日本とインド:バックパッカーと安倍首相が見たインドの違い。

 

「インド」と聞いたら、何を思い浮かべますか?

ボクが中学生のときには、カレー・カースト・仏教で「インドのCCB」と習った。
この3つは日本でもよく知られている。

 

先月9月に、安倍首相がインドを訪問した。
なので、せっかくの機会だから、多くの人にインドやインドと日本の関係なんかを知ってほしいと思う。

今回は、下から上からインドを紹介したい。

「下から」というのは、インドを貧乏旅行したバックパッカーの視点から。
「上から」というのは、先月9月にインドを訪問した安倍首相の視点から。

当たり前のことだけど、庶民と政治のトップから見たインドは違う。
反対の立場から見たインドを知ることで、きっとインドの理解は深まる。

 

日本では、インドについて注目やアクセスを集めやすいショッキングなニュースが強調されているように思う。

そうではないインドや日本とインドの良い関係なんかも知ってほしい。

 

 

インドを旅行中に出会った日本人バックパッカーがインドをこう表現していた。

「インドは、『れる・られるの国』です」

インド旅で彼は何度もボったくられた。
そして、だまされたり脅されたりもした。
彼にとってのインド旅はそんなやられまくりの受け身の連続。
そんな防戦一方の経験から、「れる・られるの国」という言葉が頭に浮かんだ。

 

その気持ちはよく分かる。
ボクもインド旅も、「だまされる・ボったくられる」のくり返しだったから。

バックパッカーが旅して出会うインド人には、強引でしつこい人間が多い。
それで今では、インドが「世界3大ウザイ国」のひとつになっている。

 

これは、たぶん日本の政治家が目にすることのない、バックパッカーが見るインド。

 

「インドはウザイ国だ」という言葉は理解できる。

でも、近ごろのインド旅行のブログを見ると、「それは言い過ぎじゃないか?」と共感できないような言葉がけっこうある。

例えば、旅行ブログランキングの上位にあったブログには、こんなことが書いてあった。

インド人はよくウザいって言われますよね?
そしてインド人の上手い扱い方を身に付けました。

人間が人間に対して「扱う」という表現をつかうのは、どんな時だろう?

植民地支配している国の人間が、現地の人間に対して「扱う」という言葉をつかっているのを見た記憶がある。
「扱う」とは、基本的には物に対して使う表現だ。
対等な人間に対してつかう言葉ではなく、上から目線の言い方。

これをプライベートな酒の席で言うのならわかる。
けど、こうしたインド人蔑視の言葉を、ブログで平気で公開していることには共感できない。

 

他にも、ランキング上位のブログでこんな言葉があった。
当然、多くの人の目にふれている。

ダメだ。インド人ダメだ。なぜならインド人だからだ。もうなんで神はこんなのをお創りになったんだ。悪ふざけがすぎるだろう。
嫌がられて笑ってんじゃねぇぞこのクソ虫!!!

失せろカス!!!!!!!

満足したのか、ボトルを返して帰っていくウザインディアン。

 

ついにインドを脱出したんだな。

もうあのクサレクソ虫に心をかき乱される生活は終わりを迎えたんだな。

『インド人=ウザい』。
亜大陸ごと沈めクソ虫。

 

インドについては、バックパッカーの話の中でヒドイ言葉をつかっているのを聞いたことはある。
でもそれは「その場だけの話」で、公開するようなものではない。

上の言葉を韓国人に対してつかうと、ヘイトスピーチになる。
韓国人を「クサレクソ虫」や「朝鮮半島ごと沈めクソ虫」と書いて公開したらアウト。
「韓国人の上手い扱い方を身に付けました」とバックパッカーは平気で書く。

もし政治家がこうした言葉を公開したら、社会的に抹殺される。

 

インド人が相手ならこんな言葉を平気でブログにのせる。
「クサレクソ虫」は極端としても、日本人バックパッカーの中には、「うざいインド人のうまい扱い方がわかった」的なインドを下に見る人が少なくないように思う。
インド人に対する蔑視や差別の表現がどんどん当たり前になっているようで気がかりだ。

今では日本語を理解するインド人も増えている。
彼らがこうしたブログを見たらどう思うか?
インドと日本にとって、ハッピーなことにはならない。

そこで、インド人の名誉や日本とインドの友好のために、上のバックパッカーとはまったく違う見方を紹介したい。

 

 

インドは親日的な国として前から有名だ。

9月に安倍首相がインドを訪問したときは、モディ首相が空港まで行って首相を迎えていた。
相手国の首脳が空港で待っていることなんて、なかなかない。

さらに、こんな歓迎パレードも開かれている。
インドがこうしたパレードをおこなったのは今回が初めてという。

その様子をどうぞ。

 

首相はインドをどう見ているのか?

安倍首相は、「日印関係は世界で最も可能性を秘めた2国間関係である」と述べている。

日本人のバックパッカーはインドについてよくこう言う。
「インドの印象は極端に分かれる。一度行ったらはまるか、二度と行きたくないと思う」

当たり前のことだけど、政治家とバックパッカー、上と下とではインドに対する印象はまったく違う。

 

首相は、日本の高い技術とインドの優秀な人材が協力すれば、「世界を相手にしたものづくりができる」と言う。
これは本当にそのとおりだと思う。

さらに日本とインドの関係についてこう話していた。
首相官邸ホームページから。

インドから日本への旅行者は5年で倍増し、昨年には12万人となりました。しかし、もっともっと日本に来ていただきたいと考えています。
日本にはインドに起源を持つ寺社仏閣から数学、ITを活用した最新テクノロジーがあり、多くのインドファンもいます。

日・インド・ビジネス全体会合 安倍総理スピーチ

こういう言葉を聞くと、インドに対して「CCB」なんて古いイメージを持っていてはダメだと感じる。
ボクが日本で知り合うインド人は、みんな英語を話すしITのこともくわしい。

安倍首相個人としては「生涯グジャラートのそしてインドの友人であろうと、こう心に誓いました」と言っている。
バックパッカー風に言えば、「インドにハマった派」になる。

 

インド独立の父・ガンディー

 

帰国後、首相はインド訪問をこうふり返っている。

有本香「インドで大歓迎だったんです。でも全然日本のメディアには載りませんでしょ?最近は皆さんネットで直接ご覧になるからいいんですけど…。インドというのは非常に大事にされていますよね?」

安倍総理「あの、私が歓迎されているということではなくて、日本が歓迎されているんです。日本の総理大臣が歓迎されているということは。インドの日本に対する思いはすごく熱いんです。それは日本の皆さんにも知って頂きたいと思います」

安倍総理「インドでは私が歓迎されたのではなく日本が歓迎されたのです」

これも同感。

別に「安倍首相個人がすばらしいから」ということで、インドが異例の大歓迎をしたわけではない。
「日本の代表者だから」「インドは親日国だから」という理由が大きい。

日本にいるインド人とつき合っていても、「インドの日本に対する思い」は感じる。
日本に対して好意的であったり敬意をしめしていたりする。
このことは、たくさんの日本人にも知ってもらいたい。

インド人を「クソ虫」と呼ぶバックパッカーには特に。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。