多文化共生・ヨーロッパのいろんな「失敗」。さて、日本は?

 

はじめの一言

「顔をふく手拭いでさえも、午後のお茶用のナプキンに使えるほど美しいし、彼らの着物は。優雅で芸術的で着心地がよくできています(アリス 明治時代)」

「日本絶賛語録 小学館」

 

 

今回の内容

・ヨーロッパの「失敗」
・「移民は、日本にいらない!」。じゃ、どうするの?

 

・ヨーロッパの「失敗」

ヨーロッパの移民対策が、うまくはいっていないのは事実だけどね。
ちょっと、ここ数年の移民についてのヨーロッパでの出来事や動きを、書いてみますね。

 

・ドイツ

2010年、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が「多文化主義は完全に失敗した」と発言し、物議を醸した。

(ウィキペディア)

 

去年2015年の大みそかには、ドイツ人の女性が移民から集団で暴行される事件が起きて、多くのドイツ人を激怒させた。
1月6日に行われた反移民デモでは、1万8000人が参加したとAFPが報じている(2015年1月6日 )。

ドイツ東部ドレスデン(Dresden)で5日、右派ポピュリスト団体が毎週行っている反移民デモに、過去最多の1万8000人が参加した。

反移民デモ台頭で溝深まるドイツ、名所で「抗議の消灯」も

 

・イギリス

2011年2月にデーヴィッド・キャメロン首相は「国としての多文化主義は失敗した」と公式に発言した

(ウィキペディア)

今月23日には、「イギリスはEUから出るべきか、とどまるべきか」を問う国民投票が行われる。
この大きな争点は、「移民(外国人)問題」だ。

 

友人のイギリス人の家族のように、「イギリスに来る移民は減らした方がいい」と考えていてる人は、EUから脱退することを望んでいる。
ウィキペディアにも、こうある。

司法大臣マイケル・ゴーブは、英国はEUを離脱し移民の数をコントロールすべきと考えている。

(ウィキペディア)

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・フランス

今、フランスでは、「フランスに移民はいらない」と主張する「国民戦線 (フランス)」という極右政党が支持を伸ばしている。

2015年11月に起きたパリ同時多発テロ事件の直後となる、2015年12月6日に実施されたフランスの州議会議員選挙(比例代表2回投票制)では、国民戦線は「反移民」をスローガンに掲げ、テロへの不安を背景に支持を取り込んだ。

(ウィキペディア)

去年の「パリ同時多発テロ事件」は、日本でも大きく報道された。
正直、あれが日本で起こったらたまらない。

でも、このテロ事件が起こる前から、「移民はいらない」と主張していた国民戦線の支持は伸びていた。
とはいえ、すべての移民を受け入れないわけではない。
移民であっても、「フランスの良き理解者」であればかまわないらしい。

「国民戦線 (フランス)」

フランス人至上主義を掲げ黒人やイスラム系の移民排斥(ただし、フランスの文化を尊重する移民は拒まない)を唱えている。

(ウィキペディア)

 

・オーストリア

オーストリアでは、今年(2016年)、「EU初の極右大統領」が誕生する寸前だった。

オーストリアでは、5月に大統領を決める決選投票が行われた。
このとき、「左派・緑の党」の候補者が、わずかな差で「極右・自由党」の候補者を破って大統領になっている。
国民の約半数の支持を集めたこの自由党も、「反移民」を主張していた。

自由党は移民排斥や難民の流入に反対する主張を掲げて支持を集めていた。

(ニューズウィーク 2016/06/07)

ここ数年のヨーロッパの動きを見ていると、現時点では、移民政策は「うまくいかった」としか思えない。
「失敗した」と言われても仕方がなく、今は、各国がそれまでの移民政策の大幅な修正を迫られている。
ただ、「現時点では」ということで、移民政策を修正して数年すれば、成功しているかもしれない。

 

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・「移民は、日本にいらない!」。じゃ、どうするの?

今の日本では、ヨーロッパのこうした流れを見て、日本の「毎年20万人の移民受け入れ 政府が本格検討開始(産経新聞2014.3.13 )」という動きを不安視する人が増えている。
というか、ボクも不安にはなる。

 

ネットでは、「日本も移民が来たら、日本もいずれヨーロッパのようになる」と予言するページがいくつもある。
でも、移民が来なくても、日本は困ってしまう。

「移民は、日本にいらない!」は、いいけど、じゃ、「2030年、実に人口の1/3近くが65歳以上の高齢者になる」という現実には、どう対応するのか?

 このような労働力人口の減少に対する方策は、すでにさまざまなところで議論されている。
最も盛んに議論されているのは、少子化対策、出産・育児で職場を離れる30~40代女性の活用、高齢者の活用、そして外国からの移民の受け入れである。

(株式会社リクルートマネジメントソリューションズの
研究開発部門「組織行動研究所」内の「2030 Work Style Project」)

「少子化対策、出産・育児で職場を離れる30~40代女性の活用」は、うまくいっているとは思えない。
女性の活用については、「日本死ね」とか言われる状態だしね。
老人に「もっと働いてもらう」のはいいけど、それで解決するなら、始めから悩む問題でもないでしょ。
「高齢者の活用」の「活用」って言葉が、ちょっとひどい気がするけどね。

 

日本人だけでは問題を解決できないなら、移民(外国人労働者)に頼ってもいいんじゃないの?
少なくても、有力な選択肢の一つにはなるはず。
だから、政府は、「毎年20万人受け入れ」の本格的な検討を始めたんだろうし。

続く。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。