「日本の恥!」と猛バッシング。海外で大迷惑の日本人旅行者

 

最近ある事件が起きて、ネットではこんな書きこみがある。

・住所氏名年齢顔面すべて晒せ
日本国、日本国民の恥さらしが
・ただただ恥ずかしい
・ブタ箱ぶち込んどいてください
そのまま正月もそこで越させてくれ
・台湾の人たちへ
こちらのバカ共が多大なご迷惑を掛けました
すみません
・罰金は日本円で378万以上1890万未満か・・・ワロス

 

これらは共同通信社の記事(2017/12/10 )にたいするコメントだ。

12月9日に、信じられないようなことが起きた。
台湾からタイのバンコクへ向かう飛行機の中で、日本人の乗客3人が酒を飲み、大声を出して騒ぎだす。
CAが止めようとすると、1人はタバコを吸いはじめる。

結果、こうなった。

乗客の日本人3人が乗務員の指示に従わずに騒いだため、同機は桃園空港に引き返した。3人は降ろされ、同機に4時間の遅れが出た。

「台湾、邦人騒ぎ航空機引き返し」

海外で日本人が迷惑をかけた話なら、いろいろと聞いたことがある。
でも、「飛行機を引き返させた」というのは前代未聞だ。

それで、「日本国、日本国民の恥さらし」と書きこまれる。
台湾のメディアに顔が映されていて、ネットに画像が出回っているから、もう半永久的に消えることはない。

「ざまあみろ」とは言わないけれど、自業自得だ。

 

「日本の恥!」とネットで猛バッシングを受けた日本人旅行者は、去年の3月にもいた。

それはタイでのこと。
このときも酔っぱらった日本人旅行者が大騒ぎをして、タイの人たちに大きな迷惑をかけた。

biz-journalの記事(2016.03.14)にそのことが書いてある。

タイの王室保養地で、日本人20人が全裸狂乱事件…国際問題に発展、タイ国内が騒然

 

タイの「ホアヒン」という王室の保養地がある高級リゾートで、社員旅行で訪れていた日本人約20人が全裸になってビーチで騒いでいた。

それを見て腹立たしく思ったタイ人が、ツイッターに投稿したことから”事件”が始まった。

タイでは屋外で全裸になる行為は、日本の公然わいせつ罪と同様に刑事罰として有罪となる。

(同記事)

これだけも罪なのに、場所がよりによって王室の保養地があるところだっただけに、問題はさらに大きくなった。

 

このとき一緒にいたタイ人ガイドは、全裸になって大騒ぎをしないよう、日本人旅行者に注意をしていた。
でも、日本人はタイ人の警告を無視する。

フアヒンには宮殿があり、国民に敬愛されるプミポン国王(88)が一時静養していたことで知られる。タイ人添乗員が「王室ゆかりの地だから節度を保ってください」と再三注意したが、男性らは聞き入れなかったという。

日本の恥さらし 泥酔邦人団体客が全裸 タイ王室の保養地

飛行機を引き返させた3人の日本人と同じだ。
「警告」の段階で止めないから、問題になる。

でも、この事件が世間に知れ渡ったときには、この日本人たちはすでに帰国していた。
日本にいるから、タイの警察ではどうしようもできない。
彼らは、逮捕されることは免れた。

現地の日本人の情報によると、この”全裸日本人”についてはタイ警察が把握していて、ブラックリストに載せられたから当分はタイに入国できない。

 

この日本人旅行者はタイの警察に捕まることはなかった。
でも、ほかの日本人が許さない。
全裸騒ぎをした社員の会社は特定され、ネットで猛烈なバッシングを受けた。

「日本人の恥」「タイに失礼」「もう一度タイに行って謝罪しろ」といった非難の声がネットに殺到する。
実際には、ここには書けないような激しい言葉が多かったけれど。

そしてこの会社はホームページに謝罪文を載せることになる。

 

この事件では意外なことも分かった。

ビーチで全裸になって騒いでいる集団を見たタイ人は、はじめ彼らを中国人だと思っていた。
それでツイッターに、「中国人の集団が全裸で暴れている」と書きこむ。
でも問題が大きくなるなかで、裸になっていたのは中国人ではなく、日本人だったことが分かる。

タイ人には、「日本人は、礼儀正しくて迷惑をかけない人たち」というイメージある。
だから、「こういう騒ぎをするヤツは中国人に違いない」という先入観があったらしい。

「タイでは中国人のマナーの悪さが問題となっているので、みんな中国人の行為だと思っていたんですよ。まさか、日本人がこんなことをするとは思わないので、驚きが大きいニュースでした。日本人は、現地の事情に合わせて思慮深い行動をするものかと思っていました」(40代男性)

タイの王室保養地で、日本人20人が全裸狂乱事件…国際問題に発展、タイ国内が騒然

「外国で迷惑をかけているのが、中国人だと思ったら実は日本人だった」という例は聞いたことがない。
この日本人旅行者たちは、二重の意味で日本の恥をさらしたことになる。

 

 

かつて日本人は3年連続で「世界ベストツーリスト」に選ばれたことがある。

AFPの記事(2009年7月10日)がこの名誉を世界に伝えている。

最良の宿泊客の栄誉に輝いたのは3年連続で日本人で、清潔さ、礼儀正しさ、静かさ、不平不満の少なさの項目で高い評価を得た。

日本人が3年連続「ベストツーリスト」、ワースト1はフランス人

好かれる国1位は日本、2位イギリス、3位はカナダ。
嫌われる国ワースト1位はフランス、2位はスペイン、3位はギリシャという順。

 

台湾とタイで迷惑をかけて、ほかの日本人から「日本の恥!」と怒られた日本人は例外中の例外であって、一般の日本人はこんなことをしない。

でも、「日本人は礼儀正しくマナーの良い人たち」という海外のイメージは、今がピークかもしれないと思う時がある。

 

おまけ

タイのワットアルンというお寺。

 

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。