慰安婦問題:福沢諭吉が今の韓国を見たら、きっとまた怒る。

 

明治時代、福沢諭吉が隣人に怒っていた。

道義仁義を口にしながら、偽君子の巣窟にして、一人として信を置くに足るものなきは、吾輩の年来の経験なり。背信違約は彼らの持ち前なれば、朝鮮人相手の約束は最初から無効と覚悟して、事実上の実を収むる外なし。
対朝鮮の覚悟は右の外ならんとして

「福沢諭吉と朝鮮 時事新報社説を中心に (彩流社) 杵淵信雄」

これは100年以上前の文章だから、いまの日本の常識とは合わないような表現もある。
現在の感覚から福沢諭吉について、善悪の判断することはやめよう。 2017年の価値観で明治の人間を裁いてもまったく意味がない。

 

でも今の日本には、この福沢諭吉の気持ちに共感したくなる人は多いはず。
そう思われても仕方ないことを韓国はしている。

今回は慰安婦問題に関することで、最近の韓国の動きについて書いていきたい。
ここでは、韓国の鄭鉉栢(チョン・ヒョンベク)女性家族相の言葉をとり上げる。

 

*福沢諭吉が朝鮮人に対して、なんで「一人として信を置くに足るものなきは、吾輩の年来の経験なり」と言ったのか?
それには、それなりの理由がある。
「福沢諭吉は朝鮮人を蔑視していたから」なんて簡単には片づけられないことがあった。

そもそも福沢諭吉が「もう一人も信用できない」と思ったのは、朝鮮人を信じていたからだ。
福沢の信頼を裏切るようなことを当時の朝鮮人はしていた。

でもそのことは今回の内容には関係がないから、興味があったら上の本を読んでほしい。

 

韓国の女性相の言葉を紹介する前に、「慰安婦問題は今どうなっているのか?」ということを確認しておこう。

2015年に、日本と韓国は慰安婦問題について「最終的に不可逆的に解決した」ということで合意した。

この合意にもとづいて、日本では安倍首相が心からのお詫びを表明して、韓国側に10億円をわたしている。
日韓合意で日本がしなければならないことは、これがすべて。
日本は韓国との約束を守って行動している。

 

今度は韓国の番だ。
合意にもとづいて、韓国は日本大使館前に置かれた慰安婦像を撤去する必要がある。
でも韓国はいまだにそれをしていない。
慰安婦像を1ミリも動かしていない。

「それでも日本は韓国を信じて、慰安婦像を動かすのを待ち続けている」というのが現状だ。

 

でも最近の韓国は、そんな日本の信頼を裏切るようなことばかりしている。

特に女性家族相の言葉にはあきれた。

日韓合意について、「もう一度、協議せねばならないと考えている」と言っている。
後になってそういうことを言い出さないために、日韓両政府が「最終的かつ不可逆的な解決」を確認したはず。

国と国が約束したことを、なんでそんなに簡単に破ることができると考えるのか?
日本は「日韓合意を堅持する」という立場だから、その言葉には反応していない。
アメリカも日本と同じ。
韓国が合意を守ることを望んでいる。

 

これは日本政府だけではない。
野党の蓮舫氏も、韓国に対して日韓合意を守るように言っている。

「不可逆的な(慰安婦問題をめぐる日韓)合意を守っていない。極めて遺憾だ」と韓国側の対応を批判した。東京都内で記者団に語った。

民進党の蓮舫代表「日韓合意守れ」「許せない話」 米2例目の慰安婦像設置に反発 

 

この女性相がしたのはそれだけではない。
ソウルに「慰安婦博物館」を建設する方針を明らかにした。

今韓国がしなくてはいけないことはひとつ。
日韓合意にもとづいて、慰安婦像を撤去すること。
像は動かさないで、慰安婦の博物館を立てようとしている。
日本はとことん無視されている。

 

女性相の暴走は止まらない。
韓国では、慰安婦の関連資料がユネスコ世界記憶遺産に登録されるように、民間団体が活動をすすめていた。
女性相は、国としてそれを支援すると明言した。

「国立の慰安婦博物館の計画」と「慰安婦資料の記憶遺産登録を支援」という2つの動きは、明らかな合意違反。
日本政府(菅官房長官)もそれを非難している。

産経新聞の社説(2017.7.17)から。

今回の発言は「国連など国際社会において、互いに非難・批判することは控える」との合意をほごにする、明らかな違反である。
菅義偉官房長官は「加盟国間の友好と相互理解促進というユネスコ設立の趣旨と目的に反しかねない」と批判した。ユネスコの政治利用は許されないのも当然だ。

慰安婦資料の世界記憶遺産登録支援を表明した韓国の女性家族相 「反日宣伝」が仕事なのか

 

日本は韓国を信頼して合意を結んだはず。

その合意について、日本は先に約束を守って行動した。
今は、韓国を信じて待ち続けている。

個人的に、日韓が慰安婦問題の解決で合意したことはうれしかった。
あれで慰安婦問題は実質的に終わったと考えている。
後は韓国が合意を守って行動するのを見守るだけ。

そう思っているのだけど、最近の韓国の動きを見ているとがっかりすることが多い。
日本の韓国への信頼を裏切ることばかりをしている。

 

福沢諭吉が今の韓国を見ていたら、こう言うかもしれない。

道義仁義を口にしながら、偽君子の巣窟にして、一人として信を置くに足るものなきは、吾輩の年来の経験なり。背信違約は彼らの持ち前なれば、韓国人相手の約束は最初から無効と覚悟して、事実上の実を収むる外なし。
対韓国の覚悟は右の外ならんとして

平成の現在でも、「韓国はきっと約束を守ってくれる」と思っている人ほど、今の韓国にはがっかりしているはず。
「韓国はきっと裏切る」とはじめから考えていたら、落胆することはないから。
「やっぱりな」と思うだけのこと。

今の日本や韓国を見ていると、福沢諭吉の言葉に共感を覚える人が出てきてもおかしくはない。
でもそうなる前に、韓国は合意を守って慰安婦像を動かしてくれると信じたい。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。