日本が韓国にマンガで負けた?日本のアニメとフランス人の反応

 

毎年、高知県の土佐市で「まんが甲子園」というイベントが開かれている。

高校野球のように、全国の高校生が集まってマンガで競い合うらしい。

くわしいことは「まんが王国・土佐」のホームページを。

 

中央日報の記事(2017年08月11日)にそのことが書いてある。

日本最大の高校野球大会「甲子園」から名前を取って「まんが甲子園」とも呼ばれる。今年で26回を迎えたこの大会で韓国の高校生が優勝した。

アニメの本場、日本の鼻をへし折った韓国の高校生5人組

 

ここに書いてあるように今年は韓国の高校生が優勝した。

それはいいのだけど、この記事のタイトルはもう少し何とかならないもんだろうか?

日本が韓国の高校生に”鼻をへし折られた”って。
この大会で優勝した高校生はこう言っている。

「まんが強国である日本の生徒よりうまく出来るという自信を得た」
「友人や後輩がみんな漫画家・アニメイターの夢にもう一歩近寄る機会になった」

中央日報の記事より、この高校生の言葉のほうがずっと謙虚ですがすがしい。

でも、「韓国の高校生が日本を打ち負かした!」というタイトルにしたほうが、韓国人の読者は読みたくなるんだろうなあ。

 

 

最近、フランス人の友人と上の写真のような場所にハイキングをしてきた。

そのフランス人にハイキングの感想を聞いたら、こう言う。

「ドラゴンボールで悟空が修行している場所みたいだな。山を降りたら、オレたちも強くなってるぜ」

ここでドラゴンボールの話が出てくるとは思わなかったから、意表をつかれた。
フランスでドラゴンボールはとても人気があるらしい。
彼も夢中で見ていたという。

 

サッカー日本代表の酒井宏樹選手が今、フランスのマルセイユで活躍している。
雑誌のインタビューによると、酒井選手はチームメイトからよく日本のアニメについて聞かれるという。

サッカーダイジェストの記事から。

「例えば(フランス代表MFの)レミ・カベラは『テニスの王子様』の大ファンで、スパイクに主人公の名前(越前リョーマ)を刺しゅうしたりしています。『ルイ・ヴィトン』のバックに『ドラゴンボール』の何かをプリントしている選手もいますが、ちょっと勿体ないですよね(笑)。日本人の僕からすると、『それにプリントしちゃう?』という感覚です」

酒井宏樹も驚愕、同僚MFがハマる“アニメ文化”。「あの主人公の刺しゅうがスパイクに…」

 

ルイ・ヴィトンのバックにドラゴンボールのキャラクターを貼り付けるとか、日本で見たことがない。

でもフランス人にしてみたら、日本では10代の女子高生がヴィトンのバッグを持っていることに驚くかもしれない。
作家の中谷彰宏氏の本で、欧米人がそんな日本の高校生を見たら「『あのメイドは主人のバッグを持たされているんだな』と想像する」なんてことが書いてあったから。

 

前はアニメに興味がなかったけど、最近ではアニメを見ることが増えている。
それは外国人の影響だ。

たとえば、「進撃の巨人」はイギリス人からすすめられて見たら、すっかりハマってしまった。
トリニダード・トバゴ人からは「るろうに剣心」の良さを聞いたし、「牙突」という技もそのトリニダード・トバゴ人から教えてもらった。

外国人が日本のアニメやマンガをよく知っていて、驚かされることも多い。
外国人と話すなら、アニメの知識があるときっと役立つ。

 

そんな日本のアニメはこれからどうなるか?

そのことについて、明るい話を聞いた記憶がない。

アニメ業界は高齢化が進んでいるし、労働環境も厳しい。
「給料が安くて長時間労働を強いられるから、若い才能のあるアニメーターがなかなか育たない」なんてことを、テレビ番組で聞いたことがある。

そこにきて、「まんが甲子園」では韓国の高校生に負けてしまった。
日本のアニメやマンガは、これから大丈夫なんだろうか?

エヴァンゲリオンで有名な庵野監督の言葉を聞いても、日本のアニメの未来が見えてこない。

「アニメ業界はもってあと数年」と庵野監督が発言したことにMBSが更に斬り込んだ解説

 

でも、明るいきざしがないわけではない。

今年6月にフランスで開かれた「アヌシー国際アニメーション映画祭」で、湯浅政明監督の「夜明け告げるルーのうた」が最高賞のクリスタル賞を受賞している。

この映画祭はアニメの映画祭としては、もっとも長い歴史をもつ権威あるものだという。

海外のメディアもこの快挙を報じていた。

Annecy: ‘Lu Over The Wall,’ ‘Loving Vincent’ Take Top Honors at Annecy Animation Festival

 

 

ひょっとしたら日本のアニメやマンガは今が絶頂期で、これからゆっくりと坂を降っていくかもしれない。
マンガやアニメが日本人の手から離れて外国にいってしまったら、もう取り戻すことはできないと思う。

もちろん、そうならないことを願っているけど。

 

ボクの場合、外国人から話を聞いて日本のアニメやマンガのすごさや魅力を改めて思い知らされた。
これらは間違いなく日本をPRする大きな武器になっている。

みなさん、ぜひぜひ日本のアニメやマンガを見て支えていきましょう!

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。