横浜や台湾で有名。知っておきたい道教の神・媽祖とはどんな神様?

 

これが今までにボクが行ったことのある国と地域デス

 

I have been to the following countries:
Bangladesh, Burkina Faso, Cambodia, China, Egypt, Ghana, Hong Kong, India, Indonesia, Israel, Japan, Jordan, Laos, Malaysia, Mali, Myanmar, Nepal, Pakistan, Senegal, Singapore, South Korea, Sri Lanka, Syria, Taiwan, Thailand, Turkey, Vietnam, Yemen

こんな地図をつくりたかったら、こちらでどうぞ

Interactive Visited Countries Map

 

海外旅行歴は20年以上で、飛行機に乗った回数はきっと50回は越えている。
今までに本当にいろいろな人種や宗教の人を見たことがあるけれど、こんな乗客を見るのは初めてだ。
この珍客は人ではなくて、神様。
道教の神様で媽祖(まそ)という。

最近、この媽祖が中国からマレーシアのクアラルンプールまで運ばれた。
そのときの写真は下のBBCの記事で見てほしい。
著作権の関係でここには載せられないのですよ。

道教の神様、飛行機で海外訪問 席はビジネスクラス

 

媽祖像

これが今、中国のSNSで話題を集めているという。

ちなみにこの席はビジネスクラス。
神様でもファーストクラスには乗れないとは!

 

道教という宗教を聞いたことがありますか?

中国にむかしからある宗教で、日本の神道と同じ民族宗教になる。

日本人は仏教を受け入れたけど、道教は取り入れなかった。
唐の玄宗皇帝が遣唐使だった空海に道教を日本に伝えるようにすすめたけど、空海はそれを断った。
司馬遼太郎氏の「空海の風景」でそんな場面があったような気がする。

当時の日本人は、唐にあるもすべてを日本に持ってこようとしたわけではない。
日本に必要なものだけを選んで受け入れていた。
道教はその中にはふくまれていなかったということ。

でも道教は、日本独自の思想である陰陽道に影響をあたえている。

 

 

三国志が好きな人なら、五斗米道が頭に浮かぶかもしれない。
あれが道教になる。

道教

後漢末の太平道や五斗米道から道教の組織化が始まり、北魏の寇謙之によって教団(新天師道)が形成された。

「世界史用語集(山川出版)」

 

この道教でとても人気がある神様が、媽祖(まそ)という神様。
ビジネスクラスでマレーシアへ行った神様。
この媽祖という神様は中国・台湾・香港でとても有名だから、この神様のことは知っておいたほうがいい。

中国や台湾には媽祖をまつる寺がたくさんある。

 

海外だけではなくて、日本にも媽祖をまつる寺院がいくつかある。
特に横浜中華街にある媽祖をまつる道教のお寺は有名だ。
横浜中華街に行ったらこのお寺にも行くと思う。
長崎の中華街では、「媽祖行列」というイベントがおこなわれいる。

だから媽祖という名前は知らなくても、「じつは見たことがあった」という人はけっこう多いと思う。

ボクも今までにいろいろな国で媽祖を見たり媽祖の話を聞いたりしたから、この神様の名前は自然に覚えてしまった。
媽祖はいつかどこかで出会う可能性が高い。
だから、この神様のことは知っておいて損はない。

香港にある媽祖をまつる「ティンハウ廟」も有名。

 

媽祖という神様は、もともとは人間だった。
960年(宋の時代)に生まれた中国の女性が死後、媽祖という神になる。

後に神となるような人間は始まりが違う。
生まれてから1ヵ月の間、泣き声をあげなかったため「林黙娘(りんもうにゃん)」という名前がつけられた。

この林黙娘は信仰心があつく、10歳のころには朝晩必ず念仏をとなえていたという。
そして16歳になたとき、神からある教えと銅製の札をもらう。
このへんは伝説も混じっていると思う。

「林黙娘(りんもうにゃん)」は神からあたえられた不思議な力で、人々の病気を治したりいろいろな災いから人々を守ったりしていたという。
そして死後、人々は「林黙娘(りんもうにゃん)」を海の神としてまつるようになった。

それが道教の神・媽祖になる。

 

 

中国の道教と日本の神道には共通点がある。
それは、人を神にすることができるという点。

道鏡では、林黙娘(りんもうにゃん)という人間が媽祖(まそ)という神になった。
他に、宋の武将である岳飛(がくひ)も死後、神になっている。

神道では菅原道真や徳川家康なんかが死後、神になっている。

 

岳飛

 

媽祖は海の神ということで、むかしから船乗りにとても人気がある。
船乗りは安全な航海ができるように媽祖に祈っていた。

だから、台湾や中国の沿岸部には媽祖をまつる廟がつくられるようになる。

台湾や中国の船乗りが媽祖信仰をいろいろなところに広めた結果、今では世界中で媽祖がまつられている。
横浜中華街のホームページによると、その国は26カ国にも及ぶという。

一部の統計では、現在世界には媽祖廟は、26か国1500余か所の地区に及んでおり、媽祖さまを祀る人々は2億人といわれています。台湾だけでも媽祖廟は八百余か所、媽祖さまを祀る人々は千五百万人、日々参拝する人々が絶えることはありません。

媽祖の由来

これを読んでいる人も、いつかどこかで媽祖を見かけるんじゃないかな?

 

おまけ

台湾の行天宮という道教のお寺

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。