海外のバックパッカー「違法バスキングの旅」はダメ。痛い目見るよ。

 

「バックパッカー」という言葉は知っていた。
大きなバッグを背負って世界中を旅する人のこと。
ボクもしていた。

 

でも「ベッグパッカー」という言葉は知らなかった。
つい最近、この言葉を初めて見た。

「ベッグ」とは「物ごいをする」という意味で、物ごいをして資金をかせぎながら旅をしている人のことをベッグパッカーというらしい。

 

METROという海外メディアがツイートを引用しながら、そんなベッグパッカーたちの様子を伝えている。

 

このベッグパッカーには物乞いだけではなくて、路上で楽器を弾いたり歌ったりしてお金をかせぐバックパッカーもふくまれている。

これがメトロ紙の記事(12 Apr 2017)

The Western backpackers – who have been branded ‘beg-packers’ on social media – have been singing in the streets and even selling postcards in a bid to fund their trips.

‘Beg-packers’ are begging on the streets to fund round-the-world travels

「アジアを金なしで旅しています。わたしの旅を支援してください」書いたボードを持って立っている人がいる。
日本人のようにも見える。

 

 

路上で歌や大道芸といったパフォーマンスを見せて、お金をかせぎながら旅をしている人のことは何度か聞いことがある。
そうした行為をバスキングといって、バスキングをおこなう人たちはバスカ―と呼ばれている。

バスキングそのものはいいことだ。
静岡でも毎年、プロの大道芸人を集めて「大道芸ワールドカップ」を開いている。
歌やマジックといった芸で人を楽しませて、お金をもらうことはまったく問題はない。

ただしそれが合法なら。

海外を旅しているバックパッカーには、違法でバスキングをしている「違法バスカ―」もいる。
違法バスカ―は観光ビザで入国したにもかかわらず、仕事をしてお金をかせぐ。
これは不法就労で犯罪行為に当たる。

就労ビザを取ってルールを守っておこなっているのが「大道芸ワールドカップ」のバスカーたち。
それとは反対側にいるのが違法バスカーたち。

今回はこうした違法バスカ―とそれを「支持」する人たちのことを考えてみたい。

 

ネットのある掲示板でバスカーが情報を集めていてた。

それを見た人が「それは違法行為だ」と指摘する。
それに対するバスカーのコメントがこれ。

バスキングだろーがなんだろーがお金を稼げば不法就労になることは実は知ってます(中略)でもやります

堂々と犯罪予告をしている。

「これはひどいなあ」と思って次のコメントを見て驚いた。

すばらしい夢ですね!!!!!!
こっちがワクワクします。

外国で犯罪をおこなうことをワクワクするな。

この書き込みをした人がどんな人かは知らないけど、バックパッカーには違法バスカーに対して理解をしめす人がけっこういた。
今もいると思う。

「そうして世界を旅するのが夢だから」という言葉を聞くと、違法であっても「やっちゃえ!」とか「いいんじゃないの」と言うバックパッカーに会って、驚いたことがある。

 

もちろん、ルールを守ってバスキングをするのなら賛成だ。
ちゃんと就労ビザや許可証をもらってからバスキングをするのはまったく問題はない。
自分の才能や技術でお金をかせいで旅をするのはすばらしい。

ちゃんと許可証をもらってバスキングをする人もいる。
このブログを見てほしい。

外国人singerの嘆き

この記事で問題にしているのは、こうしたまともなバスカーとは反対の違法バスカーの連中。

 

不法就労の罪は重い。

2016年には北海道のゲストハウスで、2人の外国人が不法就労の疑いで逮捕されている。
ゲストハウスの責任者だった日本人も不法就労助長で捕まった。

捕まった外国人はバスキングをしていたわけではない。
彼らはゲストハウスの清掃やベッドメイキングなどの.仕事をする代わりに、宿泊代をタダにしてもらっていた。
だからゲストハウスからお金をもらってはいない。

でもこれは不法就労に当たるということで警察に捕まってしまう。

 

このニュースを知ったときは「日本の警察は厳しいなあ」と思ったけど、別の見方をすれば、それは不法就労の罪の重さを分かっていないということでもある。

「観光が目的です」といって日本に入国して、「じつは働いていた」となったら、国にウソをついたことになる。強制退去になってもおかしくはない。
履歴書にウソを書いて入社して、それがバレたら会社を首にされても仕方がない。

このことは朝日新聞の記事にくわしく書いてある。

「宿泊料代わりに働いた疑い 外国人観光客2人逮捕 札幌」

 

アメリカは不法就労にとても厳しい。
アメリカで働いていることがバレた日本人留学生は、容赦なく日本に強制送還されているという。

 

日本留学生の場合、日本に一時帰国して、アメリカに戻って来るときにバレることが多い。

まずは入国審査で、空港の別室に連れて行かれる。
そこで係員から、「おまえのスマートフォンを見せろ」と言われる。
係員はそのスマホで、日本人留学生のスケジュールを確認する。
そして、バイトのシフトが見つかったら、その場でアウト。

入国拒否&日本へ強制送還。

GPSの履歴からも、働いていたことがバレてしまうこともあるという。

アメリカに住んでいる日本人のブログによると、こんな感じだ。

例えば「同じ場所に1日4時間、週3回」行っててはおかしいわけです。

それが履歴に表れる。

そしてその通ってる場所を位置から確認すると、「日本食レストラン」だということがわかる。

それでアウト。

去年から日本人留学生もどんどん強制送還に。アメリカ不法就労者が今危ない!

 

「ひどい!」という前に、不法就労にはどこの国も厳しいと考えたほうがいい。

バスキングだろーがなんだろーがお金を稼げば不法就労になることは実は知ってます(中略)でもやります」

すばらしい夢ですね!!!!!!
こっちがワクワクします。

「これがオレの夢なんだ」
「カッコいい!」
こんな無責任な空気が広がると、いつかどこかで痛い目にあう人がきっと出てくる。
世界の国は、これから不法就労に対してゆるくなるよりは厳しくなるだろうし。

 

バックパッカーがバスキングをしながら海外を旅するのはいいことだ。
ボクにはとてもできないことだから、それは素直にすごいと思う。
ルールを守ってやるなら大賛成。

でも違法行為はNO。
常識を破るのはいいけど、法を破ってはいけない。
違法行為に手を染めないといけないとしたら、自分はその方面での才能はなかったと考えがほうがいい。

それに違法行為をする日本人が増えると、他の日本人にも迷惑が掛かってしまう。

 

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。