イスラム教の国での女性禁止。服装・車の運転・サッカー観戦

 

インターネットで「イスラム教 女性」で検索すると、こんな言葉が出てくる。

「イスラム教 女性差別」
「イスラム教 女性蔑視」

日本では、イスラーム教に対してこんなイメージがあるんだろう。

実はボクのまわりの人も同じ。
「イスラーム教徒は女性に厳しいよね」という見方をしていた。

ワケを聞くと、イスラーム教徒の女性の服装を見てそう思ったという人が多い。

たしかにイスラーム教では、女性が身につけるものにきまりがある。
髪を出すことは禁止されているけれど、その他のことは国によって違っている。

 

髪をかくすヒジャブ
マレーシアやインドネシアのイスラーム教徒の女性に多い。

 

目だけは出しているニカブ
これはイエメンのイスラーム教徒の女性
ふつう、イエメンの女性は写真を撮らせてくれないけど、この人はなぜかOKをくれた。

 

目も隠しているブルカ
アフガニスタンのイスラーム教徒の女性に多い。

 

このブルカを着ると、視界が本当に狭くなってしまう。
横が見えなくて、前しか見えなくなってしまうらしい。

アフガニスタン人でブルカを着ている人がこう書いている。

ブルカをかぶると、遮眼帯をつけた馬と同じように正面しか見えなくなる。それも眼を細め、メッシュの部分の揺れが収まり、ブルカを正しく着用していたとして、だ。斜め前をちらっと見る、などということは不可能。
頭全体を動かさなければ見えないのだ。

「カブールの本屋 (イースト・プレス)」

ただ、こうした服を着ているからといって「イスラーム教徒の女性は差別や蔑視されている」というワケでもない。
そんな単純な問題ではないし、見る人によってその判断も分かれる。

 

でもイスラーム教では、「男性はしてもいいけど、女性は禁止!」ということはたしかにある。

今回はそのことを書いていこうと思う。
サウジアラビアとイランで、女性が禁止されていることについて。

 

 

まずはサウジアラビア。

サウジアラビでは、女性が車を運転することが禁止されている。
そんな国は世界でサウジアラビアだけだ。

サウジアラビアは世界で唯一、女性が自動車を運転することを法律で禁止している国である。

「ウィキペディア」

でも、欧米的な男女平等の考え方をするサウジアラビアの女性もいる。

それで、「今の時代に、女性が車を運転してはいけないなんておかしい!」と怒った女性が、1990年に抗議デモをおこなった。

女性が集団で車を運転するという変わったデモ。
こんなデモは、世界でサウジアラビアだけだろう。

リヤード市内で四十七人の女性が、王国では車の運転が禁じられているのに逆らい、十四台の車のハンドルを握り、市内を約三十分間、抗議のデモを行った。

「サウジアラビア現代史 岡倉徹志」

こうした女性をサウジアラビアの男性はどう思ったのか?

「売春婦!」と呼んだ人もいたらしい。

こうしたデモがあったけれど、今でもサウジアラビアでは女性の車の運転は認められていない。

 

 

次はイランで女性が禁止されていること。

それはスタジアムでのサッカー観戦。
イランでは女性がスタジアムでに入場して、サッカーを見ることができない。

でも、「どうしても生で試合を見たい!」という女性もいる。
それで2017年2月14日に、女性が男性のかっこうをしてスタジアムに入ろうとして見つかっている。

AFPの記事(2017年2月15日)から。

女性がサッカースタジアムを訪れることが禁止されているイランで、女性8人が男装して入場しようとしたものの、警備員に見つかって入場できなかったことが明らかになった。

サッカー観戦禁止のイラン女性、男装で入場試みるも失敗に終わる

これは昔からずっとそうだったわけではない。
1979年に起きたイスラム革命の後から、イランでは女性のスポーツスタジアムへの入場が禁止されるようになっている。
*すべてのスポーツがダメかはわからない。

イランで女性がサッカースタジアムに入ってはいけない理由は、だいたい次のようなこと。

・男性が多くいて、混み合った状況は女性にとって不適切だから。
・試合を見て興奮した男性がいて、品のない雰囲気がある。そうした環境から女性たちを守るため。

 

 

日本の神道にも、「女人禁制」で女性が入ってはいけないところがある。

たとえば、世界遺産になった沖ノ島。
この島に女性が上陸することは禁止されている。

相撲の土俵もそう。
前に大阪の女性知事が土俵にあがろうとしたけど、日本相撲協会から断れたことがある。

 

むかしは富士山もそうだった。
富士山も女人禁制で、女性が登ることはできなかった。

でも、江戸時代(1832年)に「たつ」という女性が富士山に登っている。
記録に残る限り、富士山に初めて女性はこのたつが初めて。

このとき、たつは女性であることが気づかれないように男装して富士山に登っている。

スタジアムに忍び込もうとして見つかったイランの女性と同じ発想だ。

 

 

最近、そんなイランに衝撃が走った。

今、ワールドカップロシア大会のアジア最終予選がおこなわれている。
日本はみごと予選1位で本大会出場を決めていますね。

イランはこの予選で、シリアとたたかうことになっていた。
試合がおこなわれるイランで、女性用のチケットがウェブサイト上で売り出されたのだ。

「ついに、イランも女性のスタジアム入場を認めた!」とイランのサッカー女子はよろこんだ。

でもすぐに、「それは技術的なミスだった」とイランのサッカー協会が発表する。

声明で「対シリア戦で(会場となる)アザディ・スタジアム(Azadi stadium)への女性の入場を許可する予定はない」と通告。販売済みの女性用チケットは無効となり、払い戻しすると発表した。

イラン、W杯予選で女性向け観戦チケット販売も取り消しに

結局、女性はスタジアムでの観戦は認められないまま。

イスラーム教の国では、バスや列車で女性だけが入っていいスペースがつくられているところもある。
イランでも、女性だけの観戦スペースをつくったらいいのに。

 

オーストラリアでサッカーのイラン代表を応援する女性
(c)AFP/Peter PARKS

このかっこうはマズイ。
こんな姿でイランのアザディ・スタジアムに入ったら、きっと無事に出て来れない。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。