中国人観光客が見た日本。日本人は”亀”!中国とはここが違う。

 

「名前に”亀”の字がある人に悪い人はいない」

と考える社長がいるらしい。

京都にあるベンチャー企業で、そんな社長の信念が社員の採用基準になった。
「わが社では、”亀”がついた人を積極的に採用します」と発表したことが話題になっている。

ここまで”亀”の文字にこだわるのは初めて聞いた。

J-CASTニュースにその記事(2017/8/25)がある。

同社の担当者は24日のJ-CASTニュースの取材に「『亀』がつく方は一次面接を免除させていただきます」と積極採用の内容を明かした。なお、もちろん「亀」がついていなくても申し込める。

「亀」がつく名前の方、採用します! 社長の思いに「共感した」と早速問い合せ

失業中の亀田さんや亀太郎さんは、いますぐこの会社の門をたたくべき。

今回の記事はそんな”亀”について。

 

 

日本語に「鶴は千年、亀は万年」という言葉がある。
これは「それだけ長く生きる」という長寿をあらわす表現。

この言葉は中国から来ている。
仙人が鶴や亀に乗って移動するというイメージから、こんな言葉が生まれたらしい。

具体的には中国の古典「淮南子」に書いてある。

鶴(つる)は千年亀(かめ)は万年

《「淮南子(えなんじ)」説林訓の「鶴の寿は千歳」などから》長寿で、めでたいことのたとえ。

「デジタル大辞泉の解説」

 

日本を旅行した中国人は、いろいろなところで「日本人は亀のようだ」と感じるという。

この場合の亀とは”遅い”という意味ではなくて、「とてもまじめ」ということ。
日本人へのほめ言葉だ。

今日頭条という中国メディアがそのことを伝えている。

 

では、中国人はどんなところで「亀(とてもまじめ)」を感じるのか?

たとえばショッピングモールだ。
ショッピングモールには各階に案内係がいる。
でも中国人の目からすると、そんな客への細かい配慮が「亀(まじめ)」に見えるらしい。

 

日本人が中国に行くと、この逆を感じるはず。
中国の社会には配慮やサービスがなくて、けっこう不便。

ガイドブックを持たないままで中国に行った時、大連の空港でインフォメーション・カウンターがなくて驚いたことがある。
市内まで行くバスやタクシーの案内表示もなかった。

中国社会は不親切というか、DIY。
「Do It Yourself(自分で何とかしろ!)」ということで、ある意味鍛えられる。

 

中国人観光客は、日本の電車の中でも亀を感じている。

日本の電車には、「他人の迷惑にならないように」ということで、車内のいろいろなところにマナーについての注意書きがある。
ボクはあんまり電車に乗らないから気がつかなかったけど、中国人にはそう見えるらしい。

携帯電話をマナーモードにすることはもちろん、リュックの持ち方や座席の座り方といったところにまで注意をうながしている。

 

こうしたきめ細やかさを見ると、中国人は”亀”(まじめ)を感じるのだという。

くわしくはサーチナの記事(2017-08-25 )を読んでください。

褒めてる?貶してる? 聡明な我々から見れば、日本はさしずめ「亀」だ=中国メディア

 

 

中国人が日本人に対して「亀(とてもまじめ)と感じる」ということは、中国人はその逆だ。

大ざっぱで悪く言えば他人への配慮に欠ける、ということになるのだろう。
ぶっちゃけ、中国人がもう少しマナーとか他人への配慮を身につけてくれるとうれしい。

逆にマジメすぎる日本人は、中国人から大らかさというかユルさを学んだほうがいいと思う。

日本で大きな問題になっている過労死やいじめによる自殺の原因には、「何でも自分一人で抱え込んでしまう」ということがある。

 

ボクのイメージだけど、中国人は抱え込まない。
ストレスや不満といったイヤなものは、タンのようにすぐ外に吐き出す。

いい意味でも悪い意味でも、中国人は責任を抱え込まないで、自分以外の何かのせいにする。
皮肉ではなくて、マジメで疲れやすい日本人は「自分のせいにしないで、まわりのせいにしてしまう」というストレスフリーな考え方を身につけてもいいと思う。

 

おまけ

 

中国や韓国を旅行するとこんな亀の土台を見る。

これは正確にいうと亀ではない。
贔屓(ひいき)という竜の子どもで、伝説上の生物だ。

自分が気に入った人をかわいがることを、「ひいきする」なんて言う。

この「ひいき」という言葉を漢字で書くと「贔屓」になる。
高校生のころ、授業で「『えこひいき』や『ひいきの引き倒し』という言葉はこの贔屓からきている」と聞いたのだけど、実はこれは間違いで、まったく関係がながなかった。

同じように覚えてしまった人は注意してください。
ボクはそれで恥をかきました。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。