平昌五輪、韓国が日本に”上から目線”。その態度の理由とは。

 

ワーキングホリデーで1年間、東京に住んでいた韓国人の友人がいる。
彼女は今20代後半で、韓国でOLの真っ最中。

その韓国人が以前、日本の「親しき中にも礼儀あり」という言葉が好きではない、と言っていた。
「どんなに親しい間でも、一定の距離をたもって礼儀を守る」という日本人の考え方に、冷たさやさみしさ感じる韓国人は多いらしい。

 

逆に日本人のボクから見ると、韓国人のつき合い方で、距離感のなさに驚くことがある。
韓国の若い人たちは、年上の人を「おねえちゃん」「おにいちゃん」と呼んでいる。
まったく血はつながっていなくても、「おねえちゃん」と呼んだ方が親しみを持てるし、韓国では自然だという。

でも、それが日本人には通じなくて、傷ついた韓国人の女の子もいた。
親しくなった年上の日本人男性を「おにいちゃん」と呼んだら、その日本人に「え?」という顔をされる。
そして、「そういう呼び方はやめてほしい」と人前で否定されてしまう。
その韓国人の子は、心の傷を負ってしまった。

 

韓国では逆で、「親しくなったら礼儀は必要ない」という考え方が一般的だ。

極端に言ったら、相手に無茶や無礼なことを言うのは、親しい証拠であり親しみを感じているから。

ちなみに「親しき中にも礼儀あり」は、この韓国人だけではなくてアメリカ人やタイ人も嫌っていた。

 

 

日本を「近い国」と感じているせいか分からないけれど、今年6月、韓国人が日本に”無礼”なことを言って、反発を買ってしまった。

来年2月に韓国の平昌でオリンピックが開かれる。
韓国としては、できるだけ多くの人に来てもらってオリンピックを盛り上げたい。
でも、チケットが売れない。

日本に目を向けると、ここ最近、韓国へ旅行に行く日本人が減り続けている。

 

チケットが売れないあせりや韓国に来ない日本人に腹が立ったためか、6月に日本を訪れた韓国の国会議長がこんなことを言った。

産経新聞の記事(2017.7.21)から。

平昌冬季五輪への日本人観光客訪問を強く要請。訪韓する日本人観光客が減っていることを「よくない」と指摘した上で、「平昌五輪に日本人観光客がたくさん来るように努力してほしい。もし少なかったら、東京五輪には1人の韓国人も行かせない」と言い放ったという。

「平昌五輪に来る日本人少なければ東京五輪行かせない」韓国国会議長の発言と訪韓外国人数激減にみる日韓の違い

この記事では、国会議長の言葉を「“恫喝(どうかつ)”とも取れる不規則発言」と表現している。
立場を変えて、これと同じことを日本の政治家が韓国で言ったら、「不規則発言」ではすまい。
きっと、「妄言」「大暴言」とぶったたかれる。

 

韓国への日本人観光客が減っていることを「よくない」と指摘し、「平昌五輪に日本人観光客がたくさん来るように努力してほしい」と言っているけれど、日本人観光客が行きたくなるように努力しなければいけないのは韓国だろう。
韓国に魅力を感じたら、自然と日本人は韓国に足を運ぶようになる。

それに、「もし少なかったら、東京五輪には1人の韓国人も行かせない」という”上から目線”の物言いは、日本人の反感を買うだけで逆効果だ。

でも韓国の国会議長は、公の場でこう言って謝罪も撤回もしていないのだから、この見方や態度を当然のように考えているのだろう。

 

「平昌五輪に日本人観光客がたくさん来るように」と思っているのなら、「親しき中にも礼儀あり」で、もうちょっと距離を置いて礼儀を持ってほしい。

 

 

最近も中央日報の記事(2017年12月18日)を読んで、同じことを感じた。

来年2月に開催される平昌五輪も変数に浮上した。政府は平昌五輪に安倍首相が必ず出席するべきだという立場だ

韓国政府、慰安婦問題への対応を平昌五輪後に先送り

なんで「安倍首相が必ず出席するべき」なのか?
安倍首相が行くべきかどうかは日本が決めることで、韓国は「出席を希望する」という立場だろう。

 

日本と韓国は別の国で、考え方も価値観も利益もちがう。
「必ず~するべきだ」というのは、同じ韓国人に対する言葉だろう。
日本が韓国の考える通り動くことを、当然のように思っていないだろうか?

この記事にも、ネット上で「失礼」「なんで上から目線なの?」といったコメントが書きこまれていた。

 

 

「平昌五輪に日本人観光客がたくさん来るように努力してほしい。もし少なかったら、東京五輪には1人の韓国人も行かせない」
「安倍首相が必ず出席するべきだ」

こんな態度では、意見や希望を言っているのではなくて、韓国が決めたことを日本に伝えているように感じてしまう。
これでは、日本が反発しない方が不自然だ。

「親しき中にも礼儀あり」で、日本をどんなに近く感じても、距離と礼儀を持ってほしい。

 

韓国がこうした態度で日本に接するのは、過去の歴史問題から、日本との関係を「韓国=被害者、日本=加害者」ととらえていることが影響していると思う。
基本的に加害者は低姿勢だから、被害者側が自制しないと、一線を越えて「上から目線」を当然のことと思うようになる。

韓国は日本との関係を「被害国と加害国」と見ているから、「五輪ホスト国とお客さん」という意識が弱くなってしまうのだろう。
そういう考え方をしているから、それに応じた言葉が飛び出る。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。