日本人が嫌う韓国のツートラック。反日と経済協力は両立しない。

 

韓国にとっては理想的だけど、日本からは冷ややかに見られる考え方がある。

それが韓国いう”ツートラック外交(戦略)”というもの。
このツートラックにたいする見方の違いに、韓国と日本の考え方の違いがよくあらわれている。

今回はこのツートラック戦略とそこから見える日韓の考え方の違いを書いていこうと思う。

 

まずは、韓国が唱えるツートラックとはどんな考え方なのか?
時事通信の記事(2017/08/15)にこう書いてある。

「歴史問題が未来志向の韓日関係の発展にとって障害になり続けることは望ましくない」。文大統領は演説で、歴史問題を安全保障や経済など他の分野と切り離して対処していく「ツートラック(2路線)」戦略を取る立場を明確にした。

「慰安婦」「徴用工」で不満=要求エスカレートも-韓国大統領

陸上競技を英語で「track and field」と言う。
このtrack(トラック)とは、選手が走る走路(道)のこと。

韓国のいうツートラックとは、歴史問題と経済や安全保障などとを分けて考え、日本に対して別々に対応していくという考え方だ。

「歴史問題と経済とは、分けて考える」と聞くと、良いことのように思うかもしれない。
でも実際には、「反日行為はするけれど、経済的な利益も求めていく」という韓国にとって都合の良い両立であることも多い。

 

 

例えば今年1月にはこんなことがあった。

韓国の市民団体が釜山の日本総領事館前に慰安婦像を建ててしまう。
「あの慰安婦像をどかしてほしい」と日本が韓国に伝えても、韓国は動かない。

それで韓国に抗議するため、安倍首相は駐韓日本大使らを日本に帰国させた。
このとき、日韓通貨スワップ交渉をストップさせている。

日韓通貨スワップとは、実質的に日本が韓国を経済的に支援するようなもの。
日本と韓国とでは、経済規模も通貨への国際的な信頼も違うのだから。

 

だからこれを中断された韓国が怒る。
「歴史問題と経済を結びつける日本のやり方は間違っている!」と反発した。

韓国は、「少女像を建てることと経済は切り離して考える」というツートラック戦略をとっていた。
この韓国理論からしたら、日本の行為は間違っている。

 

日本大使が帰国し韓国にはいなかったときに、中央日報はソウル大客員教授のこんな言葉をのせていた、

日本とは過去の歴史と経済協力を分離してツートラックで解決しなければいけない

日米中「外交津波」…韓国に解決する人はいない

さて、日本が過去の歴史(慰安婦問題)と経済協力を分離して考えるだろうか?

 

慰安婦像設置に対する抗議として、日本政府は韓国大使らを一時帰国させた。
FNNが2017年1月28日~1月29日におこなった世論調査の結果では、80%以上の国民は政府の決断を支持している。

また、「韓国を外交や経済活動の相手国として信頼できるか?」という質問に対して、約80%の人が「信頼できない」と答えた。

「過去の歴史と経済協力を分離して考える」という韓国のツートラック戦略は、日本人にはまったく通用していない。

「慰安婦像は建てるけれど、経済協力はしてほしい」というツートラックは、日本からしてみたら都合が良すぎる。
まあ、慰安婦像を建てたのは市民団体で、韓国政府はそれを黙認しているのだけど。

とにかく、反日と経済協力の両立はムリ。

「慰安婦像を建てることは日韓合意の精神に反する。そういう信頼を裏切る行為をしたら、経済協力はできない」と、歴史問題と経済とを結び付ける考え方が日本人にとっては自然だ。

 

 

最近、韓国メディア「YTN」にこんな記事(2017-12-07)があった。

“文 대일정책은 실용주의…역사-안보 구별”

文大統領の対日政策は、歴史と安全保障とを区別する”実用主義” 的なものだという。

これは、今まで書いてきたツートラック戦略のこと。
今でも韓国では、これが対日外交の基本的な考え方になっている。

記事にはこう書いてある。
*韓国語を機械翻訳して、修正を加えている。

今後とも韓日関係で歴史と経済・北朝鮮問題を区別するツートラック戦略を取るはずだという見込みが出ました。

ここでいう歴史問題とは、おもに慰安婦問題のこと。
慰安婦問題と経済とを区別する韓国のツートラック戦略には、日本からは反発の声が多く上がっている。

・毎回ツートラックって言ってるけど、結局出来ていないよね
・そういうのは国家間、外交ではありえないんだが。
・全ては日本大使館と領事館前の慰安婦像を撤去してからの話だろ?
・こんな自己中心的な考えは 日本人には通用しない。
・ツートラックって、ご都合主義のことだろw
・ツートラックはいいけどさ、日本にメリット無けりゃ意味ないぞ
・なんでそんな都合のいい政策に付き合わなきゃいかんのだ?

 

先ほどの世論調査でも、約80%の人が「韓国を外交や経済活動の相手国として信頼できない」と答えている。
このことから考えても、歴史問題(慰安婦問題)と経済とを分けて考えるツートラック戦略が、日本人に通用するとは思えない。

韓国のいう「ツートラック戦略/実用主義」とは、多くの日本人から見れば、反日と経済的利益を同時に求める「ご都合主義」でしかないのだから。

日韓合意で約束したとおり、韓国政府が慰安婦像を動かしたら、日本も通貨スワップ交渉に応じる。
歴史問題と経済を結びつけるのが、日本人の考え方だ。

このツートラックの見方の違いに、日本と韓国の考え方の違いがあらわれていておもしろい。

 

以前、友人の韓国人と日本の産地偽装問題について話をしていたとき、韓国人との考え方の違いを感じることがあった。

浜松にあるホテルが産地偽装をして大問題になった。
そのホテルは「静岡産の野菜を使っている」と宣伝していたけど、実は県外の野菜を使っていた。

でも友人の韓国人は、「これが問題になることが理解できない」と言う。

「同じ日本産ですよね?なら、いいじゃないですか。ウソをついたのはダメですけど、怒るほどのことですか?日本産と言っておいて実は中国産だったら、問題になるのは分かります」

 

この韓国人は、「人体に影響がなかったら、それでいい」と主張する。
でもこれは、健康問題ではなくて信頼の問題だ。
同じ日本産で実害がなかったとしても、世間にウソを言っていたら信頼をなくして叩かれるのは当たり前。
それが日本の社会だ。

韓国でも信頼は大事されているけれど、現実や相手の事情を重視して、大目に見るところがある。
日韓合意について、韓国の議員が「今では国民の多くが反対しているから、合意は無効だ」と主張しているのを見ると、そう思う。

約束や信頼の感覚が、日本と韓国では違うのだ。

 

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2 件のコメント

  • コメントありがとうございます。
    しかもお褒めの言葉を。笑。
    心は広くはありませんよ。日常生活の小さいことでよく腹が立ちますから。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。