外国人の価値観や考え方を知る方法②キリスト教徒から見た七福神

 

はじめの一言

「桜の花の頃こそ日本人を観察すべき時である。これこそ牧歌的哀歌的なる天性の最も明らかに現われる現象だからである。(ケーベル 明治時代)」
「日本絶賛語録 小学館」

上海(中国)で見かけた桜と富士山

 

今回の内容

・出エジプト記は、「るるぶ」かよ!
・七福神、ありえない・・・。

 

・出エジプト記は、「るるぶ」かよ!

「その国の人が何を問題視するのか?」

そのことを知ることで、外国人の価値観や考え方を知ることができる。
前回、そんなことをかいた。
その具体例として、2013年にアメリカで起きた「コストコ聖書事件」がある。

アメリカのコストコで、聖書がフィクションのコーナーに置いてあったがわかって多くのアメリカ人が激怒する。
そして、コストコが公式に謝罪する事態にまで発展してしまった。

日本だったら、聖書が本屋のどこに置いてあったかで、ここまで大きな問題にはならないはず。

日本人とアメリカ人とでは、宗教や聖書に対する考え方や価値観が大きくちがっている。
このコストコ聖書事件で、そのことがわかる。

くわしくは、この記事を見てください。

外国人の考え方や価値観を知るよい方法①「コストコ聖書事件」から

 

 

この「コストコ聖書事件」と似た(?)できごとが、日本でも2015年におきている。

神奈川県の図書館で、旧約聖書の「出エジプト記」の本がなぜか「旅行ガイドブック」になっているということが話題になった。

出エジプト記

旧約聖書の二番目の書であり、『創世記』の後を受け、モーセが、虐げられていたユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語を中心に描かれている。

(ウィキペディア)

 

その図書館でこの宗教書を検索すると、どういうわけか「旅行/海外旅行/アフリカ/エジプト」に分類されているらしい。

それで、「聖書が『るるぶ』あつかいかよ!」とつっこむ人が続出した。

でも、日本だとこのていどですむ。
宗教書が「旅行コーナー」に分類されていても、これを問題視する日本人はほとんどいないから。
だから話題にはなるけど、社会問題にまでにはならない。
アメリカだったら、こんなものではすまかなったと思う。

アメリカ人と日本人がなにを問題視するのか?
そのちがいを知ることで、アメリカ人と日本人の価値観や考え方がみえてくる。

 

 

・七福神、ありえない・・・。

日本人からしてみたらまったく問題ではないけれど、アメリカ人からしたら「ありえない」というものがあったから、それを紹介したい。

このギャップも、「なにを問題視するか?」という視点のちがいからおきている。

前に、グアム出身のアメリカ人とお寺に行った。
そのとき、そのアメリカ人が「お守りが欲しいです。でも漢字がわからないから説明してほしい」とボクに言う。

アメリカ人がケースの中のお守りを見ていて、「不思議なお守り」を見つけた。
それがこの「七福神」のお守り。

 

七福神のお守りを見て、彼女がこんな質問をする。

「このお守りには、なんで神様がこんなにたくさんいるの?」

この七福神の神様は、それぞれ役割がちがう。
だから、このお守りひとつでいろいろなことに「効く」というありがたいもの。

神様に「役割」とか「効く」という表現をつかうのは失礼だけど、まあ許してください。

この「七福神」というのは、日本人の宗教観をよくあらわしている。
知っているとは思うけど、七福神とはこんな神様。

福徳の神とされて信仰される七人の神(大辞泉)

 

このなかで、日本の神様はじつは1柱だけ。
どれだか分かりますか?

 

答えは、恵比寿(えびす)様。

 

七福神は、日本の神である恵比寿と外国の神様からつくられているユニット。

「大黒天、弁財天、毘沙門天」はインドの神様。
「福禄寿、寿老人、布袋」は中国の神様。

この日中印の神様で「七福神」を構成している。

 

アメリカ人にはこれがよくわからないらしい。

「そうなの?日本と中国とインドの神様が1つのお守りになってるの?宗教もちがうのに。本当に不思議。アメリカでは見たことがない。本当に日本的な考え方ね」

と、おどろいていた。

七福神のお守りを見ておどろく日本人はいない。
それはあたり前のことで、問題視することがないから。
でも、アメリカ人はちがう。

キリスト教徒(カトリック)の彼女と日本人とでは、宗教観や神に対する考え方が大きく異なっている。

 

 

キリスト教は一神教だから、信者にとっての神は「ゴッド」だけしかありえない。

クリスチャン(キリスト教徒)とは、どんな人たちのことなのか?

キリスト教にくわしい八木谷涼子氏はこう書いている。

基本的には、新約聖書に書かれたイエスを「唯一の救い主」と信じる人びとのこと。

「キリスト教大研究 八木谷涼子」

 

この「唯一の救い主」が、キリストのこと。
聖書にも、「わたしのほかに神はいない」と書いてある。

これは本当に大事なことで、これを無視したらキリスト教は成立しなくなる。

 

これは日本人の「八百万神」という考え方とはまったくちがう。

八百万神【やおよろずのかみ】

数多くの神,すべての神のこと。類似の語に八十神(やそがみ),八十万神(やそよろずのかみ),千万神(ちよろずのかみ)がある。森羅万象に神の発現を認める古代日本の神観念を表す言葉。

百科事典マイペディアの解説

 

この「八百万神」という考え方が、「七福神」につながっていると思う。

「イエスを唯一の救い主と信じる」というキリスト教徒の宗教観と「八百万神」という日本人の宗教観はまったくちがっている。
だからキリスト教徒の彼女から見たら、「本当に不思議」になる。

 

 

彼女から指摘されると、あらためて不思議も思うこともある。

なんでちがう宗教の神々が、1つのグループにまとめられているのだろう?
なんでそんなことができるのか?

キリスト教のゴッド・仏教の仏・ヒンドゥー教の神が「一緒にいる」という状態は基本的にはありえない。

一神教のキリスト教の信者からしてみたら、その「枠組み」というものが想像できないと思う。

七福神ならボクもわかる。
でも、キリスト教・仏教・ヒンドゥー教の神々が一緒になっているものを見たら、それは何なのかよくわからない。

そんなものがあったら、どういう考え方や基準でひとつになっているのかを知りたい。

 

 

日本人にとっては、七福神は当たり前のもの。
でも、アメリカ人の彼女はこれを不思議と「問題視」した。

「外国人がこれを問題視した」や「外国人がこれに驚いた」という反応だけを知ってもあまり意味はない。
その人が驚いた理由や背景を知ることが大事になる。

 

外国人が日本のなにかにおどろくときは、それまでその人が常識としてもっていた認識とのちがいからうまれることが多い。
外国人の反応からその原因をさぐっていけば、その人の価値観や考え方を知ることができる。

外国人が「何を問題視するか?」というのは、その人の価値観や考え方を知る良いきっかけになる。

 

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宗教って、本当に難しいですね。

 

おまけ

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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。