日本人が海外旅行で差別を受けたら、抗議より公開しちゃえ。

 

世界での日本人の評判は悪くない。
いや、そこそこいいかもしれない。

じつを言うと、世界のなかで日本人の印象はかなりいい。
BBC(英国放送協会)が発表する「世界に良い影響を与える国」で、日本はここ数年、世界のベスト5に入っている。

ちょっと古いけどExpediaの調査では、世界最良の観光客(ベストツーリスト)に、3年連続で日本人が選ばれている。

日本人は「行儀の良さ(その国のマナーや一般的なエチケットを守る)」「礼儀正しい」、「部屋をきれいに使う」、「騒がしくない」、「不平が少ない」の項目において1位に選ばれた

くわしくはこの記事を↓

「世界ベストツーリスト」の日本人が、外国でしてはいけないこと。

 

でも残念ながら海外には、「日本人なら出て行け!」というレストランや「日本人はお断り!」というホテルがある。
前回、そんな日本人への差別行為について書いた。

ボクは海外旅行歴20年以上だけど、一度もそんな経験はない。
日本人が海外旅行でそんな差別を受けるというのはまず考えられない。

でも、世の中悪いヤツも人種差別主義者もいる。
海外旅行でひどい目にあう可能性はある。

そんなときは、抗議するよりもそれを公開することを考えたほうがいい。
日本人の場合、「英語で外国人に抗議するというのが苦手」という人が多い。
それよりも、動画や画像を撮ってそれを公開することのほうがハードルが低い。
実際、それはとても有効。

 

タクシーに「打倒小日帝」と書いてある。
でもこれが反日かというと、そうともいえない。

 

前回に書いたけど、日本人の旅行者が中国のホテルで、「日本人を泊めることはできない」と露骨な差別を受けてしまった。
今の世界でこんなことは間違いなくアウト。

今年(2017年)アメリカで、「人種を理由にして宿泊を拒否された」ということが発覚して大問題になった。

AirBnB(エアービーアンドビー)のホストが客の宿泊を突然キャンセルしてしまう。
その理由は、「おまえはアジア人だから」。

キャンセルされたアジア系アメリカ人がホストとのやり取りを公開している。

画像は下のユーチューブのキャプチャー

 

ホストは宿泊拒否の理由を、「One word says it all.Asian(たった一言ですむ。アジア人だから)」と書いている。
このホストはこの後どうなったか?

AirBnBから永久追放されている。

でも、それだけでは終わらない。
BBCのニュース(2017年07月14日)によると、このホストには約57万円の罰金と「歴史を学ぶこと」が課せられた。

米民泊仲介サイトのを通じて予約したアジア系米国人女性に、「アジア人」を理由に利用を拒否した家主に対して、カリフォルニア州は同社と協議の上で、罰金5000ドル(約57万円)とアジア系米国人の歴史の講習受講を命じた。

アジア人の宿泊拒否 AirBnB民泊ホストに罰金5000ドル

人種差別をするような人間には、「歴史を学ばせる」ということが必要らしい。

 

これがそのアジア系アメリカ人が公開した動画。

 

くり返しになるけど、ボクは今までの海外旅行で「日本人だから」という理由で差別を受けたり不愉快な経験をしたりしたことはない。
「打倒小日帝」と書いてあるタクシーなんて、大したことではない。

ほとんどの日本人なら、海外旅行で人種差別やそれと同じぐらい不愉快な思いをすることはない。
きっと問題なく楽しく旅行できる。

もし海外でそういうことが起きたら、先ほどのアメリカ人のようにそれを記録して公開したほうがいい。
自分の泣き顔を全世界に公開するというのは、かなりの勇気が必要になる。
でも彼女はそれをやったから、世界の人たちを動かすことができた。
そして、人種差別主義者はそれなりの制裁を受けることになった。

 

日本人の悪いところで、「主張しない」ということがある。
これは何十年も前から言われていることで、もう変わることがない国民性だろう。

たとえば、韓国の日本大使館の職員だった人は日本人と韓国人を比べてこう言っている。

韓国人の自己主張ははっきりしていますから、韓国人が日本人を見れば明らかにそう見えると思います。
「何を考えているかわからない」というのは、日本人に対する不信感にもつながる場合があり得ます。

「つきあいきれない韓国人 (渡辺晶平)」

 

また、社会学者で評論家の小室直樹氏もこう書いている。

一言も反論しようとしない。これでは相手が困ってしまう。韓国でも中国でも欧米でも、右のような態度をとると、この喧嘩、こっちが負けました、という意味でとられる。
(中略)日本人みたいに何も言わない、反論しないとなると、こっちの言っていることに、この日本人は賛成なのか反対なのか、それどころか、自分の言っていることが正確に伝わっていないのか、それすらわからない。

「韓国の悲劇 (小室直樹)」

 

それでもふつうの日本人にとって、外国人に英語で抗議するというのはかなりハードルが高い。

その場で抗議することができなくても、何とかそれを記録に残して公開してほしい。
抗議ではなくて公開のほうが、多くの日本人にメリットがある。

「そんな値段で買ったら、それが日本人料金になるだろ!それだと、これからの日本人が迷惑するんだよ!」とかいう旅行者の言うことは無視してもいい。
そんな言葉に意味はないから。

けど何かあったら、泣き寝入りしないで抵抗してほしい。

 

おまけ

タイのカオサンロード

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。