日本人が知らない「日本文化・漢字は中国のパクリだ!」が違う理由

 

始めの一言
「ヨーロッパ人が多くの場合東洋という概念と結びつけて考えるような不潔さを持たぬ東洋的な情景を現出している。特に都会の内で、人々が各自の店先で道路を清掃し、絶えず水を打ち、なおその上、簾(すだれ)などで自動車の埃(ほこり)を防いでいるのは、実に驚嘆に値する。(ブルーノ・タウト 昭和)」
「ニッポン 講談社学術文庫」

 

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今回の内容

・京都は、洛陽のパクリだ。
・中国人が「日本人をパクった」倭寇
・本当の日本の文化

 

・京都は、洛陽のパクリだ。

日本人には「相手の良いところを取り入れて、自分のものにする」という優れた学習能力がある。
でもそれは、見方を変えると「パクっている」と見られるかもしれない。

 

実際、中国人にはそう見えるらしい。
前回の記事で「京都と洛陽」を書いていたとき、こんな記事(サーチナ 2016-07-01)を見つけた。

日本こそパクリ大国だ!わが国がパクリを行う1000年も前からパクっていた=中国

日本では中国に対して「模倣」や「パクリ」という印象を持つ人は少なくないだろう。
だが、中国メディアの今日頭条はこのほど、中国ではなく、日本こそ世界一のパクリ大国であると主張する記事を掲載した。

記事は日本が中国文化を「パクった」と主張し、その事例の1つとして、平城京と平安京を紹介。これらは「北魏の洛陽や隋唐の長安のパクリ」だと指摘し、京都に洛北、洛東、洛南、洛西、洛中などの地名があるのはこのためだと論じた。

 

中国人からしたら、「日本人は、洛陽や長安をパクった!」となるようだ。

でも洛陽や長安は当時の世界で、抜きんでた高い文明や文化をもつ都市だったはず。
その中国文化を「パクる」ことができたのなら、日本人の学習能力は本当にすごい。この場合の「パクった」は、むしろほめ言葉になる。

 

それにしても、中国はときどきこういう無茶をいう。
「日本は、漢字をパクった!」とか。

こうした日本の中国文化の「パクリ」は、中国がピカチュウやディズニーのキャラクターを「パクる」のとはワケが違う。

 

日本の漢字や洛陽の「パクリ」は問題がないけど、中国のこれらのパクリは「違法行為」になるから。

上のことについて、先の記事はこう続けている。

記事の主張が見落としているのは「違法性」やパクられた側の経済的また精神的な損失という点だろう。

仮に平城京や中世の貨幣が中国文化のコピーであるとしても、これらが当時の中国に対して経済的また精神的な損失を与えたとは言えない。

むしろ平城京や日本の貨幣は中国の名声を高めるものとなったはずだ。なぜなら当時の日本はそれらを独自のアイデアによるものとは決して主張していないからだ。

 

日本が8世紀に中国からいろいろなことを学んで受け入れたことは、言い方によったら「パクリ」になるかもしれない。
けれど、違法性がなければ「中国に対して経済的また精神的な損失」も与えてはいない。

だから現在の常識から考えたら、まったく問題がない。
それに日本は、次のような唐からの素晴らしいパクリもしている。

身体障害者、貧窮の病人や孤児に救いの手をさしのべることは、日本にも昔からあった。

仏教の博愛精神に根ざすもので、奈良興福寺に養老七年(七二三)、悲田院、施薬院が設けられている。これは唐制に倣ったものというが、唐では開元五年(七一七)、悲田院がひらかれた。本家の唐でつくられた悲田院が、その六年後に、はやくも日本でおなじものができている。伝来としては、きわめて早いといわねばならない。

(曼荼羅の山 陳舜臣)

 

 

・中国人が「日本人をパクった」倭寇

歴史をみれば、中国人が「日本人をパクった」ということがある。
それが、「倭寇」。

倭寇(わこう)とは、一般的には13世紀から16世紀にかけて朝鮮半島や中国大陸の沿岸部や一部内陸、及び東アジア諸地域において活動した海賊、私貿易、密貿易を行う貿易商人の事である。

(ウィキペディア)

 

この倭寇は、「日本人の(海賊)集団」と習った人も多いと思う。
でも、実際はそうではない。

中国人が日本人の姿や恰好をまねして、日本人に見せていたことがあった。

十三世紀から十六世紀にかけて、朝鮮や中国の沿海を荒らした日本の海賊は、「倭寇」としておそれられた。倭とは日本人のことで、これはめっぽう強いのである。

ー倭寇だぞォ!

といえば、住民はおろか、官兵まで戦わずに逃げたという。ところが、中国側の史書にもあるように、

ー真倭(ほんとうの日本人)は十人に一人にすぎず。

であった。大部分は、中国人が(中略)にせ日本人だったのである。ちょんまけを見れば、むこうは逃げてくれるから、この変装はこたえられない。

「日本的 中国的 (陳舜臣)」

 

これも、「中国人が日本人をパクった!」という見方ができる。
けれど、違法性はないしこれを問題視する日本人はいないから、まったく問題ではない。

 

中国人にはなんで「日本人こそ、中国のパクリだ!」と見えるのかは、その感じ方に問題がある。

中国人が日本を見るときには、客観的な事実よりも、先入観や願望が先にあるだろう。
「日本の文化は、中国文化の模倣だ」という先入観や「中国文化は、日本文化より優れている」という気持ちがあると、何でもそのように見えてくる。

「こう見たい」と思う人間には、そうとしか見えなくなる。

 

P1210109

 

・本当の日本の文化

そのようにしか見えなくなると、日本の文化を次のようにとらえることが不可能になる。

主体はよそから借り、それにさらに磨きをかけるのが、日本人の十八番である。

(日本的 中国的 陳舜臣)

 

また、日本と韓国をよく知る韓国人は、日本の文化をこう言っている。

日本の生け花、お茶、庭、盆栽などについて、そのベースが中国にあったにせよ、(中略)それらの文化は、日本の土壌のなかで高度につきつめられ、もはやコピーを脱した独自の輝きをもって自立していることを、誰もが認めるしかないからである。

(ワサビの日本人と唐辛子の韓国人 呉善花 )

 

客観的に日本の文化をみたら、このように見える。

でも、「~のように見たい」という願望があったら、本当にそう見えてくる。
だから、「日本は中国文化をパクった」と感じても仕方がない。

ただ、覚えておいてもらおうか?
「中華人民共和国」のうち、中国語は「中華」だけで、「人民」と「共和国」は日本語(和製漢語)だということを!

 

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2 件のコメント

  • 近代以降の中国人もやはり、古代のもう滅亡してしまった民族が発明した漢字を受け継いでいるに過ぎないんだけどね・・。むしろ古代に大陸から分岐した弥生系の方が、現代中国人よりはそこと繋がりがあるじゃないかというレベル。あと、起源がどうあれ独自に発展し、開花した文化のクレジットを騙るのはあまりにも図々しく乱暴だなと思う。最初に壁画を描いたのがエジプトならピカソはエジプト文化だ!というレベルの飛躍がある。

  • ボクが話を聞いた限りですが、実際、中国人もあんまり中国の文化を知りません。「日本の着物は、唐の時代の着物のパクリ」と言っても、唐の時代の着物を知らない人がいます。「紳」と「帯」の違いが分からなかったり。気持ちとして、「中国文化の方が上」というのが強いのだと思います。日本文化は、変化を加えて「独自のものにしている」ことに特徴がありますし、西洋でも、独自性を重視していますね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。