えてもらった。
その牙突とやらの威力もだいたいわかった。

 

でも、彼女が知っている斎藤一とボクが知っている斎藤一はかなりちがう。
ボクが読んだ司馬遼太郎の「萌えよ剣」、いや違った、「燃えよ剣」では斎藤一が牙突なんて技をはなったことは一度もなかったぞ。

本当の斎藤一や新撰組、さらに幕末の日本のことを話すと、彼女は興味深そうに耳をかたむけていた。
これは日本人の役割だと思う。

 

「るろうに剣心にはまった!」というトリニダード・トバゴ人が持っていた傘。
ドン・キホーテ(たぶん)でこれを見つけた時は、心がふるえたという。

 

「るろうに剣心にはまった!」というトリニダード・トバゴ人は、団子にもはまっていた。

彼女が団子に関心をもったのも、「るろうに剣心」の影響だったと思う。
ひょっとしたら他のアニメかもしれない。
けどとにかく、日本のアニメを見て彼女が団子に一目ぼれしたことはたしか。

 

「日本へは英語を教えるためにやって来た」というのは表向きの理由で、じつは団子を食べに来たという。

*トリニダード・トバゴには、トリニダード・トバゴ語なんてものがない。
一般的に英語がつかわれている。
イギリスの植民地だったからイギリス英語を話している。

 

トリニダード・トバゴにはない三色団子

 

そして団子の国・日本にやって来た彼女は,いろいろな団子を食べてはせっせとフェイスブックに投稿する日々をおくっていた。

「なんでこんなにきれいな色をしているの?」
「マジで食べたい!」

友人からのそんな羨望のコメントが気持ち良かったらしい。
*羨望(せんぼう)は「うらやましい!」と思うこと。

 

もちろん、トリニダード・トバゴにもおいしい食べ物はたくさんある。
でも日本の食べ物のように、見た目には力を入れないらしい。
日本人は食べ物の色や形にこだわるし、料理や季節によって器も変える。

トリニダード・トバゴ人は大ざっぱで、そんな細かいことは気にしないらしい。
「お皿は割れていなかったらそれでいい」というていど。

でもこれは、アメリカ人やタイ人も同じだと思う。
「日本料理は季節によって器を変える」と外国人に話すと、たいていビックリする。

 

それにしても、トリニダード・トバゴという日本の反対にある小さな島国の外国人と自分が知り合うことになるとは思わなかった。

さらにトリニダード・トバゴ人が「るろうに剣心」で日本に興味をもつなんて完全に想像の範囲をこえている。
さらに団子を食べに日本まで来るとは!

日本のアニメの影響は世界のどこまで広がっているのだろう?

 

伏見稲荷の鳥居も外国人には大人気

 

でもこれはアニメではなくて、「SAYURI」という映画の影響がとても大きい。

映画「SAYURI」の影響もあって、外国人の口コミで選ぶ「外国人に人気の日本全国・観光スポット」ランキング(トリップアドバイザー)で、伏見稲荷大社は、なんと第1位に。「どんなところにも似ていない、唯一無二の場所」といった声があがり、無限に林立する鳥居が強烈な印象を与えているのです。

外国人観光客が選ぶ人気1位!京都「伏見稲荷大社」の秘話とは?

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。