それは”路上”ではなく犯罪行為。”恥知らず”なバックパッカーたち。

 

日本中のほとんどの人が知らないと思うけど、今年の4月、神戸の山林で火事がおきた。

1500平方メートルほどの規模の火災で、近隣の住民が避難する騒ぎになっている。

8月にこの犯人がわかった。
中学生だった。

神戸新聞の記事(2017/8/23)から。

垂水署が22日までに、軽犯罪法違反の疑いで同区内の中学生ら男女5人を摘発・補導し、このうち男子生徒(14)ら3人を神戸家庭裁判所に送致、当時13歳だった女子生徒2人を児童相談所に通告した。

神戸・垂水の山林火災 中学生ら5人の犯行だった

この中学生たちは「まさかここまで燃え広がるとは思わなかった」と話している。

なんで彼らは火をつけたのか?

じつはただ遊んでいただけだったらしい。
彼らはたき火をして、その火の上を跳び越える遊びをしていた。

そんな遊びをしているうちに、火が大きくなってしまう。
自分たちの手におえなくなって、怖くなって逃げてしまった。

 

でも悪いことは必ずバレる。
それで8月に、警察につかまってしまった。

意図的に火をつける放火ではないけど、バカなことをやらかしてくれたもんだ。

ただ、”違法バックパッカー”の大人たちは、この中学生を見て自分たちのおこないをふり返ってもらいたい。
「まさかここまで燃え広がるとは思わなかった」と思わないように。

 

今、お金をかせぎながら世界を旅するバックパッカーがたくさんいる。

欧米人にも日本人にもそんな旅人がいる。

路上で歌ったり芸を見せたりして、地元の人からチップをもらう。
写真やポストカードを売ったり、日本人なら書道で漢字を書いたりする人もいる。

こうした行為は、バスキング・路上ライブ・路上パフォーマンスなんて言う。
なかには、単に「路上」と言う人もいる。

そんな”路上”でもうけた金を旅の資金にして、彼らは旅を続けるのだ。

 

それ自体は問題ない。
“法”という一線を超えていなかったら。

法を守って、路上パフォーマンスやバスキングをしているなら問題ない。
でも、違法でおこなっていたらアウト。

こんなふうに許可証を取って、合法的に路上パフォーマンスをおこなうのはOK。

説明会では、自分と同じようにバスキング許可を申請した他のパフォーマー達と一緒に市の担当者の話を聞き、最後に許可証が発行されます。

許可証は名前や期限などが載っていて、パフォーマンスする時にそれを見やすいところに置かなければなりません。

オーストラリアの路上でパフォーマンス!バスキングのやり方と体験談

ルールを守ったうえで、自分の力で勝負しようと心意気はすばらしい。

 

今問題になっているのは、こうした許可証を取らないで路上パフォーマンスをして金もうけをしてる人たちだ。

その国や地元当局の許可なく、路上パフォーマンスをおこなって金銭を得たら、それは不法就労にあたる。
もちろんこれは違法行為。

彼らはバックパッカーでもパフォーマーでもない。
犯罪者だ。

 

海外メディアには、そんな”違法バックパッカー”を「ベッグ(物乞いをする)パッカー」と呼ぶものもある。

ここに、2017年4月12日付のイギリスのMETRO紙の記事がある。
旅の資金を得るために、路上で歌ったりポストカードを売ったりするベッグパッカーについて報じている。

The Western backpackers – who have been branded ‘beg-packers’ on social media – have been singing in the streets and even selling postcards in a bid to fund their trips.

‘Beg-packers’ are begging on the streets to fund round-the-world travels

 

路上で歌を歌ったりポストカードを売ったりしている旅行者を、メトロ紙は「shameless(恥知らず)」と強く非難している。
その画像は上の記事にある。

 

こうした恥知らずな”違法旅人”が増えた結果、どうなったか?

この記事の3カ月後、タイで外国人観光客に対する入国条件が変わった。

グローバルニュースアジアにその記事がある。

2017年7月24日、タイへの入国に際して、欧米人旅行者の間で現在ちょっとしたパニックが起きている。空路陸路問わず、入国時に所持金が2万バーツあることを提示するよう、求められているためだ。

【タイ】貧乏旅行者お断り! 入国時に所持金提示を強化

2万バーツの所持金を職員に見せることができなかったため、タイへの入国を拒否された外国人もいる。
しかも、その数は少なくない。
それでいま、「ちょっとしたパニック」になっているとか。

 

少ない所持金でタイに入国して、お金がなくなったら許可を取らずに勝手に路上パフォーマンスやバスキングをしてお金をもうける。
そしてそれを旅の資金にしてしまう。

タイとしては、そんな違法バックパッカーに入国されたら大迷惑だ。
これは日本も同じ。
外国人観光客は歓迎だけど、不法就労をする外国人なんていらない。

だから、そうした外国人を排除するために、タイは欧米人に所持金を提示するよう求めるようになった。

 

今のところ、日本人がタイで入国を拒否されたというケースはないらしい。
でも、今後は分からない。

日本人の違法バックパッカーが減れば大丈夫。
でもそんな人間が増えたら、日本人もきっと同じようになる。

 

2016年のある旅行ブログに、「バスキングしてる旅人が増えましたね」と書いてある。

たしかにそうだ。
ここ数年のバックパッカーの旅行ブログを見ても、路上パフォーマンスで旅の資金をかせいでいる人がずい分増えた。

これが良いのか悪いのかは分からない。
合法的におこなっていればいい。
許可を取らずに違法でしていたら最悪だ。

 

ある国で違法行為をおこなう日本人が増えたら、きっとその国は規制に動き出す。
いまはもう、ベッグパッカーを黙認できる段階ではない。

ブログに許可証をしめして路上パフォーマンスをおこなっている旅人はいい。
そうではなく、違法なバスキングをしている人たちはこの動きをどう見るのだろう?

自分たちのせいで日本人観光客の入国に条件がつけられたら、違法バックパッカーたちはどう思うのか?

きっと火事を起こした中学生と同じだろう。
「まさかここまで燃え広がるとは思わなかった」と、怖くなってSNSからその投稿を削除するのではないか?

「その責任は自分たちにある」と認めることはきっとしない。
だったら補導された中学生のほうがマシ。
少なくても彼らは自分の行為を認めて、それと向き合っている。

これからの日本人に迷惑がかからないように、違法なバスキングは今すぐやめるべき。
「これぐらいならきっと大丈夫」というのは2、3年前までの認識だ。

 

 

許可なく金銭をもうけていたら、それは違法。
そんな人間は、旅人でもバックパッカーでもパフォーマーでもない。
犯罪者だ。

当然、その行為は犯罪行為。
バスキング・路上パフォーマンス・路上と、表現を変えても意味はない。
違法売春を”援助交際”と呼ぶことと同じ。

呼び方を変えたところで現実は変わらない。

やりたかったら、手続きをとって合法的にやればいい。
許可証をブログにしめしたうえで、誰にも文句を言わせない状態で、堂々とおこなえばいい。

そして、バスキングや旅の楽しさや素晴らしさをいろんな人にブログで伝えてほしい。
違法行為をして旅を続けていたら、これからの日本人が迷惑する。
きっと自分にもかえってくる。

 

 

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20年前の旅との違い。現実の旅とネット上での旅とのギャップ。

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。