日本と韓国の「呪いのわら人形」、ルーツは中国の兵馬俑と同じ。

 

最近、「わら人形」で子どもを脅したとして、男が逮捕された。

日本でわら人形は、子どものおもちゃとしても、だれかを呪うときにも使われてきた。

 

わら人形(ウィキペディアから)

 

この男の場合は、呪いというより、小学生への嫌がらせでわら人形を使った。

「クソがきどもここからとびおりてみんな死ね」と書いた紙をつけ、子どもに見えるように小学校の通学路にわら人形をつるしていた。

男は「子どもたちがうるさかったからやった」と警察に話しているらしい。

くわしいことは、産経新聞の記事(2017.11.9 )をどうぞ。

「わら人形」つるし脅す、小学校への業務妨害罪で起訴

 

「わら人形」というと、「丑時参(うしのときまいり)」が頭に浮かぶ。

丑時参(ウィキペディアから)

 

「丑時参(うしのときまいり)」とは、日本に古くから伝わる呪いの儀式だ。

丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)、神社の神木に、呪いたい相手を見立てたわら人形を五寸釘で打ち込むという、おそろしい儀式。

これは絶対に、他人に見られてはいけない。

丑の刻参りを他人に見られると、参っていた人物に呪いが跳ね返って来ると言われ、目撃者も殺してしまわないとならないと伝えられる。

「ウィキペディア」

「目撃者も殺してしまわないとならない」ということだから、この時間に神社であやしいことをしている人を見かけてもが、「何やってんすか♪」なんてカジュアルに声をかけるのはやめよう。

 

これは東京の上野公園で発見されたわら人形(明治10年)

銀杏の樹に打ち付けられていた呪いのわら人形。強い恨みの念が感じられます。

東京国立博物館

「わら人形」で逮捕者が出たのは、今年はこれで2件目だ。

1月にも群馬県のゲームセンターでそんな事件が起きている。

駐車場に、ゲームセンターの経営者の名前が赤い文字で書かれたわら人形があったのを、従業員が見つけた。
経営者としては不気味でたまらない。
女性は警察に通報した。

朝日新聞の記事(2017年1月30日)から。

人形があったのは、女性が普段車を止める場所。恐怖を感じた女性からの被害届を受けて、県警藤岡署は25日、同県藤岡市の無職の男(52)を脅迫容疑で逮捕した。

呪いのわら人形は犯罪か 脅迫罪になる?殺人未遂罪は?

犯人はゲームセンターの常連客だった。

この男は経営者の女性に好意を持っていて、プレゼントをあげようとしたけど、女性に断られてしまう。
それを恨みにもって、わら人形で嫌がらせをしたらしい。

わら人形で逮捕者が出たのは「今年で2件目」と書いたけど、これはボクが知っている限りでの話だから、もっとあるかもしれない。

現代では、わら人形で本当に相手を呪いをかけることができるかは分からないけど、脅迫罪は成立するから自分が捕まる。

 

 

21世紀では、「呪いのわら人形セット」はAmazonで買うことができる。
ただし、残りは5点。
購入希望なら、急ぐべき。

でもできるなら、相手を呪わずに生きる方法を見つけたほうがいい。

 

 

これは韓国ソウルの博物館で展示されていたわら人形

こえを見た時、「あっ!」と声を上げそうになった。

このとき一緒にいた韓国人に聞いたら、使い方は日本と同じ。
韓国でも相手を呪うときに、昔からわら人形が使われていた。

この韓国人が中学生だったとき、校庭にわら人形が落ちていたのを生徒が発見する。
それで、教師も生徒もパニックになったという。

呪いのわら人形は、日本固有の文化だと思っていたから、韓国にもあったというのはかなり意外。

 

 

「昔から日本にも朝鮮半島にもあった」ということは、呪いのわら人形のルーツは中国にあるのだろう。

「日本大百科全書(ニッポニカ)」には、わら人形についてこんな解説がある。

藁人形
わらにんぎょう

藁を材料にしてつくった人形。古代中国では芻霊(すうれい)、芻人とよんで死者とともに葬る副葬品に用いられた。

これによると、相手を呪うためにはなくて、もともとは副葬品だった。
いつ、どこの国で、この人形に「呪い」という呪術的な要素が加わったのかは分からない。

 

お墓に入れる副葬品というのなら、これは「俑(よう)」のことだ。

よう【俑】

《人形(ひとがた)の意》中国で、死者とともに埋葬した人形。死者の臣下・妻妾(さいしょう)・衛兵・愛玩動物などをかたどる。材質により、陶俑・木俑・金属俑などに分けられる

デジタル大辞泉の解説

 

秦の始皇帝のお墓にある「兵馬俑」は、世界でもっとも有名な「俑」だろう。
兵馬俑とは、「兵士や馬を型どった像(俑)」ということ。

「死者とともに埋葬した人形」という本来的な意味からすると、わら人形はこの兵馬俑と同じだ。

 

埴輪(ウィキペディアから)

日本だと、古墳時代の「埴輪(はにわ)」が中国の「俑」に近い。
でも埴輪は、お墓の上や周囲に置いたもので、墓の中には入れなかった。

 

兵馬俑

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。