日本のカレーはイギリスから。あり得ない驚きの具材とは?

 

書こうと思っていて、書き忘れていたことがあった。

8月2日は何の日か知ってましたか?

8月2日は「カレーうどんの日」だった。
なんでこの日がカレーうどんの日になったのか?

これはすごく単純。

もともと6月2日が「カレーの日」で、その1カ月後の7月2日は「うどんの日」だった。
それで、さらにその1カ月後の8月2日を「カレーうどんの日にしよう!」となったらしい。
*カレーの日は1月にもある。

そんな「カレーうどんの日」をニュースで見たから、今回はカレーについて雑学的に書いていこうと思う。

 

 

なんで6月2日がカレーの日になったのか?

これは「1859年に横浜港が開港した時、カレーも日本に入ってきたから」という理由による。
「横濱カレーミュージアム」がこの日をカレーの日にした。

では、カレーはどこから日本に入って来たのか?

答えはもちろん、カレーの母国インドから。
・・・ではない。

答えはイギリス。
日本にカレーをもたらしたのはインドではなくて、インドを植民地支配していたイギリスだった。

農林水産省のホームページにそのことが書いてある。

明治(めいじ)時代は、アメリカやヨーロッパの文化が日本に積極的に取り入れられ、その中でイギリスからカレーが伝わりました。

カレーはどこから来たの?

日本のカレーにはカレー粉が欠かせない。
でも、インドのカレーにカレー粉なんてものはない。
ガラムマサラという香辛料ならある。

 

カレー粉はイギリス人によってつくられた。
つまり日本に入って来たのは、イギリスのカレーだったということ。

今でもイギリス人はカレーが大好き。

イギリスでも、カレーは大人気である。統計によっては、ロースト・ビーフに次いで第二位の人気料理であるとか、若年層ではロースト・ビーフよりも好まれているとか、もはや国民的料理といってよい。

「食の世界地図 (文藝春秋)」

友人のイギリス人は、カレーとビールという組み合わせが大好きだと話していた。

 

これはインドカレー

 

カレーのおいしさはカレー粉で決まるわけではない。
カレーには、「カレーと具材の組み合わせ」というのも大事。

カレーはインドで生まれた。
カレー粉はイギリス人がつくって、日本へ伝えている。
日本のカレーの特徴は、カレーと具材の組み合わせの種類の多さだろう。

ネットでカレーの具材を探すと、「これでもかっ!」というぐらいたくさんある。
変わった具材にはこんなものがあった。

油あげ・たけのこ・こんにゃく・納豆・バナナ・パイナップルなどなど。

カレーは味が強いから、いろいろな具材を受け入れてしまう。
日本には、カレーの具材がどれだけあるのだろう?
想像もつかないや。

それでも、「これだけは絶対にあり得ない!」というカレーの具がある。
それは昔の日本人がカレーに入れていたけれど、今では考えられない具材。

 

 

それはカエル。

明治時代、日本人はカレーにカエルを入れていた。

そのカレーの作り方が「西洋料理指南」に書いてある。

*「西洋料理指南」というのは、1872年(明治5年)に出版された日本初の西洋料理のレシピ集のこと。
当時の日本には西洋料理のレシピはこれしかなかった。

その西洋料理指南に、カレーの作り方がこう紹介されている。

鶏 にわとり 海老 えび 、鯛 たい 、蠣 かき 、赤蛙等ノモノヲ入テ能 よ ク煮 にて 後 のち 「カレー」ノ粉 こな 一匙 さじ ヲ入煮ル

キッコーマン国際食文化研究センター

ここに赤蛙(アカガエル)とハッキリ書いてある。

明治時代の日本人は、カレーにカエルを入れて食べていた。
平成の日本では信じられないし、あり得ない。
いつごろかは分からないけど、「カレーとカエル」という組み合わせは消えてしまっている。

カレーの具材には、これからもいろいろ新しいものが出てくるはず。

でも、カエルが具材として復活する日は、まず間違いなく来ない。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。