ユネスコは、慰安婦資料に否定的。背景と日本と韓国の反応は?

 

次のユネスコ事務局長は、もう決まっている。
フランスの文化相をしていたアズレ氏だ。

そのアズレ氏のこんな発言に注目が集まっている。

「加盟国間の確執を招く可能性のある問題はできるだけ避け、団結を図らなければならない」

「ユネスコは解決できない紛争に足を引っ張られたり、機構の機能がまひしたりしている。解決できない問題は避けるべきだ」

 

まったくその通り。

ユネスコは、「諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進を目的とした国際連合の専門機関」であるはず。
そんなユネスコが加盟国による争いの場になってはいけない。

でも韓国は、そんなアズレ氏に反発している。
韓国としては、慰安婦資料をユネスコの記録遺産に登録してもらいたいから。

 

慰安婦問題で、日本と韓国は争ってばかりいる。
加盟国の団結を大切にするアズレ氏にしてみたら、ユネスコに日韓の政治的対立を持ちこまれたらたまらない。
率直に言ったら、「ウザイ!」と思うだろう。

そんなアズレ氏の考え方からしたら、慰安婦資料がユネスコの記録遺産に選ばれることはむずかしい。

それで韓国は反発している。

くわしいことは、朝鮮日報の記事(2017/11/13)をどうぞ。

「慰安婦関連記録物、ユネスコ登録さらに困難に」

 

こういう仏像なら問題ない。

 

アズレ氏の言葉からは、ユネスコ内での争いを避けて平和と友好を求める姿勢が見られる。

アズレ氏がユネスコの事務局長に選ばれた理由もそこだろう。

今年10月13に、次の事務局長を決める決戦投票がおこなわれた。
そこでアズレ氏は、カタールのカワリ氏を30票対28票のわずかな差で破って、次の事務局長に選ばれた。

 

カワリ氏が負けた理由には、アメリカ・イスラエルとアラブ諸国の対立があった。

カワリ氏がカタールの文化相をしていたとき、首都ドーハで見本市が開かれた。
その見本市で、反ユダヤ的で差別的な内容の書物があったにもかかわらず、カワリ氏は撤去も何もしない。

アメリカやイスラエルは、カワリ氏の態度は「反ユダヤ的」だと批判していた。
そんなカワリ氏が次の事務局長になったら、アメリカ・イスラエルとアラブ諸国の対立がユネスコに持ちこまれる可能性が高い。

 

フランスのアズレ氏が選ばれた背景には、国連での争いをイヤがる空気がある。

アメリカがユネスコを脱退した最大の理由は、ユネスコの姿勢にあった。
ユネスコは、イスラエルよりパレスチナの方に友好的な立場を取ってきた。
アメリカとイスラエルがユネスコを脱退した最大の理由は、これだと言われている。

このへんのことは、AFPの記事(2017年10月14日 )にくわしく書いてある。

ユネスコ、次期事務局長にアズレ仏前文化相 カタールのカワリ氏破る

 

加盟国の友好と団結を求めるユネスコからすれば、日韓の政治的対立を持ちこまれるのは迷惑でしかない。
だから、慰安婦資料のユネスコ登録には、否定的な態度を見せることも理解できる。

本音としたら、「慰安婦問題は日本と韓国でもめてろ。国連を巻きこむな!」といったところだろう。

 

 

アズレ氏の言葉に対して、日本では好意的な見方をする人が多い。

・当たり前
・慰安婦問題は解決済みの問題であり「不可逆的に」「蒸し返さない」と合意したんですよ。
・日韓合意をユネスコに登録しようぜ
・日本の主張は極めてマトモ
韓国がユネスコを政治利用しようとしたので
日本やその他の国が危機感を持っただけ

 

でも韓国での反応は、日本と反対だ。

慰安婦資料のユネスコ登録が遠のいて、韓国人がよろこぶはずない。
レコードチャイナの記事には、こんな反応が紹介されている。

・避けていくなんてあり得ない。韓国は日本から謝罪もまともに受けられていないのに
・ユネスコは確執を避けて政治をする場所なの?設立趣旨に合う行動をしてほしい
・米国が脱退してしまったから、今後ユネスコは日本が掌握する機関に転落するだろう
・避ければ確執がなくなるの?
・ユネスコがなぜ必要なのか分からない。韓国も脱退しよう

ユネスコ新事務局長の発言で慰安婦資料のユネスコ登録がさらに困難に?

「諸国民の教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進」というユネスコの目的からすると、争いを避けて団結を図ろうとするアズレ氏の言葉は正しいとしか言いようがない。

それが嫌なら、本当に脱退を考えたらどうか?

 

 

「慰安婦資料がユネスコ世界記録に登録されてほしくない」という人は、じつは韓国国内にもきっといる。

2016年1月11日のハンギョレ新聞にこんな記事があった。

日本軍「慰安婦」記録物のユネスコ世界記録遺産登録を積極的に推進してきた韓国政府が、韓日政府の慰安婦被害者関連合意後、事業の推進に留保的になっている。

「慰安婦」記録物ユネスコ登録を取り消す韓国政府

2015年12月に日本と韓国が慰安婦問題の解決に合意した。
それを受けて、このころの韓国政府は慰安婦資料のユネスコ登録に対して、どちらかというと反対の立場をとっていた。

韓国政府も「慰安婦資料のユネスコ登録は、日韓合意の精神に反している」と認識していた、ということだろう。

 

でも残念ながら、今の韓国政府はこれと逆。
韓国で新しい政権になってから、これがひっくり返ってしまった。

それでも、日本と韓国の関係を前進させたいと思う人にとっては、ユネスコが慰安婦資料の登録に否定的なのは、ありがたいと思っているだろう。

 

 

おまけ

ユネスコでもアメリカ大統領の訪韓でも、あらゆる機会を逃さない韓国は、ある意味さすが。

韓国の粘り強さはすごい。
最近では、「韓国が世界記憶遺産の管理支援をおこなうことになった」というニュースがあった。

朝鮮日報の記事(2017/11/07)から。

韓国行政安全部の国家記録院は7日、フランス・パリで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第39回総会で、ユネスコ傘下の国際記録遺産センター(ICDH)の韓国誘致が決まったと明らかにした。

「韓国がユネスコICDH誘致 世界記憶遺産の管理支援へ」

慰安婦資料のユネスコ登録を韓国はまだあきらめてはいない。
だから、日本は油断をしてはいけない。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。