ガンディーの「非暴力・不服従運動(サティヤーグラハ)」イギリスからのインド独立③


しかし、サティーヤグラハ(非暴力・不服従運動)を行うことは、決して楽ではない。

 NHKの「映像の世紀」で、そのサティーヤグラハを見たことがある。イギリス人の役人が、言うことを聞かないインド人を棒で殴ったり、どなったりするが、そのインド人は、殴り返すことはなく、殴られるままにする。しかし、決して命令には従おうとはしなかった。

 テレビの画面から、その当時のインド人の意志が伝わり、「これが、人間の強さなのか」と、実感させられた。

 そのことについて、ガンディーは、こうも言っている。

 この語は、人間たちが自分の権利を獲得するために自分で苦痛に耐える方法として使われています「真の独立への道(岩波新書)」

 言葉としては、きれいだが、実際の映像を見ると、ボクだったら、あそこまで痛みや屈辱に耐えられる自信がない。

 良い例ではないが、サッティーヤグラハを学校や職場で例えたら、こんな感じだろう。

 生徒や部下にメチャクチャな命令を出す教師や上司がいる。しかし、生徒や部下は、「その命令に納得がいかない」と、命令に従わない。上司や教師が、部下や生徒を言葉で脅したり、殴ったりして、自分の命令どおりに動かせようとする。

 

 そこで、生徒や部下が怒って、その教師や上司に殴りかかってはいけない。何をされてもやり返さないが、絶対にその命令に従わない、ということで抵抗するのが、サッティーヤグラハだろう。いくら脅しても、殴っても、生徒が動こうとせず、その生徒や部下たちからじっと見つめられたら、恐怖を覚えるのは、その教師や上司の方だ。

 

 インドの独立が、「サティヤーグラハ(非暴力・不服従運動)」だけで達成されたのではないが、この運動が与えた影響は一番大きいだろう。

 ガンディーは、「サティヤーグラハ」を、「慈悲の力」とも言っている。
銃や武器などを使わずに、「慈悲の力」でイギリスを追い出すというのは、あまりに理想的で非現実的に聞こえるが、実際には、最も、現実的な手段だった。

 この「インド独立の父」は、現在のインド人からも高い尊敬を集め、インド各地にガンディーの像が立ち、インドで使われているお札のデザインになっている。

 また、ガンディーの「非暴力・不服従」という考えは、インド独立の原動力となっただけではなく、「その後の世界の反政府運動や人権運動などに影響をおよぼした(世界史用語集)」という。

 現在、このガンディーの「非暴力・不服従」は、国境を越えて、現代の世界中の人びとの心をつかんでいる。

 日本でも、中学校や高校で、このガンディーの理念が教えられている。
授業の内容は忘れても、「それは授業で習った」という記憶なら、誰でもあるだろう。

 かつての「敵」だったイギリス人に聞いてみても、イギリスでも、ガンディーの思想と行動力は高く評価されていて、「現在のイギリスで尊敬されている人物の一人」であるという。

 ノーベル平和賞を受賞したチベット仏教の「ダライ・ラマ」や南アフリカの「ネルソン・マンデラ大統領」といった人物に、ガンディーの姿を重ねる人もいる。

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  「my life is my message」


文字どおり、ガンディーの生き方は、そのままメッセージになっている。


投稿者: kokontouzai

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。

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