日本よ、これが韓国の伝統文化だ。国楽と雅楽の共通点・陶磁器

 

はじめの一言

*大鳥氏は、大鳥圭介のこと

「一八九四年七月、大鳥氏は官報を鮮明な活版印刷で発行するという有益な刷新を行った。そして翌年一月には漢字と〔無知な者の文字〕とされていた文〔ハングル〕の混合体が官報に用いられ、一般庶民にも読めるようになった。
(イザベラ・バード 明治時代)」

「朝鮮紀行 イザベラ・バード (講談社学術文庫)」

 

 

今回の内容

・韓国の伝統文化
・陶磁器
・「伝統音楽」韓国の国楽と日本の雅楽

 

まずは韓国の伝統音楽がお聴きください。
これが今回のテーマでもあります。

 

・韓国の伝統文化

前回は、日本にある老舗や家元について書いた。
日本の伝統文化が発展した理由には、こうした存在がある。

もちろん、「老舗や家元がなかったら伝統文化は生まれない」ということはない。
そんな極端なことをいったら、「日本以外は伝統文化が生まれない」なんてことにもなりかねない。

さらには、「日本だけがすごい!」になってしまうとさすがにそれはマズイ。

日本と韓国の伝統文化のちがいを考えたとき、「文化の伝え方のちがい」ということがあると思う。
日本は家元制度によって、代々にわたって文化を伝えてきた。

家元がないといわれる韓国では、どうやって伝統文化を伝えてきたのか?

 

このことに興味があってちょっと調べてみたので、そのことを今回と次回に分けて書いていきます。

 

 

「韓国にはどんな伝統文化があるのだろう?」

そう思って「韓国 伝統文化」でググってみる。
すると、

「韓国 伝統文化 ない」
「韓国 伝統文化 捏造」

という文字が出てきて驚いた。
まあこれが今の日本の空気なんだろう。

もちろんそんなことはない。
韓国には優れた伝統文化がある。

それを「韓国観光公社」のサイトから見みよう。
この旅行情報サイトは韓国政府も運営にかかわっている。
だから韓国が、国として「外国人に知ってもらいたい韓国の姿」というものが分かる。

このサイトの「文化」のページには、上から順に「陶磁器」「伝統音楽」「伝統舞踊」「伝統衣装:韓服」「ハンスタイル」という項目がある。
ここですべてを取り上げるのはムリ。
だからこの記事では、この中の1番目と2番目にある陶磁器と伝統音楽を取り上げてみたい。

 

 

・陶磁器

「陶磁器」では、「高麗青磁(こうらいせいじ)」が取り上げられている。
「やっぱり」という気はした。

高麗(918-1392)

王建が建国した朝鮮の王朝。高句麗の継承を意識して高麗と称し、936年に朝鮮半島を統一した。

(世界史用語集 山川出版)

韓国の英語の国名「Korea (コリア)」は、この高麗からきている。

 

で、その高麗青磁とはどんなものか?

陶磁器の表面に彫細工を入れた後そこに他の材料を練りこんで模様を出すという象嵌技法で作った高麗青磁は陶磁器芸術の最高峰として考えられています

(韓国観光公社)

これを見たときも、「う~ん、やっぱりなあ」と思ってしまった。

中国のことをまったく書いていない。
高麗青磁は中国の影響を強くうけている。

「宋の青磁に影響を受けて作られはじめ(世界史用語集 山川出版)」というぐあい。
韓国は「中国の影響をうけた」ということを、あんまり書きたがらない。

 

 

この高麗青磁は「韓国の自慢」らしく、中学生用の歴史教科書にはこのように書いてある。

高麗青磁は明るい秋空を浮き上がらせる透明できれいな色である

「躍動する韓国の歴史 明石書店」

そして、高麗青磁に続いて登場するのが「朝鮮白磁」。
「朝鮮」とは、李成桂(りせいけい)が高麗を倒して建国した王朝(1392~1910)のこと。

ちなみに朝鮮が成立した1392年という年に、日本では足利義満が南北朝を統一している。
だから1392年というのは、日本にとってもだいじな年になる。

この朝鮮時代には、青磁にかわって白磁がさかんにつくられるようになった。

またその後高麗に続き朝鮮時代(1392-1910)には表面が白色である白磁と粉青沙器が主流となり陶磁器文化を発展させました。

(韓国観光公社)

ただこの朝鮮白磁については、韓国の中学生の歴史教科書には書いていない。
世界史用語集にもない。
韓国の伝統文化にとっては、高麗青磁ほど重要ではないのかもしれない。

 

 

・「伝統音楽」韓国の国楽と日本の雅楽

続いて韓国の伝統音楽について。
韓国の伝統音楽は「国楽(クガク)」と呼ばれるもので、「韓国観光公社」にはこのようにある。

・韓国固有の音階とリズムを持ち、主に宮中行事に演奏された音楽が広く「国楽(クガク)」と呼ばれるもの。

・朝鮮時代(1392-1910)初・中期には宮中音楽が、後期には民俗音楽が発達しました。宮中音楽である雅楽は、宮中儀礼に関する宴会などに使われるもので、王を称賛する内容が多くありました。

(韓国観光公社)

昌徳宮ライトアップ (3)

これがソウルの王宮で行われた国楽(たぶん)

 

この「国楽」は、15世紀ごろに完成したといわれている。
韓国の中学生用の歴史教科書には、この国楽について書いていない。
ボクが見落としたかも。

高校生用の歴史教科書には、このように紹介されている。

・音楽は国家の各種儀礼と不可分の関係にある。

「韓国の歴史 (明石書店)」

朝鮮の朝廷で儀式があったときには、「宮中音楽」がおこなわれていた。

この「宮中音楽」は朝鮮王朝が保護していた。
「保護してきた」というのは、簡単にいったら朝廷が楽器を用意したり演奏家に給料を出したりしていたということ。

これはまさに、日本の「雅楽(ががく)」に当たる。

日本には上代から神楽(かぐら)歌・大和歌・久米(くめ)歌などがあり,これに伴う簡素な舞もありましたが,5世紀頃から古代アジア大陸諸国の音楽と舞が仏教文化の渡来と前後して中国や朝鮮半島から日本に伝わってきました。

雅楽は,これらが融合してできた芸術で,ほぼ10世紀に完成し,皇室の保護の下に伝承されて来たものです。
ほぼ10世紀に完成し,皇室の保護の下に伝承されて来たものです

宮内庁 雅楽

日本には天皇がいて朝鮮には国王がいたのだから、日韓には「宮中」がある。
「宮中音楽」があることも共通している。

ちなみに、インドネシアの「ガムラン」も宮廷音楽だった。

 

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京都御所(額の文字は、空海が書いたらしい!)

 

ただ日本と韓国の最大のちがいは、日本には今なお天皇がいるということ。
だから雅楽は、宮中音楽として「現役中」ということになる。

「雅楽は,宮中の儀式,饗宴,春・秋の園遊会などの行事の際に演奏されています。

(宮内庁 雅楽)」

韓国(朝鮮)にはもう国王はいない。
だから、「宮中音楽」としての役割は終えている。

現在では、王の代わりに多くの観光客を楽しませている。
先ほどの写真みたいね。

 

ちなみに日本の雅楽が、ユネスコの無形文化遺産に登録されていることは知っていましたか?

宮内庁楽部の演奏する雅楽は,平成21年,ユネスコ無形文化遺産保護条約「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載決議がなされ,これにより,今後伝承されていくべき我が国の伝統文化として,我が国のみならず国際的にも認知され,歴史的,芸術的にも世界的価値を有することとなりました。

(宮内庁 雅楽)

さて、今回は韓国にある伝統文化の紹介で終わり。

次回は、「これらがどのようにして伝えられてきたか?」ということについて書いていきます。
これも日本と韓国とでは、大きくちがう。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。