「右翼!」韓国社会の見方では説明できない、日本の安倍人気。

 

韓国の新聞が安倍首相について書くとき、「右翼」「極右的」「歴史のわい曲」といった言葉と一緒になっていることがよくある。

たとえば、東亜日報の記事(2013/04/15)にはこう書いてある。

安倍首相は右翼だろうか極右だろうか。多くの韓国人は、安倍首相が7月の参議院選挙で勝利すれば極右の爪を出すと心配する。

「右翼」と「極右」の違い

多くの韓国人が安倍首相を「極右」と考えている。
それ以前に、安倍首相への見方が「右翼か?極右か?」の2つしかないということも、韓国社会の見方をよくあらわしている。

 

でも、「右翼か?極右か?」ならまだマシだ。

この1年前の中央日報記事(2014年02月12)では、安倍首相を「公共の敵」と書いている。

右傾化イメージで韓国や中国では“公共の敵”となっている安倍首相だが、日本国内での人気は確固たるものとなっている。

韓中の“公共の敵”安倍首相はなぜ人気?…「強い日本」に若者も熱狂

日本は韓国にとって友好国だったはず。
安倍首相は韓国を「戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と言っている。

でも韓国では、新聞記事を書く側も読む側も「公共の敵となっている安倍首相」という表現が当たり前になっている。
韓国らしいといえば韓国らしい。

ようするに、安倍首相は韓国から嫌われているのだ。

 

 

なんで安倍首相は韓国から嫌われているのか?

その理由の1つに、安倍首相は「韓国にたいして、ハッキリとものを言う」ということがある。

今年(2017年1月)には、こんなことがあった。
安倍首相が慰安問題について、テレビ番組でこんなことを言う。

「次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」

安倍首相の言葉に韓国が激しく反発した。

慰安婦問題について韓国では、「韓国は被害者で、日本は加害者」という固定観念や前提がある。
だから、上から目線でものを言うことができるのは韓国だと考えている。
そんな韓国にとって、安倍首相の言葉はガマンできない。

 

でも、安倍首相の言ったことは、道理にかなっている。
日本は日韓合意での約束を守ったけれど、韓国は守っていない。
韓国は日本大使館前の慰安婦像を動かさないといけないのに、1ミリも動かしていない。

だから韓国は、安倍首相に正面から反論することができない。
韓国としてはこれが悩ましい。
中央日報の記事(2017年01月09日)にこう書いてある。

外交部は8日、これに反論する公式の立場を出さなかった。外交部の当局者は「いちいち反応するのは適切でない」と述べた。しかし悩みは大きい。

安倍首相「10億円出した」…公式反論もできない韓国外交部

「韓国はしっかり誠意を示せ」と、安倍首相は韓国に忖度(そんたく)しないでハッキリものを言う。
だから韓国からは嫌われる。

 

ただ慰安婦像についてこの時の韓国外交部(日本でいう外務省)は、「外交公館の保護に関連する国際礼譲および慣行という側面でも考えてみる必要がある」と言い、「不適切」だと考えていた。
それが今では、だれも触れられない「神像」のように固定化してしまった。

 

 

韓国にとって安倍首相は「右翼・極右・公共の敵」であるにもかかわらず、日本では人気が高い。

「直近の民意」である今年10月の選挙でも、安倍自民は大勝した。

言うまでもなく、韓国の民意と日本の民意は違う。
韓国紙が安倍首相を「右翼的」と非難するのだけど、日本では多くの人に支持されている。

韓国人と日本人の認識の間には、大きなギャップがあることは明らかだ。

「安倍大勝」という現実を突きつけられて、朝鮮日報は「韓国の見方が間違っているのではないか?」と疑問を投げかけている。

歴史歪曲発言、独島(日本名・竹島)に対する領有権主張などにより、安倍首相や日本に対する韓国社会の見方が「右傾化」という見方に傾き過ぎているのではないか。

「韓国社会の見方では説明できない安倍圧勝劇」

「安倍首相=右翼」という韓国社会の単純な見方では、たしかに日本での安倍人気は説明できない。
ということは、「韓国の見方は間違っていた/問題がある」ということになる。

実際、韓国が「右翼・公共の敵」と思ってしまうほどハッキリものを言う首相の姿勢が、日本では逆に好意的に受けとめられていると思う。
慰安婦像の設置に抗議して駐韓日本大使を日本に帰国させたときも、多くの国民は首相の決断を支持していた。

 

 

朝鮮日報は、20代を中心とする若い人たちが安倍首相を支持していることにも注目している。
テレビ朝日による出口調査の結果によると、安倍首相への支持率が20代で49%ともっとも高く、50代では32%、60代では30%と支持率が低下していた。

韓国人の考え方では説明のつかないことが日本では起きている。
韓国の新聞を読んでいると、日本にたいする見方や認識を変えるように促す記事が増えたように思う。

「韓国が怒っても非難しても、日本はブレない」ということが大事だ。
日本が動かなかったら、韓国の見方や対応のほうが変わってくる。

 

 

先ほどの朝鮮日報の記事はこう結んでいる。

安倍首相と日本を正しくとらえなければ、韓国は日本を克服することも、活用することもできない。

韓国が日本を「克服」することは分かる。
日本を越えて韓国が強い国になろうとするのはいい。
日本もひと昔前は、「欧米に追いつけ追い越せ」をスローガンにがんばってきた。

でも、日本を韓国のために「活用する」という考え方はどうだろう?
日本をこのように見る「用日」という韓国社会の見方にも、問題があると思う。

と言いたいところだけど、日本が韓国から学んだ方がいいのはこの考え方だ。
韓国と縁を切る「断交」ではなくて、日本の利益を考えて韓国を活用するという「用韓」の考え方をとったほうがいい。
言葉に責任をもつ政治家やマスコミで「日韓断交」を唱える声はいないし、現実的にそれは不可能なのだから。

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。