モザイクやアイコンの意味って?・ギリシア正教会とは?

 

始めの一言

「日本国民は相変わらず無邪気でほがらかで愛嬌があるーそして上品だ。地球上で日本人に匹敵できるほど、親切で礼儀正しい国民はいないだろう。(コリン・ロス 昭和)」「日中戦争見聞記 コリン・ロス」

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今回の内容

・ギリシア正教会の誕生
・で、このころの日本は?
・日本で見られるギリシア正教会の影響

 

・ギリシア正教会の誕生

以前の記事で書いたけど、ルターが登場する前から、カトリック教会が聖像を使用することが問題になっていた。
このことで、高校の世界史で習う大切なことは、「聖像禁止令」。

 

ビザンツ帝国の皇帝が、「聖像禁止令」を出している。
ビザンツ皇帝レオ3世が発布した、イエスや聖母マリアといった聖像の厳禁と破壊を明治う法令。
偶像を否定するイスラームの影響から出されたが、ゲルマン布教に聖像を必要としたローマ教会との対立を深めることになった。(世界史用語集 山川出版)

 

ビザンツ帝国もキリスト教を信仰していた国。
でも、「キリスト教の本来の考え方からしたら、キリストやマリアの聖像は、必要ないはず」と、ビザンツ皇帝は、主張した。
でも、カトリック教会は、それを認めない。

 

で、対立は大きくなっていく。
で、このビザンツ帝国とローマ教会との対立が修復できないくらい大きくなってしまって、キリスト教(カトリック)は、東西に分裂してしまった。
そして、西(今の西ヨーロッパのあたり)のカトリックに対して、東(ビザンツ帝国)に、「ギリシア正教会」が生まれることになった。

 

教会の東西分裂

1054年
単性論や聖像崇拝問題などで対立を深めたギリシア正教会とローマ=カトリック教会は、1054年に相互破門して分裂した。

 

・ギリシア正教会って?

ときどき、テレビや本で、「東方正教会」「ロシア正教」なんていう言葉を聞いたことない?
これもカトリリックやプロテスタントとは違う、キリスト教のグループで、世界史だと「ギリシア正教会」と呼ばれいる。

 

下がその分布図。
青色の国が、信者の多いところ。
やっぱり、ギリシア・東ヨーロッパ・ロシアにたくさんいる。
でも、日本を含めて世界中に、この宗派の信者がいる。
ギリシア正教会のことも、簡単に、知っておいた方がいいよ。

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画像は、ウィキペディアから。

 

ギリシア正教会

ビザンツ皇帝と結びついたコンスタンティノープル教会を中心に発展し、西欧・東欧やロシアに広がったキリスト教会。
ラテン語のローマ教会に対して、典礼にはギリシア語をもちいた。「正」は「正しい信仰」を意味する。

 

 

・で、このころの日本は?

1053年に白河天皇(後白河天皇・法王)が生まれている。
「院政」を始めて、「摂関政治(藤原氏の貴族を中心とする政治)」から、政治の権利を藤原氏から天皇に取り戻している。
と思ったら、今度は、政治の力を武士に奪われてしまった。
その象徴が、1156年(「いいゴロ」合わせ、で覚えなかった?)の「保元の乱」。

 

保元の乱

院政の混乱と武士の進出を象徴しており、「愚管抄ぐかんしょう」は、この乱以後、「武者の世」となったと記す。「日本史用語集 山川出版」

 

ここを、もうちょっと詳しく。
さあ、次の「愚管抄」の文から、「武者の世」を探しみよう。

 

・日本国ノ乱逆ト云コトハヲコリテ後ムサノ世ニナリニケルナリ

・保元の乱によって、時代が大きく変わった明言するこの文章は、「愚管抄」の中でもっともよく知られている一節である。「愚管抄を読む 大隅和雄」

 

1180年?、1183年?、1184年?、1185年?、1192年?のどれか(どれだよ!)に、鎌倉幕府が成立した。
でも、その30~40年前から、すでに日本は、「武者の世」になっていってる。
鎌倉幕府ができて、「武士の世の中」になったけど、その前段階はある。

 

1580年に豊臣秀吉が、天下統一をしたけど、それは、織田信長の時代という前段階があったからこそ、可能だったわけで、信長なしの秀吉の天下統一はありえない。
同じように、鎌倉幕府の成立も、その前段階がある。
それが、保元の乱から始まる「武者の世」になる。

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「仁王像」は、まさに「武士の世」鎌倉文化の象徴
鎌倉時代の前には、仁王像はなかった。
仏像が好きな人は、鎌倉文化の技法「玉眼」もチェックだ!

 

ということで、1054年にヨーロッパがカトリック教会とギリシア正教会の東西に分裂したころ、日本では、武者(武士)の世の中が始まる、ということを覚えておこうか?
日本とヨーロッパは、別の時代を迎えることになった。
歴史を勉強するなら、日本と世界の動きを結びつけて覚えた方がいいよ。
前の記事で、ルターと織田信長を「ヨーロッパと日本の破壊者」って書いたのもそうだけど、結びつけると分かりやすくなる、と思う。

 

・日本で見られるギリシア正教会の影響
でも、旅行でいろんな物を見るときに、その「背景」を知ると、もっと面白くなるはず。
例えば、ギリシア正教会のイコンやモザイクなんか。

 

「聖像は、ダメ」と言ったギリシア正教会が禁止したのは、立像としての聖像(日本の仏像みたいな三次元の像)のこと。
だから、宗教画(二次元)ならOKとした。
この宗教画を、「イコン」という。

 

ただしギリシア正教会での聖像は、立像は認められず、イコンという平面の聖像のみが認められた。
これによって聖像崇拝問題は解決したが「世界史の窓

 

「遺恨」って、いや違う。
「イコン」って、こんなやつ。

 

イコン

板絵やモザイクであらわされた、イエスや聖母などの聖像画。ギリシア正教会においてはそれ自体が信仰の対象とされ、ビザンツ美術を代表する芸術品となった。「世界史用語集 山川出版」

 

これって、見たことない?
「イコン」はギリシア語だけおど、英語読みだと、「アイコン」になる。
そう、あなたのスマホの画面にたくさんあるアイコンですよ!

で、このイコンには、「モザイク画」という画がある。

 

モザイク壁画

ガラス・石・貝殻などの小片で壁画や天井を装飾して作成される絵画。ビザンツ美術を代表する技法で、主に教会堂を飾る宗教画にもちいられた。「世界史用語集 山川出版」

 

モザイク技法は、はるか昔からあった。
けど、この技法は、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の時代に発展して、ビザンツ美術を代表するまでになり、世界中に広まった。
今の日本人や世界の人が思う浮かべる「モザイク」のイメージは、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)のモザイク画から来ている。と言っていいでしょ。
ビザンツ帝国時代に、モザイク画が発展した大きな理由の一つに、次のことがあげられる。

偶像崇拝という批判を避けるため、あえて写実的なスタイルをとらなかった(ウィキペディア)

 

もともと、ギリシア正教会がローマ=カトリック教会と分裂した大きな原因、「聖像崇拝問題」があった。
ギリシア正教会は、三次元のキリストの「像」を否定している。
「実的なスタイルをとらなかった」というのは、あまりリアルに見せないように、キリストの絵を「ぼかした」ということなんだろう。

今の日本で使われている「モザイク」は、宗教の意味はまったくなくなって、単に「ぼかす」という意味で使われている。
テレビでは、「これは、見せられない!」という場面処理みたいに。
ここでいうモザイクの「原点」は、ギリシア正教会の教会を飾る壁画(モザイク画)にあると思う。
同じモザイクという言葉でも、「モザイク処理」のモザイクと「ギリシア正教会の壁画」としてのモザイクは、ぜんぜん違う。

 

さらに、言葉でもギリシア正教会の影響が見られる。
それが、「オーソドックス」っていう英語。

この「オーソドックス」も他のギリシャ語起源の言葉と同様に、英語の orthodox から日本に入ってきた言葉です。
で、この英語の orthodox の語源が、ギリシャ語の「オルトドクシア」(ὀρθοδοξία)直訳すると、「正しい考え」という意味になります。
ここから、英語では、主に宗教上の「正しい教説を信じる」という意味で使われていて、「正教」を指す言葉になっています。
日本に伝わると、この宗教の意味は抜けてしまって、単に「正統派の」とか「伝統的な」という意味で使われるようになったんですけどね。

日本でも毎日ギリシャ生活♪

 

まあ、「オーソドックス」だけじゃなくて、日本に伝わったら、モザイクもイコンも宗教の意味は抜けちゃうけどね。
何でも、「日本化」するんです。
そういや、この前イギリス人と話をしていたとき、日本人がよく使う「コスパ」に驚いていた。
「コストパフォーマンス」自体、デタラメな英語で意味が分からないのに、さらにそれを省略して「コスパ」にしたら、もう、英語じゃなくて、完璧な日本語だと言っていた。

 

良かったら、こちらもどうぞ。

「ヨーロッパ」カテゴリー 目次 ① 

「ヨーロッパ」カテゴリー 目次 ②


日本人とキリスト教徒(アメリカ人)との宗教観の違いについては、こちらをどうぞ。

アメリカ人と京都旅行 ~日本人とキリスト教徒の宗教観の違い~ 1~5

アメリカ人と京都旅行 日本人とキリスト教徒の宗教観の違い 6~11

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。