北朝鮮のミサイル攻撃を前に、韓国人/社会の反応は?冷静と油断。

 

最近、北朝鮮のニュースをよく聞く。

もちろんステキなお知らせではない。

核開発やミサイル発射といった気の滅入ること。
北朝鮮のほのぼのニュースって、聞いた記憶がない。
「地上の楽園」とか言っていたのは知ってるけど。

北朝鮮のミサイル発射を受けて東京メトロは止まったし、全国各地で住民の避難訓練がおこなわれるようになった。
FNNの世論調査では、90%以上が北朝鮮に不安を感じている。

 

8月9日には、北朝鮮軍の司令官が「グアム周辺にミサイルを打ち込む用意がある」なんてことを発表する。
そのときには、ミサイルが「島根、広島、高知を通過する」と明言したからオソロシイ。

 

 

北朝鮮と接している韓国の反応はどうだろう?

朝鮮戦争については「休戦中」で、厳密にいえば、まだ北朝鮮との戦争は終わっていない。
北朝鮮からの攻撃をもっとも心配しないといけないのは韓国だろう。

でも意外なことに、日本人とは違って韓国人は冷静らしい。

 

映画「シュリ」でも有名な韓国の映画監督カン・ジェギュ氏が朝日新聞とのインタビューで、「北朝鮮が戦争を起こすことはない」と語っている。

もし戦争をしたら、北朝鮮も韓国も勝者になることはなく、朝鮮民族は死滅してしまう。
だから、北朝鮮がそんな愚かな選択をすることは考えられないという。

そして韓国人と日本人の反応を比べてこう語っている。

朝日新聞の記事(2017年8月10日)から。

どんなに愚かな指導者でも、そんな選択はしない。だから、韓国の大多数の国民は、北朝鮮の挑発行為を、それほどシリアスに受け止めていない。
日本では朝鮮半島で戦争が起こるかのような反応が多く、もう少し冷静になった方がいいように思う。

「東京)カン・ジェギュ映画監督に聞く」

 

韓国人は北朝鮮に対して、深刻な脅威を感じていない。
だから日本人も過剰に反応することなく、もっと落ち着いたほうがいい。

と、韓国人の目からはそう見えるらしい。

でも一方で、そういう韓国人に困っている韓国人もいるのだ。

 

 

韓国で最大の発行部数を誇る朝鮮日報という新聞がある。

北朝鮮に危機感を感じない韓国国民を見て、朝鮮日報が「危機に対する不感症」になっていると嘆く。

韓国にいる外国人記者が韓国人に話を聞いても、まったく緊張感が感じられない。
「目の前に危険があるにもかかわらず、危機感がない」と外国人は言う。

あるアメリカ・メディアは今の韓国社会を見て、「驚くほどだらだらしたソウル」と表現する。
また、ロサンゼルスタイムズは「極めて平穏で驚くほど関心がない雰囲気」と書いた。

「ミサイルを撃ちこむぞ」と名指しされたグアムでは、市民がパニックしないように、知事が緊急の演説をおこなっている。
でも今の韓国には、そんな緊迫した雰囲気がない。

 

朝鮮日報はその理由を「韓国人が戦争を恐れないため」と指摘する。

先ほどの映画監督が言った「韓国の大多数の国民は、北朝鮮の挑発行為を、それほどシリアスに受け止めていない」というのはこのことだろう。

そんな韓国人の心理について、朝鮮日報がこう伝えている。

識者の多くは「安全保障を米国に依存した状態が長く続き、また20年以上にわたる緊張状態のためこれにも慣れてしまい『戦争など起こるわけがない』という一種の現実逃避心理が形成された」などと指摘する。

韓国社会の油断が生む「異様な平穏さ」

 

この見方からすると、監督が「そんな選択はしない(戦争なんて起こることはない)」と述べたのも、アメリカ軍に頼ることが常態化してしまい、もう緊張感を感じることがなくなったからではないか。

韓国の全国紙・中央日報も、「数十年にわたる安保不感症に陥っている韓国社会」と書いている。

目の前に北朝鮮の脅威があるにもかかわらず、韓国人はきわめて冷静。
海外メディアには「一種のミステリーとして定着して(朝鮮日報)」いるという。

 

 

中央日報もこの問題については朝鮮日報と意見は同じだ。

「ソウルを火の海に」「核戦争」「悲劇的終末」などの発言を単に恐喝に終わらせないということだ。韓国国民の命を直接的に脅かしている。

大韓民国の安保がここまで脅威されているにもかかわらず、国民の間でこのような状況を深刻に受け止める姿を見当たらない。危機を誇張する必要はないが、目の前に差し迫ってきた北朝鮮の脅威にまともな準備ができていないというのは異常だ。

韓経:【社説】同族の命を担保にした金正恩の核いたずら、容認できない

中央日報は「敵は我々の内部にいるかもしれない」と警告している。

 

朝鮮戦争の様子を伝える写真。

 

北朝鮮は核やミサイルの開発を止めようとしない。

そんな脅威を前にした韓国人の冷静さを、映画監督は好意的にとらえていた。
けれど朝鮮日報はそんな韓国人の反応を「一種のミステリー」といい、中央日報は「異常だ」と表現する。

同じ危険を前にして、同じ韓国人がまったく違う見方をしているのはおもしろい。
これは日本人にとっても、他人事ではないのだけど。

韓国のことは韓国人が決めたらいい。
でも個人的には、映画監督の言うことより、韓国紙が伝えていることのほうが正しいと思う。
「韓国人は落ち着いているから、日本人も冷静になったほうがいい」というのはさすがにムリがある。
韓国を代表する2紙がそんな韓国人を「油断している」と批判しているのだから。

 

戦争がすぐはじまるということは考えられない。
でも、いつ何が起きるかはだれにも分からない。

とりあえず、国民保護ポータルサイトに目を通すことぐらいはしておこう。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。