中国に怒る韓国のダブルスタンダード。で、日本人の人権は?

 

「ダブルスタンダード(二重基準)」という言葉がある。

同じことであっても、相手によって言うことが変わってしまうことをいう。

辞書的には、こんな意味だ。

ダブルスタンダード【double standard】

対象によって適用する基準を変えること。二重基準。二重標準。

「大辞林 第三版の解説」

例えば、お気に入りの生徒がミスをしたら許すけど、嫌いな生徒がそれをしたら激怒するような先生は、ダブルスタンダードの典型的な例だ。

ほかにもいろいろある。

自分はよく遅刻するくせに相手が遅刻したら、「約束はしっかり守れ!」と怒り出す。
自分は浮気するのに相手が浮気すると、「信頼を裏切った!」と怒り出す。

「自分に甘く、他人に厳しい」というのもダブルスタンダードで、インターネットでは「ダブスタ」と言われる。

あからさまなダブルスタンダードがあると、「お前が言うな」とネットで総つっこみを受けてしまう。

 

 

 

大正から昭和初期、東京がまだ「帝都」と呼ばれていたころ、「説教強盗」があらわれて世間を騒がせていた。

家に忍びこんで金や貴重品を盗む強盗なんだけど、そのとき住人に「戸締まりが甘い」と説教したり、「防犯のために犬を飼ったほうがいい」なんてアドバイスをしたりしたことから、「説教強盗」といわれるようになる。

でも、けっこうシャレになっていなかった。

その後も翌1928年(昭和3年)夏から秋にかけてたびたび説教強盗が出没し、帝都市民を恐怖に陥れた。

「ウィキペディア」

自分が強盗をしておいて、「だからおまえは強盗に入られるのだ!」と被害者に説教するのも、広い意味でのダブルスタンダードだろう。
いや、これはちょっと違うかもしれない。

でも、強盗対策で強盗の知恵を借りることは有効で、「服役後は自らの体験を元に各地で防犯講演を行った」という。

 

 

日本のインターネット上では、韓国のダブルスタンダードがよくやり玉にあげられる。

最近、韓国の大手全国紙・朝鮮日報にこんなコラム(2017/12/24)があった。

中国政府の非道と文大領支持者の盲目

 

「中国の非道」というのは、文大統領が中国を訪問していたときに、韓国人記者が集団暴行を受けたことをいう。
このとき暴行を受けた記者は眼窩骨折や眼球出血があったぐらいだから、かなりひどい暴行を受けていたことが分かる。

この件について、韓国の新聞は中国の責任を追及するけれど、中国は自分たちの責任を認めていない。
「事件の経緯が迅速かつ徹底的に明らかになるように最善を尽くすつもりだ」と言うだけだらしい。

 

中国の見方は韓国とは違うし、そもそもこれは韓国と中国の問題だから、ボクにはどちらがどれほど悪いのかは分からない。
心情的には、韓国に同情している。

「韓国側はひどい目にあった」とは思うけれど、この一文には、ダブルスタンダードを感じずにはいられない。

中国とは違い、韓国は普遍的人権を保障する国だ。

「韓国は普遍的人権を保障する国」だと?
韓国はもう、2014年の「加藤さん事件」を忘れてしまったのか。

 

 

「加藤さん事件」については、ウィキペディアに「韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件」という項目がある。

2014年にセウォル号沈没事故が起きた。
その後、産経新聞の加藤達也・ソウル支局長が書いたコラムが韓国で問題視された。

ちなみにそのコラムは、「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」というもの。

 

このコラムは、「中国とは違い、韓国は普遍的人権を保障する国だ」と書いた先ほどの朝鮮日報の報道を元にしている。

コラムでは、「セウォル号が沈没した」という報告を受けた当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領が、その後7時間ほど所在が分からなくなったことに焦点を当てた。

そして、この空白の7時間の間に、「『朴槿恵大統領は男性と密会した可能性がある』というウワサが韓国にある」と指摘した。

ウワサの真偽の追及は現在途上だが、コラムは、朴政権をめぐって「下品な」ウワサが取り沙汰された背景を分析している。

朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」

このコラムに政権側が激怒する。

ソウル中央地方検察庁は、加藤支局長の韓国出国禁止処分を決定。
韓国外交部の報道官は、「根拠のない流言飛語を基にして国家元首の名誉を毀損した悪意的な報道で、極めて重大な事案とみている」と、記者会見で加藤氏の批判をおこなう。

 

これに対して日本政府(菅官房長官)は、「報道の自由、日韓関係の観点から極めて遺憾だ。国際社会の常識と大きくかけ離れている」と韓国の対応を批判する。

韓国から出国禁止処分を受けた加藤さんは、日本の家族と会うこともできない状態に置かれてしまう。

 

 

でも結局は、韓国の裁判所が無罪判決を言い渡し、韓国の検察が控訴を断念したことで、加藤氏の無罪が確定した。
韓国政府の対応が間違っていたことを、韓国の裁判所が認めたことになる。

この件について、アメリカ国務省のサキ報道官は記者会見でこう言った。

「われわれは言論・表現の自由を支持する」と強調し、韓国の名誉毀損に関する法律について、アメリカ国務省が毎年公表している人権に関するアメリカ合衆国記録報告書(英語版)でも指摘したように「懸念している」と述べた。

「ウィキペディア」

この間、韓国の地検は加藤氏に、「こうしたら釈放される」ということを話していたという。
「捕まえといて、釈放の方法を教える」というのは、説教強盗に似ている。

たぶん捕まえた側も困っていたのだろう。

 

 

後に加藤氏は、「政権総掛かりの個人攻撃だったことが明らかとなり、怒りというよりも恐ろしさを覚える」というコメントを出した。

つい3年前、国家が個人にこんなひどいことをしておきながら、「中国とは違い、韓国は普遍的人権を保障する国だ」と堂々と書く。
このダブルスタンダードには、こう言うしかない。

 

 

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今まで、東南アジア、中東、西アフリカなど27の国・地域に旅をしてきました。以前、中学生に歴史を教えていた経験もあります。 また、日本にいる外国人の友人も多いので、彼らの目から見た日本も知っています。 そうした経験をいかして、日本や世界の歴史・文化・宗教などをテーマに、「読んでタメになる」ブログを目指しています。