ミャンマー人、日本人の英語に怒る。英語がヘタな理由とは。

 

「これからの日本の英語教育では、英語を話す力が重視される」

東京都は都立高校の入試で、スピーキングの試験をおこなうことにした。
高校入試で英語を話す力が評価される動きは、きっとこれから日本全国に広がっていく。

少し前にそんなことを記事で書いた。

外国人が驚いた日本人の英語力:話せないけど書けまっせ。

 

都立高校の入試でスピーキングの試験が導入されることについて、ネットにはこんな反応があった。

・英会話を授業でやってほうがいいよ
だいたい会話もできないのに読み書きさせるほうがおかしい
・フィリピンみたいな国家をめざしているの?
・日本人の英語力の低さは異常だからな
もう何しても無駄だろう
・アメリカ合衆国日本州になるための準備か
・英会話を授業でやってほうがいいよ
だいたい会話もできないのに読み書きさせるほうがおかしい

 

最近、日本で働いているミャンマー人と会ったとき、彼から「日本人が話す英語」について話を聞いたから、今回はそのことを書いていこうと思う。
ミャンマー人の彼は、日本人の英語で困っていた。
というか、怒っていた。

 

 

でもその前に、ミャンマーという国を簡単に知っておこう。

・面積:68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
・人口:5,141万人
・首都:ネーピードー
・民族:ビルマ族(約70%)、その他多くの少数民族
・言語:ミャンマー語
・宗教:仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等

以上の数字では、外務省ホームページの「ミャンマー連邦共和国 基礎データ」から。

 

ちなみにこれがミャンマーの歴史になる。

諸部族割拠時代を経て11世紀半ば頃に最初のビルマ族による統一王朝(パガン王朝、1044年~1287年)が成立。その後タウングー王朝、コンバウン王朝等を経て、1886年に英領インドに編入され、1948年1月4日に独立。

ミャンマーは昔、イギリスの植民地だったことを覚えておいてほしい。

 

 

ボクが話を聞いたミャンマー人は20代の男性で、日本の会社で働いている。

彼は問題なく英語を話すことができる。
ふつうの日本人とは比較にならないほど、英会話の能力は高い。

特に発音が良い。
彼の英語発音が良い理由は、彼の英語の学び方にあった。
彼が中学校で英語を学んだとき、先生からミャンマー語で発音を書くことを禁止されていた。

英語の発音をミャンマー語で正確に書くことはできない。
ミャンマー語で発音を書いてしまうと、そのミャンマー語を覚えるだけで、英語発音が上達しない。
だから英文をくり返し耳で聞いて、正しい発音を覚えよう指導されたという。

 

日本人の英語教育でも同じことが言える。
英語の発音を、日本語で正確に書くことは不可能だ。
「R」の発言はカタカナで「アール」と書くけれど、「R」と「アール」は発音がぜんぜん違う。
「girl」を「ガール」とカタカナで書いてしまうと、そのカタカナ発音を覚えてしまって、「girl」の本当の発音が身につかなくなる。

そういうことで、彼の学校の先生はミャンマー語で英語の発音を書くことを禁止にした。
かなり苦労したけれど、そのおかげで彼はネイティブに近い発音を身につけることができた。

 

 

でもそのことで、彼は日本で苦労している。

あるとき、彼は日本人の上司からこう言われた。

「君の英語発音はうますぎて分かりづらいんだよ。だから日本人と話すときは、日本人のような英語発音で話てほしい」

 

例えば、彼が仕事で日本人と話すとき、「そのことはmanager(マネージャー)と相談してみます」と言ったとする。
彼の「manager」の発音は英語のネイティブに近いから、日本人には聞き取りづらい。
それで相手の日本人のから、「今、何て言いましたか?」と聞き返されてしまう。
「そのことはマネージャーと相談してみます」と意識してカタカナ発音で言うと、相手は理解できる。

 

それで上司から、「日本人のような発音で話してほしい」と言われてしまった。
でも、彼はこれに納得がいかない。

「日本人の英語発音を覚えて使うことは大変なんですよ。「McDonald’s」は「マクドナルド」って発音しないといけないし。でも、本当は逆ですよね。日本人が正しい英語発音を覚えるべきですよ」

そりゃそうだ。
彼の言うことはまったく正しい。
彼は「ミャンマー語禁止」で苦労して本物の発音を身につけたけど、そのために日本では通じない。
それで、カタカナ英語を覚えないといけなくなる。

 

本来は、日本人が英語ネイティブの発音を聞き取れるようになるべきだけど、それは現実的にむずかしい。
これからの日本の英語教育で英会話が重視されるようになったら、彼のようなことでストレスを感じる外国人は減ると思う。

彼は日本に来る時代が早すぎた。

今はアキラメロン。

 

ミャンマー人が英語を話せる理由に1つに、昔イギリス人が支配していたことがある。
イギリス人と会話するときは英語を使っていたから、英語教育がおこなわれていた。

逆に、日本人の「英語下手」の理由に、「日本はずっと独立国だったから」ということがある。

 

明治時代、日本人は英語を次つぎと日本語にしていった。
「漢字と日本人 (高島俊男)」という本を見ると、ざっとこんな感じだ。

政府、政治、裁判、建築、交通、公務員、選挙、会社、銀行、不動産、機械、経理、道路、鉄道、自動車、自転車、運動、体育、体操、陸上、野球・・・。

 

この時代の日本で、英語を日本語に翻訳した有名な人物に、西周(にし あまね)や福沢諭吉などがいる。

これらの言葉はすべて西周が考え出した。

西洋語の「philosophy」を音訳でなく翻訳語(和製漢語)として「希哲学」という言葉を創ったほか、
「藝術(芸術)」「理性」「科學(科学)」「技術」「心理学」「意識」「知識」「概念」「帰納」「演繹」「定義」「命題」「分解」など多くの哲学・科学関係の言葉は西の考案した訳語である。

(ウィキペディア)

英語の「speech(スピーチ)」を「演説」という日本語にしたのは福沢諭吉だ。

海外旅行でよく見る「為替」という日本語も、福沢諭吉が訳した言葉だ。

「為替」。これはmoney order を福沢諭吉がこう訳したものだという。福沢が自分でそう言っている。

「漢字と日本人 (高島俊男)」

明治時代の日本人の翻訳能力は本当にすごかった。

でもこのことが、今の日本人の英語下手にもつながっている。

 

おまけ

ミャンマーのシュエダゴンパゴダ。
日本でいう仏教のお寺。

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカに旅をしてきました。外国に行って初めて気がつく日本の良さや特長があります。以前、歴史を教えていたので、その経験もいかして、日本や世界の歴史や文化などをテーマに、「読んでタメになる」ようなブログを目指します。