タイを旅行中、チップで大失敗。人生でもっとも高いトイレに。

 

前にtipのことを書いた。

tipを「チップ」と発音すると外国人には通じない。
それだと「chip(かけら)」に聞こえてしまう。

だからtipは「ティップ」と言うほうが良い。
そんな内容の記事。

日本人のカタカナ英語発音。注意したら良くなる「tipとsix」。

チップのことを書いていて思い出したことがある。
タイを旅行中、チップで大失敗をしてしまった。

 

 

タイってこんな国だ。

面積:51万4000平方キロメートル(日本の約1.4倍)
人口:6593万人(2010年)(日本の約半分)
宗教:仏教が94%でイスラム教が5%(タイの南部に集中している)
民族:大多数がタイ族。その他 華人,マレー族等(タイは日本と違って他民族国家)

データは外務省ホームページから。
タイ王国(Kingdom of Thailand)基礎データ

 

今から20年ほど前、ボクがまだ夢と希望に満ちていた大学生のころ、タイのバンコクを旅行した。

そのときはツアー旅行ではなくて、旅行会社に頼むのは飛行機のチケットだけというバックパッカー・スタイルでの旅行。

旅に必要な物は背中のバックパックにつめ込んで、後は自分で自分で何とかする。そんな感じの旅をしていた。

 

大学生だったから、当然お金はない。
「お金はない」といっても、「海外旅行なんて夢のまた夢」という現地の人からしたら、金持ちに見えたことは間違いない。

とにかく旅の座右のめいは「欲しがりません勝つまでは」で、節約第一のケチケチ旅行をしていた。
宿は一泊60バーツ(約180)円で、ご飯は10バーツ(約30円)のパッタイといいった具合。

パッタイというのはタイ風の焼きそば、
でも日本の焼きそばとは違う。
砂糖が入っていて甘い。

ムダな出費をおさえてタイを旅行していたとき、チップで大失敗をした。

 

今はなき、カオサン・トラベラーズ・ロッヂ

 

タイらしさを感じる犯罪

 

バンコクをぶらぶら歩いてると、急にトイレに行きたくなる。

近くにあったコンビニに入ってトイレを探したけれど、トイレがない。
それでも店員がそこにいるのだから、トイレはあるはず。
店員に聞いても英語が通じない。

そんなことをしているうちに、水位がどんどん上がってくる。
このまま洪水してしまう。
危険を感じてコンビニから出る。

次に入ったコンビニにもトイレがない。
「タイのコンビニには、トイレがないのか(←じつは正解)?」と思って歩いていると、高級ホテルを見つけた。

ここなら大丈夫!
急いでホテルのトイレに入った。

 

ホテルのトイレはすぐに見つかる。

トイレのドアを開けると、1人の男性が立っていた。

「なんだ、ただのヘンタイか」

と思ったけど、そうではない。
制服を着ている。
彼はこのホテルの従業員だった。

「なんでトイレに従業員がいるんだ?」

と不思議に思いながらも、小便器の前に立って水位を下げる。

背中に人の気配を感じながらするのは、あんまり良い気持ちではない。
しかも自分は宿泊客ではない。
トイレをタダで借りているだけだから、よけい気が引ける。

「手を洗ってさっさと出よう」

そう思って蛇口に手を伸ばすと、横から手が伸びてくる。
従業員の手だ。
そして彼はボクの手の上に自分の重ねると・・・、ということはなく、その従業員が蛇口をひねってくれた。

今まで、トイレで他人に蛇口をひねってもらった経験なんてない。
「サ、サンキュー」と、とまどいながら手を洗う。
蛇口を閉めるのはボクがやると、彼は手をふくためのフキンを持ってニコニコ立っている。
「運動部のマネージャーかよ」と思いながらも、「サンキュー」と言ってフキンをもらって手をふく。
ふきながら思った。

「これはチップを渡さないといけないだろうな。渡すべきなんだろう」

蛇口をひねってもらってフキンまで手渡してもらった。
しかもボクはここに泊まっていない。

タイでは公衆トイレも有料で、使用料として5バーツ(約15円)ぐらい払う。

「高級ホテルのトイレの場合、チップはいくらぐらいなんだ?」

さっぱり分からなかったけど、10バーツ(30円)を渡してトイレから出た。

 

今年は日本とタイにとって記念日すべき年

 

トイレを出てから気づいた。
何かおかしい。
ボクが渡したお札は赤くなかったか?

イヤな予感がしてサイフの中を見る。
予感的中。
100バーツ(約300円)札がない。
やられた!
↑いや、自分のせい。

 

トイレを無料で使ったうえにいろいろな世話までしてもらった。
かえって居心地が悪くなって、すぐそのトイレから出ようとする。
そうしたら、10バーツ札とまちがって100バーツ札を渡していた。

「もう一度戻って10バーツ札にかえようか?」

↑わりと本気で考えた。
でもそれはさすがに恥ずかしい。日本の恥というレベルだ。
で、泣く泣くあきらめた。

一泊60バーツ(約180)円の宿に泊まって10バーツ(約30円)の食事をしていた自分が、なんでトイレのチップで100(約300円)払わないといけないのか?
↑おまえがバカだから。

 

そして断腸だんちょうの思いでホテルを後にした。

断腸の思い

はらわたがちぎれるほど、悲しくつらい思い。
「断腸の思いで諦める」

デジタル大辞泉の解説

納得できなかったけど、これはぼったくられたワケでもない。
120%自分のミス。
タダでトイレを使おうとしたら、それまでの人生でもっとも高いトイレになってしまった。
*いまだに、これ以上払ったトイレはない。

 

空港のトイレは無料。
熱帯魚を前にして、ってのもビミョウ。

 

おまけ

バンコクのカオサンロード

 

 

こちらの記事もいかがですか?

東南アジア 「目次」

 

コメントを残す

ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。