20年前の旅との違い。現実の旅とネット上での旅とのギャップ

 

同じ人間でも、写真の撮り方でまったく別人のように見える。

そんな画像が海外で話題になっている。
まずはその写真を見てほしい。

Instagram vs real life If I saw the photo on the left a year ago I would’ve instantly thought so negatively about my body, that all my hard work from working out was non existent, that if someone looked at me they would’ve never thought I’ve been working out for 2 years and think I wasn’t trying hard enough. But the thing is is that all bodies look different. Nobody’s booty looks round and peachy from all angles. Nobody’s body looks the same from all angles. Don’t eat less or miss out on your favorite meals/drinks or over exercise to “look good for a holiday” or to “look good in bikini photos” because there will always be angles that are “unflattering” that might make you feel bad when you see them. Instead workout and eat healthy because it makes you feel good, not as a punishment. Start loving and accepting your body at all angles with all your “flaws”, instead of trying to fit into societies image of ‘beauty’ because that image isn’t inclusive of all individuals, which is so messed up. Don’t hate yourself just because of bad photos, they do not define you as a person. You look the best when you’re living life to the fullest and happiest. There’s no point in missing out on things and stressing yourself out so much. Life isn’t meant to be a competition on who can look the best and we should normalize not having to “look perfect” all the time because it’s a ridiculous concept. You are perfect the way you are —————————————— . . . #instagramvsreallife #beforeandafter #lawofattraction #bodypositive #bekindtoyourself #lifeisgreat #dowhatyoulove #veganbooty #youareenough #progressnotperfection #bodyimage #vegansofig #girlswhoworkout #selflove #youarebeautiful #veganfitness #loa #fitnessjourney #bopo #bodyacceptance #bodyconfidence #effyourbeautystandards #bepresent #justbe #moderation #balanceddiet #staypositive #thinkpositive

Sara Puhtoさん(@saggysara)がシェアした投稿 –


インスタグラムと現実
画像を加工するアプリを使ってはいない。

この人はサラという20歳の女性で、Health Bloggerをしている。
Health Bloggerというのだから、健康的な生活をブログで提案しているのだろう。

このサラさんが、現実とネットでの姿をどれだけ変えることができるのかを画像でしめしている。
加工アプリは使わない。
角度を変えることと息を吸ってお腹をへこませるだけ。

「Boredpanda」の記事には、同じ人物だとは信じられないと書いてある。

Sara Puhto, a 20-year-old body-positive Finish blogger, shares side-by-side pics revealing how much an angle or sucking your tummy in could change in a pic. In every single one of her pics, you can see a striking difference, making it hard to believe they’re the same girl at the same time. “

Health Blogger Reveals The Reality Behind Instagram Pics

角度を変えたりお腹をへこませたりすることだけで、どれだけの違いを生み出せるのか?

サラさんの写真を見てみよう。

Sitting down and sucking in vs relaxing Anyone else have those times when you’re sitting and feel your tummy touch your legs and think that nobody else has this problem? I always used to suck my tummy in when I sat down or posed for photos because I felt like people would judge me for the way my body looks relaxed. Still to this day I sometimes find myself sucking in uncomfortably because I have conditioned myself to do it my whole life. But in reality we all have some degree of fat on our tummies. We are meant to have fat on our tummies. It’s there to protect vital organs. Next time you feel like this, thank your tummy for keeping you safe and looking cute!!! Cause there is nothing wrong with this. It is completely normal for your skin/tummy to look like this and make folds, rolls or mush into a bunch!! You are perfectly human and you’re amazing. Don’t let a thing like this ruin how you view and feel about your body. —————————————— . . . #bellyfat #flattummy #loveyourbody #bodyimage #bopo #allbodiesaregoodbodies #bodydiversity #selfacceptance

Sara Puhtoさん(@saggysara)がシェアした投稿 –

この画像を公開することで、「ネットで目にするものすべてを、本物だと信じてはいけない」ということを伝えている。

While fit models and round booties are taking over Instagram, this blogger is trying to show the world that you shouldn’t believe everything you see online.

20年前のバックパッカーの旅と今のバックパッカーの旅の違いも、本質的にはこれと同じ。

「本当の旅とネットで見る旅には違いがある」ということ。

 

20年前と今の旅とを比べた場合、もっとも大きな違いはインターネットの存在だ。

20年間の旅にそんなものはなかった。
でも今のバックパッカーでインターネットを使わない人はまずいない。
インターネットを使って、自分の旅をブログやインスタグラムで公開することは当たり前になっている。

そうなると、インターネット上での旅と実際のその人の旅との間に、違いが出てくることもある。

 

数年前にこんなことがあった。

タイのバンコクの宿で出会った日本人のバックパッカー4人でお酒を飲むことになる。
ぼくだけ30代であとは20代の日本人というメンバー。

このときの飲み会は特別もり上がったというわけではないけど、まあふつうに楽しかった。
バックパッカーの旅でよくあるような旅話をする。

ただこの中にひとり、あまり楽しくなそうな人がいた。
口数は少ないし、他の人の旅話に興味をしめす様子もない。
1時間もしないうちに、「ボクは部屋に戻ります」と言ってその場を離れてしまう。

そんな彼に、「あの人、調子良くないんですかね?」なんて言う人もいた。
ただ、部屋に戻る前に全員で写真をとって連絡先を交換していた。

 

次の日、フェイスブックで彼の投稿を見て驚く。

昨日とはうって変わって、彼が笑顔で写真に写っている。
テーブルの上にはビールやおつまみがあって、その後ろに楽しそうな旅人が笑顔でならんでいる。

その写真といっしょに、彼のこんな感じのコメントがあった。
「昨日はバックパッカーと旅人トークを楽しみました。いろいろな話を聞けてともて良かったです。貴重な出会いに感謝です。ありがとうございました」

昨日の彼とネットの彼とはあまりにギャップがある。
あんまり楽しんでいる様子には見えなかったけど、じつは楽しんでいたのかもしれない。
それを考えても、この投稿で見る彼と本当の彼との違いは大きすぎた。
この投稿を見た彼の知人や友人は、「旅を楽しんでるね」「良い旅してるな」といったコメントをしている。

その笑顔は昨日見せれば良かったのに。
「ありがとうございました」という言葉も、ネット上ではなくてあの場で言ったほうが良かったと思う。

 

この例は極端だとしても、旅行ブロにグにはこんな傾向があると思う。
でもこれは旅行ブログだけではない。

この記事のはじめで紹介した女性と同じで、インターネット上で見せるものと現実が違っていることはよくある。
むしろ、ネットと現実がまったく同じというほうが珍しい。

もちろん、これが悪いということはない。
自分も彼と同じ時代に生まれていたら、同じことをしていたと思う。
ここまでの違いをつくるのかは分からないけど。

でも彼の投稿を見て、「こんなことは20年前の旅ではあり得なかったなあ」とは思った。

 

旅行ブログを見ていると、実際の旅とネットで見せる旅との違いに本人が苦しんでいる場合もある。

自分の旅をネットで伝えているつもりが、ネットで見せる旅に自分の旅が引っ張られてしまう。
「ネットで見てくれる人に楽しんでもらいたい!」という変な使命感がプレッシャーになる。

自分旅のためのブログが、ブログのための旅になっている。
いつの間にか主客が転倒してしまった。
サービス精神がある人ほどこういうことになりやすい。

これでは自分のために旅をしているのか、ネットで他人に見せるために旅をしているのかが分からなくなってしまう。
それで旅ブログをやめてしまった、という人もいた。

こういうバックパッカーは20年前にはいなかったし、そんな旅人が出現することも想像できなかった。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。