日本と外国のサービスの違い。やり過ぎるから「ガラパゴス化」。

 

愛知県の高速道路に、「刈谷(かりや)ハイウェイオアシス」がある。

ここで有名なのが「デラックストイレ」。
このゴージャスなトイレは、テレビや雑誌で何度もとり上げられている。

これがそのトイレ。

画像は刈谷ハイウェイオアシスのホームページから。

 

「外国人がこのトイレを見たら、どう思うんだろう?」

そんな興味を持って、いろいろな外国人にこのデラックストイレを使ってもらってその感想を聞いてみた。

 

 

ある台湾人はFacebookにこう書いていた。

「休息站的廁所!!廁所!!廁所!!!」

「休憩所のトイレ!!トイレ!!トイレ!!!」という意味だと思う。

「日本對女生真的太貼心了」

これは、「日本のトイレは、女性にやさしいなあ」という意味らしい。
この台湾人は、公衆トイレとしてはありえないようなクオリティーの高さに感動していた。

 

 

あるアメリカ人はFacebookにこう書いていた。

「Sitting pretty……..in the toilet」

で、イギリス人がこうコメントをする。

「Yeah, not a bad place to do your business…」

(意訳)

「とてもステキな所に座ってる・・・・トイレだけど」

「ええ、仕事をするには悪くない場所ね・・・」

 

刈谷ハイウェイオアシス
観覧車も目を引く。

アメリカ人が言うには、こういうものを英語で「アイ・キャッチャー」というらしい。

アイ・キャッチャー

広告の表現で、見るものの目を引きつけ購入意欲を刺激するために意図的につくられるもの。

流通用語辞典の解説

他のSAにはないサービスをつけないと、客を呼ぶことができない。
それで、こんな観覧車やデラックストイレをつけているのだろうけど・・・。

 

で、このデラックストイレの外国人の感想は?

台湾人やインドネシア人などのアジア人は、「すごくキレイ!日本はすごい!」という印象で全面的にほめていた。

アメリカ人やイギリス人は、「たしかに、あのトレイはすごくキレイ」と賞賛しょうさんしつつも、「でも、あれはやり過ぎじゃない?」と冷ややかな感想も口にしていた。

アメリカ人やイギリス人からは、「過剰」や「いき過ぎ」といった批判的な意見が多くて驚いた。

 

正直言うと、ボクはこのトイレを見た外国人は、日本のサービスを絶賛することを期待していた。

「日本のトイレは信じられないぐらいキレイ!すごい!」なんて感心するんだろうな、なんていやらしい思惑おもわくがというか期待があった。

 

日本はサービス過剰だけど、シンプルなところはとことんシンプル。

 

外国人が日本で生活していると、母国と日本でのサービスの違いをよく感じるという。

アジア人や欧米人に共通して多かったのは、こんな感想。

「日本のサービスはすごいけど、これがすべて必要なの?」

あるアメリカ人は、日本のトイレで困ったらしい。

「日本のトイレには、ボタンがたくさんありすぎて何を押したらいいのか分からなかったよ。下手なボタンを押したら水が飛び出るだろ?いろいろな機能があるのはすごいけど、あのボタンはすべて必要なのか?オレにはもっとシンプルなものがいい」

こう考えている外国人はけっこう多いと思う。
サービスもあればいいってもんじゃない。

外国でのサービスは、日本人のボクからしたら物足りないと思うことがあるけど、必要最低限のものはある。

 

日本のサービスは外国のサービスとは違う。
日本のサービスは至れり尽くせりで、外国のサービスはシンプル。

至(いた)れり尽(つ)くせり

《「荘子」斉物論から》配慮が行き届いて、申し分がない。

デジタル大辞泉の解説

 

フランクフルト(ドイツ)を旅行したインド人は、このチケット販売機を見てこんな感想をFacebookに書いていた。

Frankfurt ticket vending machine. Germans can learn a thing or two from the Italians about simplicity.

ドイツ人は、イタリア人からシンプルさについて学んでもいい。
これと同じことは日本にも当てはまると思う。

 

「日本のサービスはすごい!」と思っても、それはただの自画自賛だったりする。
日本人向けのサービスが外国人にも通用するとかん違いすると、「ガラパゴス化」してしまう。

技術やサービスなどが日本市場で独自の進化をとげて、世界標準からかけ離れてしまうという現象が起こっています。このような現象は、生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象にたとえられて「ガラパゴス化」といわれています。

「ガラパゴス化」する日本

海外の空港から日本の家電メーカーの看板が消えてしまったのは、この「ガラパゴス化」が原因にあるはず。
外国人には、機能の多さや質の高さよりもシンプルさを求める人が多いと思う。

「サービスをやり過ぎない」ということもサービスになる。

 

おまけ

ミャンマーの市場。
日本でいうサービスの考え方はない。

 

 

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2 件のコメント

  • あれ?コメント失敗?

    お久しぶりです。
    私もシンプルなサービスが好きで日本のサービスは過剰で窮屈に感じています。

    でも、素晴らしいので誇りにしたいし褒められたいです笑

    海外に出るで当たり前の光景で窮屈さがわかりませんでしたが、今では東南アジアやアメリカの田舎町みたいな最低限の商売って感じの生活に憧れます

  • お久しぶりですね!
    コメントは承認制ですから、すぐには反映されません。失敗ではないです。すみません。
    長所は、見方や見る人が変われば短所になってしまいます。
    外国に行くことで、両方の視点を持てるといいですね。
    昨日の記事で書きましたけど、「箸置き」があるのは世界で日本だけです。
    これも、相手の気持ちをよ~く考えることから生まれたサービスや文化だと思います。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。